「エンゲージメントは1日にしてならず」施策の積み重ねでジワジワと組織は変わる

wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、2018年からwevoxを導入されている株式会社ブイキューブ 代表取締役副社長の高田雅也さんに、会社を構造改革していった経緯とwevoxが果たす役割を中心に話していただきました。他社事例から活用方法を学び、ぜひ積極的に取り入れてみてください!

社内スローガン「One V-cube」の誕生

こんにちは、ブイキューブの高田です。弊社のサービスは、インターネット上で映像や音声をやり取りする仕組みを提供しています。その映像や音声の力でお客様のやりたいことを実現したり、社会課題を解決したりする、映像コミュニケーション領域における総合ソリューションプロバイダであります。そんな弊社では、社のミッションとして、全ての人が平等に機会を得られる「Evenな社会」の実現を目指して事業活動をしています。今回は、弊社の経歴を交えながら、特に人を軸とした社内全体での取り組みについてお話しします。

ブイキューブは2013年の上場後、会社を急成長・急拡大させるべく様々な投資を行ってきましたが、当時想定していたような結果を出すことができず、「このままではまずいぞ?!」と、2017年の1月から構造改革を進めることになりました。2017年の間に「当たり前を当たり前」にし、2018年からリバイブしようというオペレーションの下、最初の1年はこれまでの事業やサービスで不採算なものや成長が見込めないものを整理して出血を止めることに専念する一方で、収益エンジンを作り、稼ぐ力を身に付けることにも尽力しました。

そんな中で生まれたのが、「One V-cube」という言葉です。

One V-cubeには、ものすごく簡単に申し上げますと「一致団結して頑張っていこう、僕らが一致団結するとものすごい力を生むから」という想いが込められています。構造改革を進めていく中で赤字体質の状態から、収益が見込めて自立歩行ができるようなキャッシュフローが生まれ始め、ここからもう一度浮上しよう、羽ばたこうという会社の状態になった2018年6月に、私から全社に向けて発表しました。

これは当時私が使用したスライドです。このことをきっかけに、One V-cubeに紐づいた連鎖的な動きが見られるようになりました。

例えば、2018年8月に全社に導入したwevoxも、弊社人事の今村(現在ピープル・サクセス室 室長)が「面白いツールがありますよ」と話を持ってきた後、試験的に導入したことが始まりとなっています。その他にも、中目黒本社と目黒にあった2つの事務所を1つの事務所のワンフロアに集約するために白金に本社を移転したり、全社全拠点のスタッフを東京に集め、創立20周年の記念パーティーを開催したりと、社内全体を1つにするための様々な施策を行ってきました。

事業計画作成の中で気付いた「人の大切さ」

2019年に事業計画を作成していたときに再認識したことは、経営数字的にも、またブイキューブという会社組織の社会的意義価値を追求していくうえでも、「人」が非常に大事だということです。数字を眺めてみると、弊社の管理会計上では、最も大きな割合で人件費が構成されています。ですので、この人件費からアウトプットを最大化させることは会社の成功に大きく寄与すると確信しました。

その後、「人」からのアウトプットを最大化させるために、現状感じている人財領域における課題と解決させるための案を考え始めたのです。

これは、私たちの会社に足りないもの、足りているもの、これからやっていこうとしているものを俯瞰して眺められるようにと、文字に書き起こしたスプレッドシートの一部です。

また当時、全社合わせて270人だった弊社の人事は4人のみで、最小限のオペレーションしかできないチーム体制でしたが、ピープル・サクセス構想を実現させるべく機動力を増強させるため、管理本部下にあった人事組織を私の直轄組織に置き、ピープル・サクセス室と組織名を変更し、人員も社内公募して増員しました。

自分たちが求める人財を言語化する価値

ピープル・サクセス室は3つのミッションを掲げています。

「Next ATARIMAE」次の当たり前とされる文化を作ることができる人財の育成。「Stay Gold, Make Happiness」個が輝けるための支援、また個の幸せ、周りの幸せの実現。そして「One V-cube」の実現です。

これらは、弊社が掲げる「バリュー」とも一致します。つまりピープル・サクセス室は弊社が掲げるバリューを人財面で実現することを支援する、ということを目指した組織になります。

現在のピープル・サクセス室は10名弱の人数で施策を並行して活動していますが、最近の大きな事例には、「ピープル・サクセスポリシー」のリリースがあります。弊社の採用ページにて公開されていますので、ご興味がありましたらぜひご覧ください。

