エンゲージメント向上委員会の作り方と効果的な向上施策の工夫点

wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、株式会社うるるの執行役員の秋元優喜さんと、NJSS事業本部マーケティング課の池野愛望さんをお招きし、wevoxを使った組織改革についてお話ししていただきました。スコアの把握だけでなく、そこから生まれる社内コミュニケーションや改善方法にご注目ください!

エンゲージメントサーベイの目的と向上委員会の効果

こんにちは、うるるの秋元です。今回は、弊社の「エンゲージメント向上委員会」の概要についてお話ししたいと思います。

弊社では2011年から、働く環境の改善を目的に、ロケットアンケートと呼ばれる社内サーベイを実施し、2018年からは、wevoxを使ったエンゲージメントサーベイによる、組織力向上を目的とした活動へとシフトチェンジしました。この変更を決めた理由の1つは、当時のロケットアンケートが従業員満足調査に近い内容だった一方で、エンゲージメントサーベイにおいては正の業績相関が科学的に立証されていること。また、従業員満足度というのは必ずしも業績向上に直結するものではないということがあります。

もう1つは、データを「点」ではなく「線」で見ていく必要があると気付いたことです。それまでのサーベイの頻度は半年に1回で、社長と私で考えた質問項目はかなりボリュームがあり、全問を答えるのに30分ほどかかりました。このような頻度では、データが点でしか見えません。そこで、データの推移を体温計の健康状態チェックのようなイメージに変えるべく、改善活動のサイクルを短期化し、数を絞って実施できるようにしました。wevoxでのサーベイの頻度は月に1回で、3分ほどで終了します。

これまで弊社で組織改善を担う者は役員と部長でしたが、エンゲージメント向上委員会が発足されてからは、非管理職以外の社員がその役割を担っています。役員や部長がメンバーに対してスコアの低迷についてヒアリングを行っても、その上司が原因だとなかなか本音が言えない場合もあるでしょうし、いろんな話のできる同僚同士で行うことで真因が見えるようになるのではと考え、この変更を行いました。その結果、上からの視点による改善ではなく、改善策の影響を直接的に受けるメンバーによる改善の提案・推進が可能となりました。

委員としての経験がマネージメント能力を高める

私たちが実現を目指していることは、業績向上、離職防止、組織改善、そしてマネージャーの育成です。委員は実践を通して、定量的根拠に基づいた組織改善改革を考えられるようになったり、組織マネージメントが経験できたりと、マネージメントにおいて重要なものを習得できるようになるので、委員募集の際にはこういった面をアピールしています。とても嬉しいことに、毎期、委員募集に多数応募してくれますので、1組織1委員としていることもあり、組織によっては1年待ってもらっている社員がいるという状況です。

委員の活動自体はとてもシンプルです。私と委員で月に1回ミーティングを行い、wevoxのエンゲージメントスコアを見ながら仮説を立て、原因を考えて、実行可能な改善策を立案、実行します。そしてその翌月、変化を見てまた新たな改善を行うということの繰り返しです。ですが、複数の問題を一度に改善することは難しいので、「これはやれるな」と思うものを具体的に1つ決めて、それを1ヶ月の間に行うようにしています。1個に絞って注力する方がスコアに影響が出やすいですし、やり方としては正解なのではと考えています。

現場の意見を反映しやすい環境と迅速な意思決定

現在の委員の組織体制は、社長が委員長、取締役の小林が副委員長、私が実行委員長を担っており、この資料では15ですが、実際には16の組織がその下に属しています。この体制図の特徴的な点は、委員の下に上長がいることです。改善策を立案して実現する際、上司はあくまでもその全面バックアップを行う立場であって、エンゲージメント向上委員会の権限は委員にあります。 

このような体制を実現できる一番のポイントは、弊社代表の星が組織改善やエンゲージメント面に力を注いでいることだと思います。運営自体を行っているのは私ですが、すべての組織とのミーティングの後は、毎月、必ず社長と取締役の小林と私の3人でエンゲージメント向上委員会ボードMTGを行っていますので、メンバーから、例えば「業務過多が原因のため委員では改善が難しい」などという報告があれば、社長自身がその場で管掌の役員に連絡をして対策を即実行することもあります。そのため、メンバーの声を経営の意思決定にスピーディに繋げることが可能となっています。

スコアの共有とメンバーを賞賛する仕組み作り

これまでの活動の一環として、「エンゲージメント新聞」を作ってSlackで展開したり、「KAIZENシート」にメンバーが記入してそれをみんなで褒めたりと、「賞賛される仕組み作り」を行っています。先ほど、委員会はマネージャー育成の場でもあるとお話ししましたが、実際に、第1期生と第2期生からそれぞれ1名ずつ管理職へと昇格しており、委員としての活動を終えた後もスコアに注目し、そこから様々な対策を考えているという意見を耳にしていますので、委員会で学んだことが組織マネージメントに活かされているなと実感しています。

今の実績については、まだまだだと感じる部分もありますが、うるる社に関しては目標の82点をクリアしています。今年の10月には83点に到達したので、今後はどんどん上を目指し、同業種・同規模の企業の上位5%に匹敵する90点を目指したいです。

