「業績はいいのに、社員はモヤモヤ…」の謎を解くためwevoxをどのように活用したか?

wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、昨年度からwevoxを導入されている、CTCエスピー株式会社人事総務部部長の岡田俊樹さんにお話していただきました。社員への詳細なヒアリングを行った結果、業績とは反対に社員がモヤモヤとした気持ちを抱いていることが判明した同社。wevoxを活用した問題の改善方法に注目です!

パッと見では分からない「健康経営」

こんにちは、CTCエスピー株式会社の岡田です。今回は、弊社がどうしてwevoxを導入することになったのか、そして実際にどのように運用しているのかについて簡単にご説明し、その後、弊社で実行しているwevoxのサーベイと連動した取り組みや、今後の課題についてお話しします。

CTCエスピーの社員数自体は小ぶりで200名弱ほどです。通常、ものづくりをする際は、まず何を作るかを考え、物品調達を行い、作って使用し、悪いところを直すといった流れがあるかと思いますが、ITシステムを担う弊社も同じようなことをやっていて、これを「ITライフサイクル」と呼んでいます。それぞれの役割を持った事業会社がCTC内にあり、CTCエスピーは製品販売のサービス部門を担当しています。CTCのソリューションはたくさんありますが、分かりやすいところでいうと、このセッションにも使用されているZoomもそのうちの1つです。CTCで扱っていないニッチな商材を扱い、ソリューションを展開する。そんな会社です。

皆様も色々な経緯でwevoxを導入されたかと思いますが、私達のwevox導入のきっかけには「健康経営」という言葉があります。私は人材開発課長を10年務めましたが、これはつまり、新入社員10世代をすべて見てきたことを意味します。さすがに全員は覚えられていませんが、「この社員はすごく活躍するかも」や「この社員は気を付けてフォローしてあげた方がいいな」などと感じた社員に関しては、結構記憶に残っています。そういった立場にあったこともあり、社内で「うちは健康経営ができているのか」と問いが上がった際、周りからの評価のいい社員何人かに聞いてみたところ、モヤモヤとした気持ちを抱えていることが分かりました。この理由はなんだろうと疑問を持ち始めたことから、エンゲージメントに辿り着いたというわけです。

当時は業績も右肩上がりだったので、社員のやる気も高いものだとばかり思っていましたが、ヒアリングを重ねていくうちに、上司の仕事の仕方だとか、組織特有の課題などが見えてきました。これは上のスライドにもある通り、組織は色の違う人間の集合体であり、「業績の高い組織=良い組織」ではないことを裏付けています。さらに詳細を見てみると、管理職や組織長のマンパワーで持っていて、周りの社員がそれに必死に付いている状態の組織もあり、業績は上がっているものの疲弊しているようでした。その一方で、トラブルを抱えていて疲れている状態でも、マネージャーが社員をケアして「みんなで乗り越えよう」と前向きに頑張っている組織もあり、外から見えている状態とそこにいる人たちの実態は随分と違うのだと分かりました。 

血圧測定のような感覚で従業員のモチベーションをチェック

皆さんもご存知の通り、組織の状態はwevoxの9つのカテゴリー要素が複雑に絡まってできています。まずは、そうした組織の状態を把握するために、導入の一歩を踏み出しました。当然、会社としては投資になりますので、導入には「どういう効果を目指すのか」という問いが突き付けられました。私達が目指した効果は、下のスライドにある3点です。

先ほどのような組織的な問題に関するフィードバックに加え、業績と働きがいをとにかく向上させれば効果が出るのでは、という話。あとは、wevoxの情報をもとに、管理職が自分達の組織の情報を踏まえた上でアクションを行えば、マネジメント能力も向上するだろうと経営側に伝えました。

 個別フォローに関しては、長期間スコアがE領域以下の社員に声をかけてみると、「実はとても困っていました」と答えてくれるので、色々な制度の活用法などのアドバイスができることを伝えました。括弧内に書いている通り、これは会社ごとの状況や連動施策など、いろんな形で使えるものだと思います。

 wevox導入の際には、「組織の健康状態を測定させて欲しい」という切り口で社員にアナウンスしました。昨日調子が良かったからと言って明日も調子が良いかは分かりませんから、血圧を毎日測定する感覚で組織の状態を測ることにしました。本当は毎日でもやりたいですが、現在は毎月1回、第2水曜日にサーベイを実施しています。

 正社員だけでなく、契約社員、派遣社員も対象としているため、それぞれの立場の悩みややりがいの生み出し方が見えるサーベイ結果が出てきます。また、閲覧権限は、職位以下の組織状況を閲覧可能としています。例えば部長であれば部以下、最小単位は課レベルですが、すべての課が閲覧可能です。自分の組織について見ることができるため、自組織の健康状態を自分の目で確認することで、自分事として捉えられるようになると考えています。 

ワークショップが組織を見直すきっかけに

先ほどお話しした、社員の抱える思いについて深掘りすると、CTCエスピーという会社の位置付けのせいか「自分達は今後どうなっていくんだろう?」と見えない不安を抱えている社員が多く見られました。そこで、昨年度のwevoxの導入開始と同時に、一般社員と管理職、2つの階層にアプローチしてワークショップを開催したのです。

