切実な本音が組織を変える。サーベイをムダにしない対話会のコツ

実践的な組織づくり戦略やエンゲージメント解析ツール「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回は、9月に公開した記事にて、社長自らwevox導入の意図や今後の組織づくりについて語っていただいた、東京ガスパイプネットワーク株式会社のwevox活用事例の第2弾です。導入と同時に始めた「対話会」の内容や実施するうえでのポイントについて、中心メンバーの3人に伺いました。

自分たちの組織は世の中と比べてどうなのか?

岩元:当社は、2020年4月に7社の業務を統合したばかり。そのタイミングで、「対話」と「フィードバック」をセットにしたかたちで我々のグループを含めた3つのグループでwevoxをスモールスタートさせました。最初は我々のグループで試験的に「対話会」を行い、徐々に全社に広げていったという流れです。今日はそうしたいきさつを振り返りながら、wevoxを導入しての変化や組織開発のあり方について話していきましょう。

中野:思い返してみると、wevoxを始めると聞いたときは、トライアルとはいえ「どんなことをやるんだろう」と不安な気持ちはありましたね(笑)。ただ、事前の説明会で、組織の状況がスコアで分かるものだと聞いて面白そうだと思いました。何より、会社全体に「変わらなくちゃ」という雰囲気があったので、「よし、やってみよう!」となりましたよね。

宮下:僕もサーベイを受けたり、結果を見たりしながら、こういうものなのかと理解していった感じです。最初は32問、その後は16問になって、思ったよりも時間がかからずに手軽にサーベイができる印象でした。

岩元:直感で答えるものなので、手間がかからないのが良かったですよね。マネジメント側としては、ちょうどコロナの時期と重なったこともあり、メンバーの状況が見えないのが不安だったので、これはいいなあと思いましたよ。

中野:回答すればするほど興味を持つようになったというか、考えながらついついやってしまいますね。

宮下:「これをどう答えると、スコアがどうなるのか」みたいなことを意識しちゃったりすることもありますね(笑)。

岩元:選ばれた8人のメンバーで対話を実施し、その後グループのメンバー全員(48人)に対話の結果を周知していったわけですが、そのあたりはどうでしたか?

中野:やっぱり、いかに周知するかが大事ですよね。「なぜスコアが上がるのか、下がるのか」ということを伝えていくうちに、みんなの興味が少しずつ高まっていくのを感じました。

宮下:なぜwevoxを使ってエンゲージメントサーベイを取るのか、という話は繰り返ししていますね。スコアを上げることが目的ではなく、職場環境の改善のためにやっているんだとちゃんと理解してもらえれば、どういうアクションが数字の上がり下がりに繋がるのかをみんな気にしてくれると思っています。

岩元:最初はベンチマークを参考に、世の中の同じ様な組織とのエンゲージメントスコアの差を知るところからスタートしましたよね。進めながら、チームごとの特色も分かるようになって、なかなか興味深かったです。

対話会で聞こえてきた現場の本音

岩元:「対話会」について整理をしておくと、毎月1回、サーベイの結果が出たタイミングでwevox運用を推進する8人が集まり、全体感を見ながら対話を進める場ということになります。wevoxのスコアと、現実のギャップが分かるメンバーで集まって、まずは話をしようということですね。

中野:最初から大勢で集まってしまうと、それこそ話がまとまらないので、ちょうどいい規模ではないかと思っています。

岩元:グループのマネージャーでもある私がアドバイザーとして入り、中野さんがファシリテーター、その下にチーフがいて、現場の意見を吸い上げる役割としてそれぞれのチームからアンバサダーが選出されています。宮下さんはそのアンバサダーの1人です。今のところは月1回の実施ですが、慣れてきたら2〜3カ月に1回程度のペースで進めようと話しています。

