Zホールディングスグループ3社のオンライン合同新人研修が生んだ温かな繋がりと帰属意識

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回は、Zホールディングスグループの一員であるイーブックイニシアティブジャパン、カービュー、ワイジェイカードの3社が2020年11月に実施した、合同新人研修を取り上げます。リモート下で新入社員の帰属意識を高めるための取り組みとして行われた研修について、設計の仕方や企画の立て方、得られた効果などを、3社の人事に語っていただきます。

人事主導でZホールディングスグループのシナジーを高めていくために

(今井)11月にイーブックイニシアティブジャパン、カービュー、ワイジェイカードの3社で新人向けに「入社半年合同研修」を行ったわけですが、背景にはコロナ禍による共通の課題感がありました。

(山田)毎月Zホールディングスグループ人事で集まって情報共有する場でも出ますが、各社ともほぼ在宅勤務となっている中で、「4月入社の新入社員の育成をいかにやっていくか」が大きな課題になっています。

(関)ワイジェイカードは拠点が福岡と東京に分かれています。福岡については、お客様対応がメイン業務となるためどうしてもリモートワークにはできず、基本は出社です。でも東京は皆さんと同じようにリモートですから、抱えている課題は同じです。

(今井)新人の育成や定着をリモートワークの中でどうやっていくかは重要な課題でした。彼らが会社に馴染んで業務を覚えることを、人事からフォローしなければなりません。そして、それは帰属意識にも直結します。

元々、Zホールディングスグループの人事は交流が多くて、毎月顔を合わせています。グループ会社間でさまざまな知見があっていろんなことが共有できているのであれば、人事をキーワードにグループシナジーに繋がることをしたいよねと、以前から話しにはあがっていました。

(山田)そうですよね。グループ間のシナジーを高めることを目指しているからこそ、それを人事から発信していけたらいいよねという話は、以前からありましたよね。

(今井)そのときに、共通項として新卒採用や研修がありましたので、そこをフックに何かグループ連携に挑戦してみたいと思ったのです。

(山田)それでいうと、以前この3社で新卒採用の合同説明会をしましたよね。

(関)あれが大きなきっかけですね。話をもらった時はすごくいい取り組みだと思いましたし、やってよかったです。

(今井)このような経緯もあり、採用の次なら「新人の研修」と。率直にいうと「思いつき」です(笑)。そうして実現したのが今回の合同新人研修ということになります。新卒採用を行っている企業であれば「入社半年研修」を実施している企業は多いはず。ならばそれを一緒にやってみてはどうだろうと、声をかけさせてもらいました。

3社集まるからこそZホールディンググループを感じられるコンテンツを用意

(今井)最初に検討したのが、オンライン形式でやるのか、集合形式でやるのか、でした。ここに関しては、開催を11月頭と決めたため、世の中のコロナ感染拡大の様子を見て判断することとしました。

(関)ただ、我々は福岡からも参加する以上、できればオンラインでという話はさせてもらっていました。

(山田)人事の気持ちとしては、直接会わせてあげたいなという気持ちが強かったです。特にカービューの場合は、新卒社員同士が内定式以来1年以上会っていなかったので、ここで会えると親密になるだろうなということは考えていました。ただ、会社の方針として「オンラインを中心として自分で働き方を選択して成果を上げていこう」と掲げていることもあって、最終的にはオンラインでの実施になりました。

(今井)研修の内容の企画設計に関しては、3社を取りまとめなければならないこと、かつ準備期間が短いという無茶振りだったかもしれませんが、今年度から人事に兼務で入ってもらった相原さん中心に考えてもらいました。合同研修を行う話が上がったのが10月、実施は11月前半というタイトなスケジュールでした。

(相原)準備期間は1カ月ちょっと、でしたね。

(今井)ベースとしては、入社半年という節目に何をするのが最も効果的かを考えているのでここをぶらさずに進めていきました。ミーティングの中で、「配属から半年というタイミングは振り返りを行って、次の半年、1年のための一歩を決めるのに良いタイミング」という共通認識があり、そこはすんなり決まりました。あと、どうせ3社集まるなら、もう1つ何かグループ企業で集まった意義が感じられるコンテンツを作れないかということで…。

(相原)「自社プレゼン」ですね。

(今井)新入社員が自分の会社の代表になったつもりで、自分の所属する会社のことを知らない人に説明するというものです。プレゼントレーニングになるとともに、自分の会社を見つめなおすことにも繋がります。そうした大枠をもとに、相原さんと山田さんで企画設計してもらいました。