一般社員には、まず起因を自分にしてもらうことを重視したワークショップを開催しました。キャリア研修からスタートし、「自分は社会人になってCTCエスピーに入社して勤務している。これからどうなっていきたいのか?会社ってどうなんだ?」というように「Must/Will/Can」の3つの輪を自分達に重ね合わせ、どう会社を作るのかを議論するだけでなく、それを実際に経営に繋ぐことをワークショップのゴールにしました。 

また、管理職には、wevoxのスコアを自分のこととして捉えてもらうため、どういう点に課題を抱えているか、実際に行動したらどう変わるかについて議論してもらいました。これを一過性で終わらせず、継続してもらいながら、行動による変化や困難を繰り返し、組織の健康状態に向き合う体制作りを続けました。

このワークショップにより、社内も活性化されたと感じています。それまでは、なかなか会社の将来について話すということもありませんでしたが、その声を経営へと繋ぎ、それに対する経営のリアクションをまたフィードバックするというサイクルを回し続けることで、自分達の声が経営に届くという仕組みができました。最初からこのようにリカバーできれば良かったのかもしれませんが、全員で議論できたことについてはとても意味があったと思います。

あとは、行動変容です。「どんな小さなことでも、220人がやってみれば会社は変わる」と勇気付けながら、一緒に伴走しました。また、弊社が今年で創立30周年を迎えるにあたり、マーケティング部からインナーブランディングの改変提案があったため、今回のアウトプットとしてみんなが考えたものを形にするべく、スライド内のスローガン(ひらめき、むすんで、その先へ)や、プロモーション動画を作成しました。

 3つのキーワードを軸に結束力を強化

この流れに加え、組織経営はこうあるべきだという指標を私達なりに作成しました。これを作成するために意識した点の1つが「巻き込み」です。人事がいくら頑張ってもなかなかムーブメントは起きないので、経営陣から一般職までの全社を巻き込むことにしました。先ほどのワークショップは管理職と一般職を対象にしたものでしたが、そこから今度は、彼らを原動にして、自署あるいは他部署の社員を巻き込むことをミッションとして与え、自分達じゃなくワークショップの参加者を動かす工夫をしました。

2つ目は「持続性」です。普段の業務と違う非日常の作業は、その時はいい気持ちになるものの、少し離れるとその感覚を忘れてしまいますので、常にイベントを設けるように進めていきました。

最後は「実感」してもらうことです。wevoxと連動した施策を行うことでスコアに変化が生まれ、スローガンや動画もできましたし、経営に自分達の声が届いたことにより細かい施策が実現できました。自分達の声により会社が動いてくれたと実感してもらうことは非常に重要だと考えていたので、この3点を意識しました。

こちらが、私達が作成したスローガンとロゴです。ピンクの文字が「S」、黄色の文字が「P」を表しており、飛んで行く飛行機のイメージが含まれています。中期経営計画にも、このロゴとスローガンが挿入されます。そういう意味では、自分達の考えていた方向と中期経営計画が完全にリンケージしている状況を作り、経営企画と一緒に発信する準備ができているのではと感じています。

サーベイが習慣化されることの良し悪し

これまでは、何かを議論し、経営に声を届けて施策を行ってきましたが、今後はみんなに動いてもらおうと考えており、現に「ひらめきむすぶワークショップ」と呼ばれるものを実施しています。このワークショップでは、全社員がどのようなひらめきを持って、来年度以降、頑張っていくかを焦点としています。階層、職種、性別などの境遇が同じメンバーでワーキンググループを作り、例えば、ママさんエンジニアチームや若手営業チームなどが、現在の自分達の取り組みなどを発表し、全社員に共有しています。このように、ひらめきをビジョンにして2023年に繋げることで、中期経営計画の実現に向けて、ビジネスモデルをさらに進化させられればと思っています。

一方、悩みとしては、サーベイに毎回同じような質問が届くため、惰性で答えているのではないかという心配があります。ポイントごとに問題数を変えてみたり、アドオンするサーベイを加えたりと、色々と対策は行っていますが、もう少し定点観測ができるような結果が得られればというのが本音です。タームが短いだけに、サーベイに対する慣れが出てきているのでは、というのが個人的に心配している点で、この辺りをどのように改善させていこうかというのが悩みどころです。

ですが、逆に言うと、慣れがきているということは習慣化されていることの証拠でもあるので、現時点では「社員に浸透しているのならいいのかな」と自分に言い聞かせています。

本日は、スローガン作成に至るまでの経緯と、今後に対する私達の取り組みについてお話ししました。ありがとうございました。

編集部コメント
社員のモヤモヤとした声をきっかけに、wevoxの導入やワークショップなど実践的な組織改善を行っている様子が鮮明に伝わるプレゼンでした。ぜひ、参考にできる点があれば自社の施策に取り入れてみてください!

ABOUT COMPANY企業情報

CTCエスピー株式会社

主な事業: ネットワーク/セキュリティ関連機器の販売
ストレージ関連機器・ソフトウェアの販売
関連周辺機器およびサプライ品の販売
その他上記事業に関わるコンサルティング・導入/構築・サポート
設立年月: 1990年4月
従業員数: 221人(2020年4月1日現在)

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