中野:理想としては、「対話会」の中で数字の共有と振り返りだけにとどめず、アクションまで決めて、メンバーへの意識づけまで行っていくイメージですね。

宮下:まずはスコアが悪いところのベンチマークスコアとの差を見ながら、なんでそうなったのかを話すところからですよね。それをきっかけに対話を進めていく。

岩元:最初は「承認」がとにかく低かったんですよね。アンバサダーから「だって、いいことをしても褒めてもらえないんです」なんて切実な声、本音が飛び出したりして。

宮下:そうでしたね(笑)。

岩元:我々の仕事は「守る」ことなので、常に守っているのが当たり前。逆に1つ事故が起こってしまうと、そこばかりが注目されてしまうじゃないですか。何も起こっていないことに対しては褒められないのに、何かあると叱られている気になってしまう。そういうことへの不満というか、意見が率直に出たんですよね。

中野:あらためて、すごく貴重な意見だと思いましたよ。同時に、そういう率直な意見を期待してアンバサダーを選んだので、これはいい場になると感じました。

岩元:そうしたやり取りの中から、アクションのアイデアが自然に出てきて、じゃあやってみようと膨らんでいったんですよね。

中野:そういう状況が生まれたのも、「ざっくばらんに話しましょう」という空気を作ってもらえたからだと思います。最初はどうしても、「対話会とはいえ、言っていいのかな…?」という気持ちでしたが、それが払拭されて「何でも言っていいんだ!」とみんなが理解できたことが、対話会がうまく回っている一番のポイントではないでしょうか。

岩元:それは間違いないですよね。統合したばかりであまり話したことがないメンバー同士もいて、しかもコロナ禍ですから、話す機会そのものが貴重でしたからね。

宮下:最初の対話会のときに、上の方々から「とにかく腹を割って話そう」と言ってもらえたことで、アンバサダーとしても気持ちは楽になりました。その後も常にそういう雰囲気を作っていただけていることに、すごく感謝しています。

岩元:大事なのは、「何でも言えること」に加えて、「できることをやる」というのがベースにあることかなと思っています。正しい解決策であったとしても、例えば急に人を増やすみたいな、我々だけではできないこともあるので、コツコツとでもできることから始めるスタンスがいいんだと思います。

スコアの改善がメンバーの意識を変えていく

岩元:中野さんは特に、事前の準備を色々してくれていますよね。

中野:対話会のファシリテーションにおいては、事前準備と役割分担の2つはポイントだと考えています。対話会の前にある程度、数値を見ておいて、話を振っていけるように準備しています。

宮下:中野さんが巧みに話を振っていろんな意見を引き出す。チーフやアンバサダーが現場の意見を吸い上げてお伝えする。そして、出た意見について岩元さんが方向性をうまくまとめていく。確かに、それぞれの役割分担があることで場がうまく機能しているように感じています。

中野:大事なのは、wevoxの点数をうまく意見と紐付けていくことだと思います。だから、そのためにできることは事前に準備しておく、ということですよ。事前に各アンバサダーともコミュニケーションをとっておき、意見を吸い上げてもらっておくのもそのためですね。

宮下:アンバサダーとしてはやっぱりメンバーたちの本音を聞きたいので、会議に向けてかしこまって話をするのではなく、日々の雑談の中で自然な流れで聞くようにはしていますね。そのためには、日頃から何でも話せる関係を作っておくことが大事になってきます。

岩元:まさに、アンバサダーに求めているのはそういうところだったので、上の気持ちも下の気持ちも分かる人にお願いしたんです。宮下さんは適任でしたよ!

宮下:良かったです(笑)。話してもらったことがアクションに繋がって、スコアの改善にも繋がっていったら、メンバーそれぞれの意識も変わってくるはずです。それこそ「言っていいんだ」という気持ちになると思うんですよね。まだそこまで大きな変化は生まれていませんが、そういうところから組織は変わっていくのではないかと思います。

中野:本当にそうですよね。

岩元:「言っても変わらない」ではなく、「言ってみるか」という雰囲気は少しずつ強くなってきたかもしれないですね。

中野:意見するということは、「会社をどうにか良くしたい」「組織を自分たちのものにしたい」という意気込みの表れだと思います。今まさにそれが見え始めている。この先に、「この会社で良かった」「ここで頑張ろう」という、まさにエンゲージメントに繋がっていくと信じています。

