INTERVIEWEE

トレンドマイクロ株式会社
エンタープライズSE本部 セールスエンジニアリング部
東日本SE1課 兼 東日本SE2課 マネージャー
辻賢氏

エンタープライズのお客様向けのプリセールスSEの業務に従事。

トレンドマイクロ株式会社
公共ビジネス本部 ソリューションSEグループ
サイバーセキュリティサービスチーム マネージャー
門田英嗣氏

エンタープライズのお客様向けサービスの業務に従事。現在は、サポートサービスや常駐サービス等を担当。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、テレワークを実施する企業が増えています。メンバー間の距離が離れ、先行き不透明な不安が募る中で、どのように組織づくりを行えばいいのか? この大きな課題に対して、エンゲージメント解析ツール「wevox」を活用して奮闘する企業にスポットを当てる連載シリーズ「weテレ」。

第4弾は、コンピュータおよびインターネット用のセキュリティ関連製品を開発・販売しているトレンドマイクロ株式会社の事例を紹介します。テレワークを実践し続けることで見えてきた理想的なマネジメントのあり方や、組織づくりを支えるエンゲージメントの価値について、2人のマネージャーに話を伺いました。

いち早くテレワークを推進し、多くのメンバーが活用

―トレンドマイクロでは今回の新型コロナウイルスへの対応以前から、テレワークを推進してきたとのことですが、これまでどういう流れで進めてきたのかを教えてください。

門田:最初にテレワークを全社的に導入したのはかなり前だったんですよね。

辻:2015年から、ずっと「週3日」を上限として運用してきました。ただ、ここ最近の「働き方改革」の文脈の流れもあり、昨年からは週1回は会社に来ればいいというルールに変更してテレワークを進めてきました。この4月に緊急事態宣言が出たタイミングで全社一律在宅勤務に切り替えたんです。

―以前から取り組んでいたということで、今回の移行はスムーズに行きましたか?

辻:特に困ることはなかったですね。私は営業付きのSE部隊を2チームマネジメントしているのですが、メンバーの中にお子さんがいる女性がいたり、家族の都合で毎日出社できない人がいたりしたので、以前から在宅も含めたテレワークを推進していました。ですから、人によっては週に数日はテレワークという人がいたり、もちろん週5で出社するメンバーもいたり。業務的にもテレワークを導入しやすく、全社で切り替えるということになっても特にハードルの高さとかはなかったですね。

門田:うちのチームもだいたい同じで、最初は申請制で進めていました。結婚が近い人とか、お子さんが生まれたとか、家族に変化があった場合に申請してテレワークを始めるケースがほとんどでした。そういう人を起点に少しずつ広がっていったという感じですね。

辻:確かに家族がきっかけで始める人が多いですよね。

門田:「家族」というのは大きなキーワードだと思います。

―門田さんのチームでは、業務的にも問題なく移行できましたか?

門田:私のチームは、お客様先に常駐するチームと、社内で製品のサポートを行うチームの2つに分けられるんですが、後者のサポートするチームはすんなりとテレワークに入れましたね。一方で常駐チームの場合は、お客様との契約の関係などもあってすぐに切り替えられたわけではありませんでした。常駐する人をゼロにはできないので、一部は引き続き常駐し、他はテレワークにする対応をとりました。その場合も家族の都合を優先し、誰が常駐勤務するかは希望などを聞いて調整しています。

wevoxを活用してテレワーク下のコミュニケーションを注視

―wevoxの運用については、テレワークに移行してから変更などしましたか?

辻:特にはしていません。毎月サーベイを実施して、その内容を振り返るという一連の流れはずっと同じです。ただ、変えた部分があるとしたら、「見るポイント」を絞るようになったことですね。例えば、離れていて見えにくい部分ということで「自己成長」や「やりがい」を気にして見るようしています。

あとは、ちょっとした会話や雑談がなくなる分、周囲への関与という意味で「支援」のスコアも気にするようになりました。

門田:うちも同じで、「支援」や「人間関係」「承認」といった、コミュニケーションにまつわる部分を重点的に見るように変えましたね。やっぱりコミュニケーションは少なくなってしまいますので。

辻:スコア全体について言うと、若干下がっていると感じています。ただ、個別に見てみると、結局はコロナの前も後もパフォーマンスがいい人はいいし、モチベーションが高くても効果が出にくい人はやっぱりパフォーマンスは良くないので、そんなに劇的な変化はないですね。見るポイントは変わりましたが、スコアに対する位置付けは実はそれほど変わっていないと思います。

門田:僕は逆ですね。テレワークでコミュニケーションが少なくなることを予想していたので、メンバーをあえて褒めたりするよう意識したんです。しばらく話せていないメンバーにはこちらから連絡を入れたり。すると、まだ1カ月ほどですが、スコアは上がっているんですよ。

だから、wevoxを気にすることで、うまくコミュニケーションが取れるようになったというのは効果としてあるかもしれません。

―コミュニケーションの重要性が高まっていて、そこにはwevoxの影響があると。

門田:そういうことだと考えています。

困難な状況だからこそ上がったチーム力

―ちなみに、テレワーク以降のチームにおけるエンゲージメントの重要性については、どう感じていますか?