(相原)イーブックでは2日間の研修で設計していたので、3社で一緒にやれる部分と、一緒にはできない部分のコンテンツの切り分けが難しかったです。最初は「振り返り」のところで上司や教育担当からのフィードバックをもらって共有するコンテンツも考えていたのですが、合同でやるにはちょっと難しいということになり、それは外すことにしました。

(山田)せっかく一緒にやるので、共通の体験や、共通の言語で語れる内容で設計する方がいいということになったんですよね。ただ、カービューは研修実施日の時点で新卒社員への入社半年の評価フィードバックは一通り済んでいましたし、社員の評価基準はどうしても会社ごとに違うので、そこは切り離そうということになりました。

(関)ワイジェイカードでは「振り返り」の部分は別途自社でやる予定で進めていたのと、当日参加するメンバーは全員ではなく、東京と福岡から4人ずつに絞っていたため、前半の「自社プレゼン」のみの参加とさせてもらいました。結果的に、新しい部分だけ乗っからせてもらうかたちになってしまいましたが。

(相原)そんな議論もあって、イーブックでは2日間の研修を、初日を合同研修とし、2日目は自社だけで、他者からのフィードバックについての振り返りや今後の行動指針を考える研修を実施しました。

(山田)カービューとしては、毎年実施していた入社半年研修の内容がほぼ全て盛り込まれるかたちになったので、非常にありがたかったですね。新卒1年目の人たちが「入社した時にどういう心境だったのか」「今はどうか」「そこにどういうギャップが生まれているのか」というようなところをしっかり考える良いきっかけになったと思います。

「自分だけじゃない」という安心感が得られる

(相原)受講者のアンケートでは、「こういうグループ会社があるんだということを知れたのがすごく良かった」という意見が多いと感じました。今までグループ会社間の交流がなく、お互いに関わる機会が持てなかった分、気づきが多かったのだと思います。

(山田)それはすごく嬉しい反応ですよね。まさに合同でやることの目的の1つがそこでしたしね。

 (相原)あとは、「同年代の仲間がどういう状況で仕事をしているのか、そこに対する課題感や、何を感じているのかがわかってよかった」といった意見です。特に「課題感がみんな一緒だった」という気づきは、リモートワークでずっと仕事をしてきた中で、すごく重要な部分だと思います。

(今井)リモートワークの中で「自分だけじゃないんだ」という気づきを実体験として感じてもらえたのはすごく良かったですよね。入社して半年、右も左もわからなくて、周りを見ても狭い中での比較になってしまうため、思考も回らない中、こうして他社の同世代と触れ合うことで視野が広がったでしょう。同時に安心感も得ることができたわけですから、いい体験になったのではないでしょうか。

(山田)参加者同士がお互いの事業や業務について理解を深めることで、仮に自分たちが将来一緒に連携するとしたらどんなことができそうかを、少しでも考えるきっかけになったら嬉しいですね。

(関)私が一番嬉しかったのは、「来年の新卒社員にもやってあげたい」という声でした。何かしら得られたものがあったからこそ、そういう意見が出たんだろうと思いますし、リモートワークが続く中で、貴重な場になったんだろうなと、あらためて嬉しく感じました。

(山田)オンラインではありましたが、当日の様子を見ていても、場が活性化していたのはすごく良かったと思います。

(関)個人的には、普段会社に出社している福岡メンバーより、東京のメンバーはリモートワークに慣れていてうまいなぁと思いました。今後リモート中心の働き方になっていくことを考えると、新たな気づきかもしれません。

(今井)ちょっと残念だったのは、オンラインの特性で同時に発言ができないからなんですが、発言する人がどうしても限られてしまったことですね。そうなると発言が苦手な人は喋らなくなってしまいますし、発言が多い人が結果的にずっと場を回し続けることになってしまいます。あらためて、オンラインじゃなくて対面でやりたかったですよね。

(相原)本当に、せっかくなら会わせてあげたかったですね。

(今井)ただ、今後我々の働き方は間違いなくオンライン中心になっていきます。それがニューノーマルだからこそ、受講者には腹落ちさせ、企画者は迷いなくやりきるべきだとも思いました。いいか悪いかは別として、まずはやってみて、2回目、3回目に繋げていければいいのかなと。

入社したときは奥手でおとなしいイメージだった人が、場をファシリテートする様子がみられたんです。もしかしたらそれはオンラインだから抵抗がないのかもしれない、なんて思ったりしました。そういう新たな側面が見えたことは、オンラインでやった1つの効果と捉えたいです。

(山田)個人的には、オンラインでやったおかげで、コンテンツの中身を考えるところにしっかり時間を割けたのが良かったです。それこそ移動時間の確保とか、会場を押さえて準備するといった細かいことを考えずに済みました。

