【Teamwork Sessionレポート】理念経営の実践とエンゲージメント向上のポイント

wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、株式会社ワンスター組織推進局局長の岡田 直也氏をお招きし、お話を伺いました。wevoxが社員の意識の向上に大きく役立ったという同社は、現在も平均95%の高いサーベイ回答率を維持しています。そこに至るまでには、どのような経緯や施策があったのでしょうか?

理念の浸透と体現を目指した組織づくり

こんにちは、株式会社ワンスターで人事を担当しております、岡田と申します。サブスクリプション業界に特化したWeb広告代理事業を行っているワンスターは、社員数135名の会社です。今回は、私が入社した当時は40〜50人だった社員数が、どのようにして今の数まで増えたのか、また、その中での苦労や失敗などについてお話しします。

理念経営という経営手法を採択している弊社では、以上の4つの基本的価値観と社会的使命を掲げています。理念を体現できている状態を理想と考えており、会社の制度、ルール、施策などのすべてが理念を元に考えられているため、以上のことを満たすことにより理念体現に繋がる仕組みとなっています。

ワンスターグループは、業界深耕型のデジタルマーケティングを強みに様々な業界で世界一のサービスを創り出し、多くの方々にサービスを提供することを目指しています。そんな弊社が理念を体現したうえで統括する事業目標としているのが「無数の新しい価値で、多数の世界一を」というビジョンです。また、このビジョンを達成するため、人事としてのミッションである「採用・育成活躍・一致団結」というビジョンも掲げています。

こちらは、育成活躍と一致団結における主な施策内容です。弊社の新卒社員と中途社員の割合はほぼ半々で、新卒社員に対しては、新人研修である程度知識を定着させたうえで現場にパスするようにしています。中途社員の研修には、新人社員と同じ内容の動画が使用されていますが、これは社内専用のYouTubeアカウントで繰り返し視聴することもでき、新卒・中途を問わず、業務後に動画を見返して理解を深めるための手助けとなっています。

1on1会議に関しては、取り入れられている会社様も多いのではないでしょうか。弊社でも月に1回、上司と会議をする時間を設けています。人事からは月1回行うように指導していますが、現場主導で別途の1on1を行っている組織もあります。これとは別に、経営人事としてメンタリティの部分を支えるために毎月行っているのが、新卒社員メンター制度です。ここでは、モチベーションをどのように保ちながら業務を行うかといったことを中心に、社員の成長サポートに注力しています。

査定の運営については後ほど詳しくご説明しますが、査定の他にも、ランク別テストを実施しています。このテストでは、ランク毎に知っておいてほしい業界知識や、持っておいてほしいスキルレベルを出題し、知識の向上を図っています。

次にご紹介するのは、一致団結に関する実施内容です。弊社ではビジョングリップの運営や、新規事業立案のプレゼンを半年に一度行うなどして、相互理解を図っています。全体会議や全社員総会などは、うちでもやっているよという会社様も多いかと思いますが、弊社の全社員総会は社内イベントの1つとなっており、表彰制度を導入しています。経営陣だけでなく、現場社員の全員が投票を行うため「表彰者=全社員から認められた人」を意味します。これにより、なぜ自分が受賞できたのかという納得度が高まるのではと考えています。

「新規事業立案のプレゼン」は、スライドの中の「コロンブスの運営」に含まれている内容です。こちらは、イベント的なものではなく、責任者として本気で新しい事業に取り組んでもらうことを前提としたものになっており、通常業務を通しては知ることが出来ない社員の新規事業への想いを吸い上げる場にもなっています。

現場社員との意見の擦り合わせが施策の成功に繋がる

次に、施策内容の中での成功・失敗事例についてお話しします。まずは、成功事例として、育成活躍のスライドでも少し触れました「査定の運営」についてご紹介します。弊社では、数字目標・理念体現・スキル習得の3点で評価を行っています。これまで理念体現やスキル習得に全く注目していなかったわけではないのですが、少なくとも2017年までは、数字目標のみが会社として具体的に定めた目標及び査定評価となっており、それ以外は上司のさじ加減で評価されていました。

この施策が成功に繋がったのは、公平性の担保を目的に査定制度を組み替えたことにあるかと思います。とにかく、スキル項目や理念体現などの部分を文章化し、項目を洗い出すことに専念しました。また、弊社の給与はランク制ですが、ランク毎に査定評価の比重も変更しました。2017年以降はこうした変更を含め、運用面でも、半期の3ヶ月を過ぎたタイミングで中間査定を実施し、スキルという定性的なものを擦り合わせて、査定時に疑問点を残さない方法を採っています。

もう1つの成功事例は、一致団結における「ビジョングリップ」です。これは、自分が働いている中での将来の目標や夢を部下から上司に報告し、上司は自分の部下がやりたいことを把握してグリップするというものです。この施策では、会社の目標やビジョン達成に向けて全力で取り組み、自分の夢の実現に近づくだけでなく、会社と社員のwin-winの関係を築くことを意図しています。部下が抱える思いや本音を把握しやすくなることは仕事のモチベーションの向上に繋がりますし、目標をグリップすることで、どのスピードでどんなことに挑戦するかについての共通認識を得られると考えています。

