「工事期」「浸透期」「自走期」3つのフェーズでwevoxの活用を実現!

wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、3年前からwevoxを導入されている株式会社イルグルム人事戦略室の廣遥馬さんにお話ししていただきました。wevoxを活用できていない時期が長く続いていたという同社。そんな状況からスコアを活用できるようになるまでにはどのようなストーリーがあったのでしょうか?3つに分けたフェーズとその内容に注目です!

働き方の変化で浮き彫りになった改革の必要性

こんにちは、株式会社イルグルムの廣です。弊社では2017年からwevoxを導入していますが、実は、ほぼ使用していない状態が長期間続いており 、社内では「解約した方がいいのでは」という声まで上がっていました。今回は、弊社がどのようにしてwevoxの活用を始めたのか、また、そのためにマネージャーをどのように巻き込んでいったかについてお話しさせていただきます。 

イルグルムは、創業20年目のITベンチャー企業で、ネット広告やデジタルマーケティングの効果測定に関する支援ツールを各種提供しています。中でも、AD EBiS(アドエビス)というサービスが最も有名かと思います。私が入社したときの従業員規模は60名でしたが、現在では2.5倍の約160名に増えており、wevoxの配信対象は約100名です。冒頭にも触れた通り、離職防止とマネージャー育成を目的にwevoxを導入した弊社ですが、実際は全く有効活用できていませんでした。従業員数が増えるにつれて、今まで以上にデータを基にしたマネージメントが必要となったため、強い組織作りと会社の成長を目的に、9ヶ月かけてwevoxの定着を目指すことになりました。

まず、上のスライドのように、スケジュールを「工事期」「浸透期」「自走期」の3つのフェーズに分けました。恥ずかしながら、当時はマネージャーがwevoxを使っているかどうかすら把握できていなかったので、社員に向けた活用状況の調査や説明を行うところからスタート。調査で分かったことは、半数以上のマネージャーが分析をしていない、または分析ができていないということ。また、wevoxを活用できているかどうかについては、あまり活用できていないという答えが半数以上、全く活用できていないという答えが15%に及び、実に75%のマネージャーがwevoxを活用できていない状況でした。wevoxを浸透させるには、マネージャーに「wevoxっていいサービスだな」と思ってもらえないことには難しいだろうと考えていましたので、すぐに色々と展開するのではなく、どうすれば使いたいと思ってもらえるかという点に焦点を当てることにしました。

原因を深掘りしてみると 「うちの部署ってwevoxを使わなくてもいいんじゃない?」と考える社員が多いことが分かりました。弊社の部署のほとんどは少人数で、新型コロナウイルスが拡がる前までは、全員出社していました。通常の状況下であれば、部下のことは日々のコミュニケーションで把握できるため、このような意見が多かったのだと思います。しかし、現在はオンラインの働き方がメインです。従来のやり方で問題ないと思っている社員にも、これから先はそうではないことを学んでもらい、データを分析してマネジメントする重要性を強く浸透させることが必要となりました。

次に多かったのが、回答スコアが信頼できないという声です。2019年から、要望により、部長陣に対して各メンバーの個人スコアを公開しましたが、蓋を開けてみると、スコアが見られていないうえに、チームの一部にも筒抜けになっている状態でした。これでは忖度した回答内容になってしまい、社員の正しい声が拾えません。この2つの結果を受けて、まずは正しいデータを取れるようにすべく、全社に向けて説明を行いました。そこで、「社員の声を拾い、会社をより良いものにするためにwevoxを使用していること」また、「これまでは実名で結果が出ていたものを匿名に戻したので、今後は安心して意見できること」を伝えました。これによって、正しいデータが取れるという保証ができたかと思います。

部長同士のコミュニケーションを活性化

ここから施策に入っていくわけですが、まず着手したのは経営陣の取り込みです。部長よりも先に、経営層に対してwevoxが使えているとアピールすることで、課長や部長の層に落とし込みやすいと考えたからです。ですので、経営層にwevoxの分析結果を報告する時間を取るようにしました。元々、執行役員とは週1回のペースでコミュニケーションを取っていたので、wevoxの簡単な分析データを持ち込むようにしたんです。これによって、経営層にもwevoxを認知させることができますし、部長陣に施策を落としていくときも、私だけの判断ではなく、全社にwevoxが必要であるという説得力が生まれます。今後の施策をスムーズに進めるには欠かせないステップでした。以下のスライドの右側が、実際に私が作った資料ですが、このような簡単な内容のものを10ページ分ほど用意していました。

部長に対しては、月1回、1時間という枠で開催されているマンスリー部長会という場で話を進めました。これは、イルグルムの全部長が参加しており、部長を兼任している執行役員も任意で参加する会です。タイムラインとしては、チェックインを15分、次に、wevoxの考察を共有します。そして次に、各部長が成功事例を共有し、最後にテーマごとのディスカッションを行います。チェックインの目的は、部長同士の信頼関係の構築です。他の会社では違うかもしれませんが、弊社の部長陣はビジネス以外の話をすることがほぼなく、各部の進捗共有だけで話が終わっていました。

