INTERVIEWEE

レバレジーズ株式会社  人事部 人事戦略室 室長/採用責任者 品川智哉氏

新卒でクリエイティブ系の教育機関の営業・販売促進、イベント企画・運営を経験。その後インターネット調査会社にてマーケティングコンサルティング全般に従事。レバレジーズ入社後は、医療領域事業の京都・滋賀・大阪エリア責任者、事業推進室 リーダー、法人戦略責任者、採用オウンドメディア編集長などを歴任。現在は採用責任者を務める傍ら、社内研修講師、全社パフォーマンス分析、異動戦略など組織課題から様々な施策を立ち上げ組織作りの要として活躍。 

ITエンジニアやクリエイター向け求人メディア「レバテック」、看護師向け転職サイト「看護のお仕事」など人材関連の自社メディア運営やシステムエンジニアリング事業を行うレバレジーズ株式会社。創業から15年目を迎える同社は、2019年版「働きがいのある会社ランキング」「働きがいのある会社 女性ランキング」にて大企業部門ベストカンパニーを受賞するなど、組織づくりにも力を入れています。そんなレバレジーズで人事戦略を統括する品川智哉さんは、もともとマーケティングコンサルタント、営業職を経て人事になった一風変わった経歴の持ち主。そのバックグラウンドを活かし、データを活用しながら、経営メリットに直結する人事戦略を実行しています。レバレジーズの成長を支える多才な人事が持つ、組織づくりの哲学とは?

 自ら手を挙げ、業務の幅を広げていった

―もともと営業職だった品川さんが、人事になった経緯を教えてください。

レバレジーズには2014年に中途で入社しました。それまではマーケティングコンサルタントなどの仕事を行っており、その経験を活かして看護師向け人材紹介事業のキャリアアドバイザーや法人営業を担当していました。その後、大阪エリアの責任者や事業部全体の事業推進室リーダーなどを歴任し、2017年から人事として働いています。

人事になったきっかけは代表からの一本のメールです。ある日突然「採用業務に興味ある?」とメールがきたんです。急でしたが、人材に関わる仕事をする中で、当然人事業務や組織づくりにも興味があったので、「ぜひやらしてください」と返事をしました。

―人事に異動してからは何をしていたのでしょうか?

最初は中途入社の採用担当だったんです。半年ぐらいは中途入社の採用を主にやっていたのですが、人事の仕事って採用だけでなく人材開発やキャリア支援も含めて1つの流れが大事だという考えもありました。ですので、自分から手を上げて、それら採用以外の人事業務にも関わらせてもらうようになったのです。

同時に、データを活用しながら経営の意思決定を行うプロジェクトが発足していて、そこにもアサインされたんです。マーケティングコンサルタントの経験を活かしてほしかったのだと思います。そのプロジェクトをやりながら、人事の業務の幅も広げていったとき、「じゃあ、人事戦略にもデータを活かせるように、ひとまとめにした部署を作ろう」とできたのが人事戦略室です。人事戦略室では、採用や人材開発などの機能を集約しており、人事情報のデータベースの構築も行っています。

―最初は中途採用の担当者だったのが、人事戦略を一手に担う新たな部署を立ち上げ、さらには室長にまでなるなんてスゴイですね。

レバレジーズは「やりたい!」と手を挙げたら基本的にはやらせてくれる会社です。人事戦略室以外にも、労務関係の業務や営業クオリティを上げる品質管理の業務も担当しています。強い組織を作るために、それらの業務にも挑戦したいと手を挙げていった結果、幅広い業務に携わるようになりました。この会社のカルチャーがなければ、ここまで幅広い業務はできていないかもしれませんね。

それから、マーケティングコンサルタントや営業時代に蓄えられた傾聴や相手の意図を汲み取るスキルも活かされていると思います。人事の仕事や組織づくりではコミュニケーションが非常に重要です。採用や人事面談などで、相手が何を考えているのか、こちらからどう言う提案をすればいいのか、これまでの仕事経験が活かせる場面が多くあります。

 

データの整理が何よりも大変かつ重要

―多様なスキルを活かして活躍される品川さんですが、マーケティングコンサルタントでの経験を活かし、人事戦略のためのデータベース構築を行ったと聞いています。詳しく教えていただけますか?