このポリシーは、ブイキューブの20年間の歴史の中で感じた「弊社の人にはこういう人財でいてほしい」という内容を記載したものです。また、少しやり過ぎじゃないかという声もありましたが、「こういう人とは一緒に仕事したくない」という望ましくない人物像まで定義しています。これは全社に向けて発表したもので、かなりの反響がありました。書かれている内容はごくごく当たり前なものですが、自分たちが求めている人財、そうでない人材を改めて文字に起こすことには全社で認識を一致させるためにも大変価値があったと思っています。

まだリリースされたばかりのものですので、時間をかけて社内に浸透させ、これからブイキューブに入社する社員たちに対しても強く求めていくことで、より強いOne V-cubeを作っていきたいと考えています。

継続こそがエンゲージメントスコアを左右する

弊社がwevoxを導入したのは、2018年の8月です。導入直後はいいスコアをいただきましたが、その後少しずつ減少していき、色々な取り組みや細かい施策を行っても反応が変わらない状態が長い間続きました。

そこから半年〜1年かけて私がたどり着いた結論は、いくら経営や人事が頑張っても、結局は現場と上司の間柄がエンゲージメントスコアを大きく左右するということです。現場と上司がエンゲージメントを理解し、尚且つ現場のマネージャー、チーム、組織が活動に共感し、改善しようという動きがなければ、経営や人事が雲の上で動いていても全く影響しないというのが我々の仮説です。

ピープル・サクセス室の配置後、時間はかかりましたが、ゆっくりではありますが綺麗な右肩上がりでスコアが上がっていきました。このことにより、ストーリー性のない細かい施策や思いつきはほとんど意味がないことを学習しました。今では、人の時間を使って何かをする場合はストーリーを強く意識し、「なぜ、今、それをやるのか?」の背景等をしっかりと認識するようにしており、安易な施策で全社の時間を使うことはしないようにしています。

また、とても大事に思っているのが、“人の本質”です。「人は何を望み、全ての人は本当に成長したいと思っているのか? それとも現状でいいと思っているのか?」「賞賛や、安心・安全の場などは言葉ではよく聞きますが、真の安心・安全の場とは何なのか?」そういったことを学ぶようにしています。

そして、そもそも人って何? どういう風になりたい? という人の本質をベースにストーリーを書き、前述の全社へのメッセージのように、言葉や文字でしっかりと全社に伝えています。

それから、エンゲージメントの向上には時間がかかるんだ、という理解も大事です。我々も、3カ月経ってスコアが1上がるか否かでした。以前、アトラエさんのセッションでのお話だったと思うのですが、「エンゲージメントは1日にしてならず」という言葉を誰かが仰っていて、とても共感したことを覚えています。これは、何かの施策によってスコアが急激に10上がるといったものではなく、施策の積み重ねが少しずつ皆に浸透しその結果が、ジワジワとスコアに影響を与えるということを意味しています。

私たちも、何をやってもびくともしない状況が長く続き、心が折れそうになることもありましたが、時間がかかるのは承知のうえで、これが人の本質であるが故、「僕らが行う施策は正しい!」という信念を貫き、ブレることなくやり続けることを大事にしています。

企業にとっての「成功」とは何か?

 最後に、我々ブイキューブの成功についてどのように考えているのかを紹介します。

「私たちの成功」は、弊社が社会的価値のある会社であること、もう少し具体的に言うと我々が掲げるミッション・社会的使命である「Evenな社会を実現する」ことです。これは社会に弊社が約束していることですが、この約束を果たすことで、我々は社会的価値を認識します。

そして、我々の提供するサービスによってお客様の課題解決を実現すること、要望を叶える事、そうすることによって我々がお客様に受け入れてもらえること、我々の会社が世の中の役に立つこと。そう、広義の意味での「カスタマーサクセス」の実現です。この、カスタマーサクセスの実現により我々の存在価値を認識します。

そしてこれら2つを支え、創り上げていくのはブイキューブの人たちであり、当然のことながらブイキューブの人たちの成功、即ち我々「ピープル・サクセスの実現」も忘れてはいけませんし、とことん追求していかなければいけません。この3つの実現のバランスが極めて大事であり、バランスを保ちながらハイレベルな状態にもっていくことが結果「僕らの成功」のレベルを上げていくものである、と私は考えています。

また、「One V-cube」の現在最終版をご紹介します。当然のことながら事ある毎に全社にこの内容は言葉で伝えています。

今回は、過去2年半の間の歴史と、それに対するエンゲージスコアの相関関係についてお話しさせていただきました。私からは以上です。ありがとうございました。

「エンゲージメントは1日してならず」。時間がかかることを前提に施策を積み重ねていくことの重要性について語っていただいたことが、とても印象的なプレゼンでした。参考になる点があれば、ぜひ自社のwevox活用に取り入れてみましょう! 

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