INTERVIEWEE

株式会社ツクルバ 人事本部 人事部 下毅氏

大東文化大学法学部卒業。新卒でウェディングベンチャーに入社。大阪支社のバックオフィスを立ち上げる。その後は本社にて婚礼スタッフの採用、マネジメントを担当。組織・人事の重要性を痛感、学生時代からご縁のあった(株)ツクルバへ転職。現在は全社コミュニティ活動全般と人事評価制度の運用を担当。「個人も組織も社会も豊かにする会社づくり」をテーマに、個人、NPOなど社内に留まらず精力的に活動している。

株式会社ツクルバ 人事本部 採用・人材開発チーム 國保まなみ氏

早稲田大学政治経済学部卒業。2012年6月に株式会社ツクルバに入社し、シェアードワークプレイス「co-ba shibuya」の初代コミュニティマネージャーを約4年間務める。2016年春にcowcamo事業部に異動し、「cowcamo MAGAZINE」の編集に。2018年秋からは社内コミュニティマネージャーとしての活動もスタート。現在は人事本部に所属し、オウンドメディア・社内報の企画・編集・ライティングやオンボーディングなど、社内コミュニケーション領域を主に担当している。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、テレワークを実施する企業が増えています。メンバー間の距離が離れ、先行き不透明な不安が募る中で、どのように組織づくりを行えばいいのか? この大きな課題に対して、エンゲージメント解析ツール「wevox」を活用して奮闘する企業にスポットを当てる連載シリーズ「weテレ」。

第6弾は、「『場の発明』を通じて、欲しい未来をつくる」をミッションに、デザイン・ビジネス・テクノロジーをかけあわせた場のデザインを行っている株式会社ツクルバのケースを紹介します。テレワークの導入を機に見えてきたエンゲージメントの重要性について、人事本部のお2人に話を伺いました。

 テレワーク中だからこそこだわった、wevoxの回答率

―テレワークを全社で始めてみて、反応はいかがですか?

國保:当社には「自分らしいライフスタイルを実現したい」という考えを持つメンバーが多くいて、もともと海の近くなど会社から少し離れた場所に住んでいるようなメンバーもいました。なので、テレワークになったことで「自分らしい暮らし方や働き方ができるようになった」と喜ぶ声が聞こえています。

下:逆に、雑談の機会は減ってしまいました。当社のオフィスにはキッチンスペースがあり、コロナ以前は全社のコミュニケーションの基地のように機能していたのですが、そもそもオフィスに行かなくなったこともあり、雑談やコミュニケーションの相手が限定されるようになってしまいましたね。

國保:そこに対する危機感と言いますか、もっと一体感を持ちたいと考えて、毎朝の社内ラジオを始めたんです。

下:そうなんです。僕と國保の2人で、毎朝9時45分から15分間、zoomで生放送しています。

―面白い取り組みですよね。

下:社員規模も大きくなっており、メンバー同士の交流のきっかけづくりは元々課題を感じていました。またラジオがないと、僕自身週に2人くらいしか話す人がいない状況でした(笑)。多くのメンバーがテレワーク化の影響を受けているにもかかわらず、対面での状況を把握できなくなってしまった。そのため、社内ラジオといった施策に加え、これまで以上にwevoxのスコア推移をウォッチすることに重きを置くようになりました。

―テレワークの前後でwevoxの運用は変えたんですか?

下:引き続き、サーベイは毎週行っています。最初は回答率が低かったんですが、wevoxとSlackを接続させて、回答していないメンバーにDMでリマインドを送ったり、できるだけ答えてもらっています。

―頻度は変えずに回答率を上げるということですね。それは、回答率の重要性が高まっている、ということでしょうか?

下:そうですね。DMなどの属人的な工数をかけてでも、テレワーク化における個人のモニタリングが重要になったとも言えます。答えてもらわないとそもそも不調の検知ができません。実際に社内で顔を合わせていたら、仮にwevoxを答えてくれていなくても、すれ違いざまのちょっとしたやり取りで様子がわかるじゃないですか。「最近どう?」なんて声をかけて、「元気がないなら今日ちょっと飲み行く?」といったことができますよね。でも、離ればなれだとそれができません。

―なるほど。他に、運用面で変えたことなどはありましたか? 

下:あとは、wevoxのカスタムサーベイ機能を使っています。全社員にアンケートをとり、その結果を現状分析としてレポートにまとめています。 

もう1つ、大きな変更点としては、スコアの公開範囲です。これまでは労務と人事のみでしたが、今回のタイミングでスコアを見ることができる人の範囲を広げたんです。以前と比べて、もっとタイムリーに変化に気付いて対処していくことが重要だと考えたので、経営の執行役員クラスにも見せるようにしました。ちなみに、直のマネージャーに見せないようにしているのですが、それは直上とうまくいっていないメンバーを役員が認知して、フォローできるようにするためです。 

「何のために集うのか」が組織づくりのカギを握る

―コロナ以前のような、みんながオフィスに集まる働き方にはもう戻らないと言われていますが、そういった時代においてエンゲージメントはどう機能するとお考えですか? 