私の方からは以上です。ありがとうございました。 

他社で行われている改善を自社にも応用

うるるの池野です。私からは、エンゲージメント向上委員会代表としてのチーム作りの秘訣や、実際にどんな活動を行ってきたか、また、活動する上で工夫したポイントについてお話しいたします。実際に委員としてやっている仕事は大きく分けて2つです。

1つ目が、wevoxの数値を見ながら、重要なキードライバーを決めてシートに記入することです。wevoxをご覧になっている方はご存知かと思いますが、複数のキードライバーがある中で、どのキードライバーに注力すべきかが判断のポイントになっています。経験がないと難しい判断ですが、そういった難しい部分は秋元さんの設計によって判断基準が定められているので、改善ポイントの判断がとても容易化されています。

2つ目は、大きな改善策を考えて実行することです。この改善策を考えるにあたって私が参考にしているのが、wevoxのサービス内の記事です。他社さんで既に実行され、実際に改善が行われている内容が紹介されているため、自社や自分のチームに置き換えて実行してみても良い結果が出ると感じています。 

コミュニケーションを通して生まれるスコアへの意識強化

実際に私が実行した施策を1つご紹介します。秋元さんのお話にもあったとおり、委員会では「KAIZENシート」を作り、そのシートに記入したメンバーを賞賛するという取り組みを行っています。この施策を行うこととなった背景には、私自身の経験が反映されています。

私が所属しているマーケティングチームのメンバーは、それぞれで担当している業務が違っていたため、同じチームでありながコミュニケーションが取りづらく、業務自体もそのメンバーに俗人化していました。一緒に業務や課題に取り組めるようにするべく、チーム内のコミュニケーションを促進するような施策を考えたところ、このKAIZENシートに辿り着きました。

右側に表示されているのは、実際に行った共有です。弊社では社内のコミュニケーションツールにSlackを使用しているのですが、そこで、今週スタートした改善と完了した改善を共有し「お疲れ様でした」「ありがとうございます」などといった感想を加えて共有しました。その結果、様々な部署からスタンプやコメントで反応をもらえたり、「改善についてもうちょっと教えてください」といったようなコミュニケーションが生まれたりと、狙い通りの結果となりました。また、エンゲージメントに関しても、達成感のスコアが60点から67点に上昇し、数値にも明らかな結果を見ることができました。

一方で、検討したものの実際には行わなかった施作もあります。例えば、マーケティングに関する社内勉強会や、それぞれのキャリアについて話す会、OKRの導入を検討しましたが、実行には移しませんでした。理由はネガティブなものではなく、施策としては良いと思うものの、自分たちのチームのフェーズやメンバーの現状には合わないかな、と感じた点にあります。

このように活動していく中で、工夫した点が2つあります。1つ目は、数字だけでなくリアルな意見を聞くことです。もちろん、どこに注力すべきか、という判断に関しては数字が効果的かと思います。それに加え、そこから深掘りしていく段階で、メンバーに「達成感を得ていますか?」「コミュニケーションについてどう思いますか?」などといった質問を投げかけて考えを聞き、それを施策に反映させるようにしました。

もう1つは、スコアの共有による、チームを意識する雰囲気作りです。委員として活動する中で、1人では組織作りが難しいと感じる部分が多々ありましたので、自分だけでなくチーム全体のエンゲージメントに対する意識を高めるため、「今月のエンゲージメントスコア」という形で全員に共有するようにしました。こういった活動ができたのは、委員の活動に対する協力的な体制が全社にあったからだと強く感じています。

結果を出せたという自信が成長へと繋がる

去年1年間の委員としての活動の結果、私のチームのスコアを80点から95点まで上げることができました。また、数値以外の部分でも得られたものもたくさんありました。例えば、他部署の委員からスコアが上がった秘訣を尋ねられることや、自分自身が施策を積み重ねることで達成感を得ることができました。

以前よりチームの雰囲気も良くなりましたし、こうした形で変化を実感でき、私自身もとても嬉しかったです。それまでは組織作りやチーム作りに関する経験が少なく、そもそも問題意識も持っていませんでしたが、そんな私が委員として活動する中で当事者意識を持って取り組めるようになったことも、成長したポイントだと思っています。

現在かなり高いスコアを出せていますので、今後は自分たちのチームで、事業部や会社のエンゲージメントを牽引していける存在を目指しています。その他の部分でも、自分のチームだけではなく、委員会内の情報共有を活性化し、他の委員にもより良い施策を実行できるような環境を広めたいと考えています。弊社では現在、一部で在宅勤務を取り入れていますが、こういった状況下での部署間のコミュニケーションは今までよりも取りづらくなっていると感じていますし、エンゲージメントに関わる部分ですので、このことに関しても施策を考えていければと思っています。私からは以上です。ありがとうございました。

編集部コメント
各社員が参加するエンゲージメント向上委員会の仕組みは、当事者意識を醸成するうえではとても効果がありそうですね。全社を上げてエンゲージメント向上に取り組むうるるの姿勢からは多くの学びがありました。自社の状況に似ていると感じる点があれば、ぜひwevoxの導入をご検討ください!

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