そのため、部長同士が何を考えているかまでは全く分からなかったんです。お互いが何を考えているか分からないメンバーでディスカッションをしても本音は出ないので、まずはお互いの考えや価値観を知ることや、この会では何を言っても正解だし、何でも受け入れられるという土壌作りを始めました。仲を深めることに時間を割き、参加者から1人を指名して「この人を漢字1文字で表してください」といったようなテーマを決めるなど、ディスカッションをしやすい環境作りに注力しました。

また、私から部長に依頼をし、事前に用意してもらった成功事例を共有してもらうという時間も設けました。ここでは、私がwevoxを分析して、スコアが上がっている部署の部長にその傾向を伝え、この要因を共有してもらうように伝えました。これによって、部長同士が自分達のスコアを目に向けてくれたり、資料にまとめてくれたりと、お互いの参考になる会が実現できるようになったと思います。 

浸透期を確かなものにする4つのエッセンス

このような浸透期を経て感じた4つのエッセンスがあります。1つ目は真似をすること、2つ目はキーマンを見つけること、3つ目は良いことに目を向けさせること、4つ目は決めようとしないことです。真似することに関しては、立教大学の中川教授の著書「サーベイ・フィードバック入門」を参考にしています。まずデータを提示して、ディスカッションをして解決策を見つけるという流れは、この本からヒントを得ました。

この本に限ったことではないですが、私は営業出身なので、まずは書籍を読んで使えそうなことを真似するということを意識していますし、これによって、比較的いいアジェンダが作れるようになったと思っています。

エッセンスの2つ目の「キーマンを見つけること」に関してですが、27歳の私からしてみれば、ほとんどの部長が年上ですので、こういう取り組みもすぐには受け入れてもらえないだろうと考えていました。部長の中に1人は味方を付けておきたいと思っていたので、同年代かつ組織作りに積極的な部長に声をかけ、一緒に設計を行いました。もしも議論が止まったときは発言をしてくれるように頼むことで、議論を活性化できましたし、よりテーマに沿ったものにできたと思います。自分だけでは孤独だしやり辛い部分もありますが、仲間が1人でもいると安心感も進み方も大きく変わります。

3つ目の「良いことに目を向けさせること」に関しては、最初の3ヶ月間は、上がっているスコアを基にディスカッションすることを心がけました。悪いところに目を向けてしまうと犯人探しにも繋がりかねないですし、自分達は上手くいっていないんだなとネガティブになる可能性もあります。まずは平均的にスコアが上がっているところを取り上げ、ディスカッションしやすい雰囲気作りを行いました。最後に、4つ目の「決めようとしないこと」に関してですが、先ほどもお話しした通り、部長は、問題解決は得意なものの、自分達の価値観や考えを伝えあう状況ではありませんでした。そんな中で急にwevoxのスコアから解決策を考えようとしても、信頼関係も築けません。ですので、この場は決定を行うためではなく、あくまでも価値観や考えを共有してヒントを得るために設けられていることを強調しました。 

変化を生むための鍵は仲間と協力して継続すること

浸透期を経た現在は、部長の工数管理を評価し、問題解決に近いテーマのディスカッションを行っています。1時間という限られた時間の中で解決策まで出るようになったので、大きく進歩したなと実感しています。

こうした取り組みに加えて、月に1回、バリューを体現できた人に与えられる「VALUE賞」と呼ばれる賞を作り、上のスライドのようなメッセージを届けるようにもしています。 向かって右側は、部長からのメッセージをキャプチャしたものですが、直接言葉にすることにより、部長会で自分の苦手分野を相談できるようになったなどの声が上がりました。実際にwevoxのスコアで見ても、部長の自己成長が右肩上がりで推移しているので、とても良い傾向だと思っています。もちろん、この取り組みだけが一因ではないかもしれませんが、少なくとも、部長同士で何かのヒントを得る場所として機能しているのは、計量的、形成的にも見て取れます。

組織における管理分野は、何も変えなくても問題はないですし、波風立てずに回していくのがある種のミッションだと思います。ですが、会社を強くするためには、何か変えられる部分を探して、それを実行しなければ難しい面もあります。実際に私も人事を経験しましたが、孤独でしたし、各方面から反対意見を受ける部署でもあるので、しんどいと感じることもありました。そんな中でも自分が正しいと思うことを愚直に続けていくと、誰かが味方になってくれて、組織がいい方向に変わっていくというのはこの9ヶ月で身を以て体感しました。やらない言い訳を探すのは簡単ですが、まずは何かトライしてみて、組織をいい方向に変えるのは大事だと思います。ご清聴ありがとうございました。

(編集部コメント)
wevoxへの認知を高めるための地道な努力が印象的なプレゼンでした。小さいことからでも、まずは真似からでもいいので、参考となるアクションを実践してみてください!

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