下:当社の現状でいうと、この機会に働き方やオフィスの見直しを進めています。そもそものオフィスのあり方や人の集い方についての大きな問いをもらいましたね。また、個人としても「なんでこの会社にいるんだっけ?」という本質的な問いを突きつけられたんじゃないかと思っています。 

テレワークになったことで新たに見えてきたこともありました。僕にとってのオフィスとは、「仕事をする場所」という側面もありますが、「仲間に会って繋がっていることを確認する場所」でもあったことに気づいたんです。テレワークだと、どうしても温度感やニュアンスを共有し合うのが難しくなります。タスク中心でしかコミュニケーションが発生しない。以前はキッチンですれ違うだけで雑談できてたのに、テレワークだとそもそも話すきっかけがありません。タスク中心になるからこそ、「なぜここにいるのか?」という個人の動機や心の指針が大事になってきていると思っています。これはエンゲージメントの考えとも合致しているんじゃないかと思っています。

國保:今の状況では「会社に所属する意味」を感じにくくなるかもしれません。だからこそ、全体で集まる場のようなものが重要になってきます。当社では月に1回集まって報告を行う全体会という場があるのですが、みんなで集まって「こういうメンバーと一緒に、この目標に向かって走っていくんだな」を感じられる機会をいかに作っていくかが、今後は大事になりそうですね。

―テレワーク化の影響があってもお2人のエンゲージメントは下がってはいないように感じるのですが、実際どうでしょう?

下:パフォーマンスが下がり気味な瞬間はたしかにありました(笑)。ただ、個人のエンゲージメントはさほど変わらないですね。

國保:私は「会社が好き」という想いが根っこにあるんです。そもそも代表2人の思いに共感して入社したので、会社のミッションが好きだし、co-baやカウカモといったそれぞれの事業にも関わってきた分、思い入れが強い。なので、テレワークであってもそうでなくても、会社のためにできることをやりたいという気持ちは変わらないです。

下:僕も「『場の発明』を通じて欲しい未来をつくる」というツクルバのミッションにすごく賛同しているんです。それに、withコロナであっても、afterコロナであっても、結局は僕たちが実現したい未来を会社という場を使ってどう発明するかは変わらない。お客様からこのタイミングで、「改めて自分の家を持っていてよかった」と喜びの声が聞こえてきたり、僕たちの事業自体が世の中に求められていることを感じています。ツクルバは、世の中の生活者のために、これからもその期待に応え続けられる会社でありたいと思っています。

―原点を感じさせるお話ですね。

下:まさに「原点」に立ち返る、いい機会になったのかもしれません。

 強く結びついたチームで成果にこだわった働き方を 

―「afterコロナ」と呼ばれる状況下で、どういうチーム作りを進めていこうとお考えですか?

國保:テレワーク環境下でエンゲージメントをどう保っていくかは、採用・人材開発チームとして大事なポイントとして置いています。会う機会が減ってしまった中で、いかにメンバーの人となりを感じ、ともに心地よく働ける関係性を築くきっかけ作りをしていけるのか、またお互いの取り組みを知り、ツクルバで働くことの魅力を感じられる機会を作っていけるのか、ラジオや社内報などを活用しながら柔軟に取り組んでいきたいと思っています。

また8月に10期目を迎えた当社、ちょうど理念体系を刷新したタイミングでもあるんです。より強いツクルバになるためには、新しく生まれた「TSUKURUBA 3 VALUES」を浸透させていくことが大切なので、その点も意識しながら組織開発を行っていきたいなと思っています。

―下さんはいかがですか? 

下:組織としてパフォーマンスや成果を重視していくのは、事業会社として当然です。

しかし近年、組織開発の文脈でも重要とされてきている「関係性の質」や「エンゲージメント」をテレワークの環境化で、どれほど高め、維持できるかがますます重要になってくると思います。また個人的に「事業と成果」と「深い関係性で結びついている強いチーム」は、世間で言われるほどぶつかり合ったり、相反するものではないとも考えています。 

むしろ、その両立を目指してツクルバに転職したくらいなので、もっと個々が活き活きワクワクと自立して働けて、チームとしても強い組織を、今後も変わらず目指していきたいと思っています。

ABOUT COMPANY企業情報

株式会社ツクルバ

主な事業: ITを活用したリノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」事業
シェアードワークプレイス事業
インターネットサービスの開発
空間デザイン・プロデュースに関する調査分析・企画・デザイン
設立: 2011年8月
従業員数: 121名(2019年7月31日付)

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