人事戦略室ができたタイミングで、社内にある様々な人事関連のデータを整理する作業を始めました。それまではバラバラなファイルに保管されていたり、関連付けがされていなかったりとほとんど整理がされていない状態でした。

これではせっかくのデータも意味がありませんので、時間をかけて、コツコツと整理していきました。地道な作業ではあるのですが、実はこのデータの整理がとても重要で、多くの会社がおろそかにしてしまっていることだと思います。みんな、どうしても分析方法ばかりに意識がいってしまうんですが、その前に適切なデータを適切に管理・運用できるデータベースを構築することが何よりも重要になってきます。

―データが一通り整理できるまではどれくらい時間がかかったのでしょう?

スタートしてから2年ぐらいはかかりましたね。それでも、まだ足りない部分はありますが、最低限のところまでは整えられたかな、と思います。データが欠損していたりして、うまく紐付けができない…なんて苦労もありましたし、キーとなるデータを何にするかも頭を悩ませました。

―確かに、地道でコツコツとした作業ですね…。

本当、そうなんですよ。多くの企業がつまずいているのも、このコツコツとした作業をやらないからです。でも、一度データベースを構築してしまえば、あとは入力をして分析をかけていくだけ。始めたのが600人程度の時期だったのも良かったですね。今は1,000人程度に増えてきているので、今やったらもっと大変だったかもしれません。

このデータベースは今後のレバレジーズにとって、大きな財産となってくれるはずです。人事関連の施策の効果測定には時間がかかるものもあり、中には1年スパンで実行・検証しないと効果が見えないものもあります。そういう意味でも、早い段階でデータを活かせる体制を作るのは、企業にとってとても価値の高いことでしょう。

分析に関してはそこまで複雑な分析というわけではなく、様々なデータ要素を元にどの角度で、どの要素を組み合わせて最適な結果を出すかが大切になってきます。

だからこそ大切なのは、データをしっかりと整備し、そして検証と実施をコツコツと推進していくことです。

 

対面のコミュニケーションでしか得られない情報もある

―人事戦略室ができてから、組織に変化はありましたか?

離職率は前年比で2〜3%減りました。そういう意味では、個々人が納得のいく業務に当たれるよう、サポートができているのかなと思います。経営リスクに直結する離職を回避する意味では我々の努力が必要になってきます。

―定性的な情報についてはどのように考えているのでしょう。

もちろん、重要な情報だと考えています。各事業部長とは定期的に話をしますし、気になる社員とも面談やときには飲みに誘って会話をしています。そうした対面でのコミュニケーションでしか得られるない情報も間違いなくありますから、データだけに頼ることはしません。

ただ、これまでは定性的な情報に頼りすぎていたところもありました。それだと主観的な判断が多くなり、納得感も生まれづらいので、これからは定量的な情報と、定性的な情報含めて、色々と意識決定ができるようになるといいのかな、と思っています。

 

改めて感じる、人事の重要性

―人事戦略室として、組織づくりに対するポリシーはありますか?

目指しているのは「楽しく、長く、活き活きと働く状態を作る」ことです。気を付けているのは「働きやすい」会社と「居心地がいい」会社は違うということ。居心地がいいのも大事ですが、それだけを重視してしまうと組織の成長が止まってしまいます。

レバレジーズのように、もう一段階上を目指して事業を拡大している企業フェーズにおいては、ある種の緊張感も必要だと思います。その分、仕事がうまくいったときの達成感が大きく、自己成長を感じられる。それが楽しさに繋がり、また挑戦をしようと、活き活きと働ける。うまくバランスを取りながら、みんなが「働きやすい」と感じられる組織であり続けられるかどうかは、人事戦略室の頑張りにもかかっていると思います。

―営業職を経て、人事になり、組織に対しての考えは変わりましたか?

やはり誰かがサポートをして、活き活きと働ける環境を常に作り続けていかないと、組織の成長は止まってしまうんだと感じました。働き方改革ももちろん大事ですが、それと引き換えに組織の成長が止まっては元も子もありません。人事という役割の重要性を改めて感じています。

―品川さんのように、様々な領域を飛び越えて活躍する“越境型人事”が存在することがレバレジーズの強みの1つでもあると感じました。

人事の仕事も、突然の異動がきっかけではありましたが、過去の経験も活かしながら枠にとらわれずに色々とチャレンジできています。そうしたチャレンジを許容してくれる素晴らしいカルチャーがこの会社にはありますし、まだまだ伸びると感じています。私自身も人事として成長を続けながら、レバレジーズがもう一段階上のステージに立てるようにチャレンジし続けたいです。