失敗事例となったのは、同じく一致団結における「ワンワンミーティング」です。弊社の理念だけでなく、事業への共感も得られればと思いスタートさせたものでしたが、ビジョンの共有という点において、人事側や組織側が求めるような部分まで成果が出せなかったことが失敗の理由です。これに伴い、現在は、ワンスターで働く意義を考え、働いている意味を共有する目的で会議を行っています。強制的に何かをやると上手くいかないということを、この事例を通して改めて実感しました。

wevox導入の意図を共有することによって変化する社員の意識

次に、弊社によるwevoxの活用方法についてご紹介します。弊社の主な目的は、上のスライドの2点です。そしてスライドの右側の数字が、現在の弊社のwevoxのスコアとなっています。「こういうことをやると上手くいきますよ」なんてことを具体的にお話しできると良かったのですが、今までのやり方を振り返ってみると、継続して取り組み続けることが一番だと思います。組織は人の集合体ですので、何かをすればすぐに全体が変わるというわけではありません。現場社員には回答に協力してもらい、それを責任者以上がしっかりと組織改善のヒントにして、改善を繰り返す。とにかくこれを続けることが、活用においては非常に重要だと感じています。

こちらは、弊社の具体的な組織図です。wevoxの結果を局長(他の会社様でいうところのマネージャーまたは課長以上)に伝え、自組織の結果を確認できるフローにしています。その結果、改善が必要なスコアに対して自組織でどのような取り組みを行うかなど、組織に向き合い方を考え行動するルーティーンが出来上がりました。実際、現場責任者から、自分自身の取り組みがどのように捉えられているのかを数値的・定量的に見られるので参考になった、という声をよく耳にします。

弊社としても、現場社員に協力を仰ぐ際に意識していることがありまして、その1つ目が、責任と権限をセットで委譲し、現場主導で物事を動かせる状態にすることです。wevoxを実施した当初は、現場責任者にあまり権限が与えられていませんでした。そんな状態では「なぜwevoxを活用しなければいけないのか」という空気感も生まれてしまいますし、現場の回答率も上がりません。実際、当時は15〜30%の社員が回答していないこともありました。ただ、自組織の数値を見ながら組織改善をしようという動きが進むにつれ、マネージャーから現場社員に回答を促されるようになり、今では平均95%以上の回答率を獲得しています。

もう1つは、現場社員が自社で働いている理由を把握し、その理由と紐付く施策を行うことです。wevox導入の際、組織の状態を定量的に把握するためにこのツールを導入しますということは全社にアナウンスしていたのですが、社員が回答に協力する意味のようなものは薄かったと思いますし、それが、序盤の回答率の低さに繋がったのではと考えています。

例えば、現場の責任者や社員の会社のビジョンに対する共感が薄くても、一緒に働いているメンバーが好きなのであれば「そのメンバーの幸せにも繋がると思うから回答して欲しい」といった角度からのコミュニケーションが取れますし、そうした意図や意味を説明することにより、現場社員の協力をより得られるようになるはずです。

もう1点は、現場の声の吸い上げです。毎月5〜10件程度のコメントが投稿されますが、記名のあった意見に対しては弊社代表の千葉が直接返信し、組織改善のヒントとなるような意見があれば積極的に施策に反映しています。実際に、それらの意見を参考に、弊社の理念を浸透するための施策として週毎に強化理念を決め、弊社のブログにコメントを残してもらうなどの取り組みを行っていますが、その方法を変更し直近取り組み始めています。こうして自身の声に対してリアクションがもらえるという認識が広まることにより、意見しやすい雰囲気や、組織を良くしたいという主体性が生まれるのではと思います。ここは、wevox導入後の変化として大きかった部分です。

組織を大きくするには共通理解が必要不可欠

理念経営という経営手法を採択しておりますので、今後もこれを継続・維持することが、弊社の1番の目標としています。理念という抽象的なものに対する理解度を共通させるのは難しいことですが、その実現のために日々業務をこなし、同じ認識を持つ1000人の組織規模にしていくことが1つの通過点だと考えています。

 とは言え、まだまだ至らない部分も多く、そもそもの理念を浸透にし続けるための仕組み作りが必要です。組織を拡大するには、査定運用方法の見直しや、マネージメント層の教育や、成長支援も非常に重要となることが予想されます。弊社はまだまだ発展途上の会社ですが、施策というものはブラックボックス化しやすいです。私自身も他の会社様の意見を取り入れながら、皆様と一緒に自分の組織をより良いものにできるよう奔走できればと思っております。

(編集部コメント)
様々な角度から、社員のサポートや意識の向上を図られている様子が印象的なプレゼンでした。理念経営という明確な戦略があると、組織開発の取り組みも実行や検証がしやすいことがわかります。参考になった部分はどんどん自社のwevox活用に取り入れてみましょう!

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