(今井)それでいうと、今回は研修費用がゼロ円だったんですよ。交通費も、宿泊費も、会場費も全くかからなかったわけで、それはそれでいい話だと思いました。それでいて、福岡のメンバーとも一緒にできたわけですから、時と場所と予算を超えた、素晴らしい企画になりましたね(笑)。

(関)帰属意識という点では、やる前はちょっと面倒くさそうな表情だった社員が、終わった後に「こういう機会をいただけて、ありがとうございました」と言ってきてくれたんですよね。この会社で頑張ろうという意気込みが感じられたのは嬉しかったですね。

(山田)課題として感じたのは、参加者の声で「引き続き交流できるチャットルームが欲しかった」という声があったこと。グループシナジーを強めるという点でも、今後に繋げるという点でも、まだまだできることがあるなと感じました。

(今井)確かにそうですね。人事としては、5年後、10年後に「こういう研修が受けられてよかった。グループシナジーの一端を担っているんだ」と思ってもらえたらそれが一番「よっしゃ!」と嬉しいわけで、短期的なところにこだわりすぎないようにとは考えています。

(相原)新しい経験として、次に繋がっていけばいいですよね。

人事から、会社を動かしていけばいい

(今井)いま山田さんからもありましたが、もちろん次の新卒も合同研修をやりたいと思っています。今回は僕の思いつきで始めてしまったので、細かい反省点は色々あります。3社の日程を合わせるところだけでも結構苦労したので、準備期間も含め、もう少し前もって進められたら良かったかもしれません。

(関)率直に、私自身も楽しませてもらいました。機会があればぜひ次も参加したいですし、その時は今回のように人数を限定せず、できるだけ多くのメンバーを参加させてあげたいなあと思います。

(今井)確かに人事側も楽しかったですよね。そういう意味では繋げていくモチベーションは高いと思うので、次もできるんだろうと思っています。

私としては、相原さんにはすごく助けてもらいましたし、山田さんにもいろんなお願いをしてしまったので、助けていただいて本当に感謝しています。

(山田)いえいえ、今井さんが今回のように声を出してくださるので、それに乗っかっているだけですよ(笑)。

あらためて考えると、グループの繋がりを活用して何かをやってみるということを、事業側ではなくて人事が率先してやっているのは面白いなと思いました。人事がきっかけを作り、それが事業側にも繋がっていったらすごくいいですよね。そして、新卒の皆さんと同じように、人事である自分たち自身が、「5年前にああいう取り組みをしていたから、今のZホールディングスグループがこういう風になっているよね」みたいな未来が描けると面白いなと思います。

(相原)それはすごく理想的ですね。

(山田)総じて言えるのは、グループ会社のシナジーを生かしてビジネスしていきたいということと、そこに自分も人事として絡んでいきたいなということです。

(関)今の話と繋がりますが、先日の社内のミーティングで、上の人たちから「人事が会社を動かそうよ」と言われて、それがすごく心に残っているんですね。今まではどちらかというと、人事は屋台骨であり裏方だと考えていましたが、前に出て会社を変えるような動きをしていいんだと思ったら、すごく面白いと感じました。その発想で動いていくと、もっとグループ内での交流は増やしていけそうです。

(山田)コロナ禍の今だからこそ感じるのは、何かを生み出すことを楽しんでチャレンジできる組織でありたいということです。それが私の中の1つの理想の組織像かもしれません。それでいえば、今回の合同研修は人事である私自身にとって1つの新しいチャレンジでしたし、参加した新卒の子たちも、初めての人たちとオンラインでコミュニケーションをとるという新たなチャレンジをしてくれました。Zホールディングスグループには無限の可能性があると思っていますので、その可能性を広げるようなチャレンジを引き続きやっていきたいですね。

(今井)今後はリモートでの働き方が中心になるので、どうしても自立して自走できる人材が求められます。自立自走は、会社が掲げているビジョン、Zホールディングスグループで達成しようとしている目標を、しっかり理解していることとセットです。そのような人材を育てて、もっと強い組織、強いグループにしていけるのかなと思いますね。

(相原)受講生からのコメントを読んでいて感じたのが、仕事中にするような業務の話以外のこと、例えば仕事をする上で大切にしていることや、悩んでいることなど本音で話す機会が減っているんだろうなということです。

それはリモート下だからというのもあるでしょう。社内で1on1が推奨されていますが、それも含めて、もっと本音で話せる機会を作っていかないと、今後、仕事に対してモチベーションを保ちにくくなるのかもしれません。今回の研修がそのためのきっかけになっていけば嬉しいですし、人事としては今後もそういう機会を作ることにもっと目を向けていきたいと思います。

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