辻:コミュニケーションの話に近いのかもしれませんが、エンゲージメントが高い時には「チーム力」のようなものを感じるんです。例えば、何も言わなくてもチームの中から声が挙がって、新しいサービスが生まれたりする。今のタイミングでいうと、「むしろこういう時期だからこそ、リモートでつながっていこうよ」という声が自発的に出てきていて、組織としてはいいことだと感じています。

―これを機にチーム力が上がった、という認識はありますか?

辻:ありますね。例えば、普段は能動的なメンバーも、リモートワークになることで「それぞれが何をしているかがわからない」ということに自分自身で気づいて、「だとしたら何か価値を出していかないといけない」と動き出すんです。そうした一人の動きに対してフォロワーがつくように、何かが動き出す。これはエンゲージメントと関係があると思っています。

門田:確かに、チームの中での「エース」の役割が高まるかもしれませんね。誰かが先陣をきって「これをしませんか」と言い出したら、それに対して他の人が「じゃあやりましょう」「なら僕がこれをやります」「私はこれを」という風に動き始めるのは、テレワークならではかもしれません。実際にそういう動きが生まれ始めていますよ。

―すごくいい雰囲気ですね!

門田:もしかしたら単純に暇なのかもしれませんが(笑)、でもそういう「自分たちでやろう」という雰囲気は間違いなくあるんです。会社に行かないからこそ、「本当の仕事」を自分で探してやろうということだとしたら、仕事に対する意識が変わったということなのかもしれませんね。

―お2人にお話を伺っていると、コロナウイルスによるこの状況を、すごくポジティブに捉えていらっしゃるように感じます。

辻:実際にそう思っていますよ。

門田:私もです。「チームがいい風に変わった」という認識はありますね。

マネージャー自身が考え方をアップデートできる機会に

―コロナの影響やテレワークの導入によって、マネジメントに対する考え方で変わったことはありましたか?

辻:マネジメントでは相手によって権限を委譲するレベルを変えるのですが、メンバーに対して、ある程度は「もっと委譲してもいいのかな」と考えるようになりましたね。手を挙げたことをそれなりにきちんとこなしてくれるのがわかってきたのは確かなので、だったらもっと権限を渡してあげたいと思う場面は増えました。

―それは信頼性が高まったということでしょうか?

辻:確かにそういうことかもしれませんね。育ってきているなあ、信頼できるなあ、などと思うことは多くなったので。

―マネージャーがそういう考え方だと、組織に対して好循環を生みそうですね。門田さんはいかがですか?

門田:最近は、コロナの影響でメンバーの家族のことをより考えるようになりましたね。社員が感染したらその家族にも影響を及ぼしてしまいます。だから「我々はみんなの家族にも責任を持っているんだ」という考え方になりましたし、家族のことも考えて仕事をアサインするようになりましたね。

辻:そういう意味で、確かに視野は間違いなく広がりました。

門田:マネージャー自身が考え方をアップデートするチャンス、ということなのかもしれませんね。

―コロナショックでマネージャー力が上がる、と。

門田:そうさせるくらいの刺激がありますし、新しい刺激って自分自身を変えてくれるものなんだなあと感じています。

辻:そうですよね。おかげで考え方の幅は広がりましたね。 

どうせなら前向きに、この状況を楽しみたい

―最後に、こういう状況下でどういうチームを作りたいか、どんなチームで乗り越えていきたいのかを教えてください。

門田:テレワークだからこそ、お互いに信頼し合い、尊敬し合えて、「あの人はここがすごいね」と言い合えるような、そんなリスペクトし合える組織を作りたいですね。

辻:テレワークはしばらく続くでしょうし、もしかしたら半永久的に付き合っていく働き方かもしれません。その時に、お客様はもちろん、チームメンバーに対しても「いかにテレワークでも価値を出せるか」は考えていかないといけないと思います。その意識が自己成長につながり、会社の成長にもつながるのだと思います。

門田:マネージャーとしては、メンバーと会えないからこそ、今以上に「感情の部分」を大事にしながらまとめていきたいですね。

辻:それはありますよね。困難な時でも、いいアウトプットを出し続けられる組織を作るには、先ほどの話ではないですが、お互いの信頼を強めることもやっぱり大事です。

門田:「変化を楽しんでいける組織」にはしたいです。テレワークを本格的に進めたことで気づいたことも多いですし、不謹慎かもしれませんが、ちょっとこの状況を楽しんでいるところはあるんです。せっかくなので、前向きにやっていきたいですね。

―困難な状況にあっても前向きに考え、実行しているところは、すごく勇気付けられます。どうもありがとうございました!

ABOUT COMPANY企業情報

トレンドマイクロ株式会社

主な事業:コンピュータ及びインターネット用セキュリティ関連製品・サービスの開発・販売
設立年月日:1989年10月24日
従業員数:5,970名

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