対話会を「言いっ放し」にしないコツ

岩元:対話会のコツは、会話がキャッチボールのようにできること、それに尽きるでしょうね。ただ順番に意見を聞いていけばいいというものではないと思います。

中野:それは間違いないですね。だから、もし全員が同じ意見だったとしても、「違う風には考えられませんか?」と振ってみたり、「さっきのあの意見、もっと深く掘り下げるとどうなるだろう?」と広げてみたりすると、いろんな意見が出てくるものですよね。

岩元:そうやって対話しながらアクションに繋げていけると、「言いっ放し」にはならないですし、生産性も高まるはずです。

中野:私は、この対話会は今後も長く続いていくものだと思っています。だからこそ危惧しているのはマンネリ化です。そして、それを払拭するには「自分自身が主役」だと思うことだと考えています。

宮下:先ほどの役割分担の話に繋がりますね。

中野:はい。役割の意識が目的意識に繋がって、自分を成長させる機会にしていくことができると思います。これは自分自身に言い聞かせていることでもあるんですけどね(笑)。

宮下:後は、グループの中の複数のチームで集まっていることも、刺激という点では大事なことかもしれません。

岩元:確かにお互いを意識する部分はありますし、客観的な目で違いに気付きやすいと思います。例えば、自分たちだけだと「70点だから80点にしないと」とただスコアを上げる意識になりがちなところを、「80点とはいえ、こういう課題があるのでは?」という客観的な視点でアドバイスされると、課題の捉え方やアクションの質が変わってくると思うんです。

宮下:あとは、単純に「なんでスコアが上がったんですか?」という話ができて、それを実践する動きに繋げやすくなりますよね。その議論の積み重ねは、今後、この取り組みを全社に広げていくときにも必ず役立つように思います。

中野:そしてやっぱり、アンバサダーの人選ですよね。

岩元:忌憚なく意見してくれる人が必要です。最初のうちはお互い遠慮して、本音で話しづらいのかもしれません。だからこそ、現場の忌憚なき声をきっかけに広げていくことで、議論しやすくなるのではないでしょうか。あとは人数ですね。小一時間でやるなら、今の8人が最適でしょう。

いかに強くて大きな『ONE TEAM』を作るか?

宮下:今回、対話会に参加させてもらってあらためて思ったのは、エンゲージメントを意識していくことは、現場からのアピールの活性化に繋がるのではないか、ということです。

岩元:それはあると思いますね。

中野:私は、自分自身のやりがいや意欲を上げていく力になると考えています。エンゲージメントに目を向け、アクションに繋げていくことで、目標達成という使命感も生まれてくるのかなと思いますね。

岩元:自分の給料をちゃんともらうためにも、自分たちがいる会社を強い組織にしていく必要はあると思うんです。そのためにも、「自由に何でも言えば変えられるんだ」と思ってもらえるよう、コツコツやっていくべき取り組みだと考えます。「数値化されるから、ただスコアを上げればいい」ではなく、最終目標は組織に目を向け、「強い組織にする方法を考える」こと。そこはブレずに進めたいですし、きちんと伝えていきたいですよね。

中野:本当におっしゃる通りですよね。

岩元:だから、こうした会社が変わっていくこのタイミングでスタートできたことは、すごく良かったと思っています。変化に向き合いながら前に進んでいけている感じがしていますね。そのときに、前に進むとしても高く上がるのか、幅を広げるのか、それを考えられるというか。そのきっかけを作ってくれたという意味で、wevoxはすごく良かったです。

宮下:だからこそ、「やらされ感」が出ないようにしていきたいですね。

岩元:その通りですね。では最後になりますが、あらためて皆さんはどんな組織を作っていきたいですか?

中野:チームとして動いていくとなると、当然、成果は求められます。その中で私たちとしては、課題だった「承認」にしっかり向き合いながら、仕事への意欲を上げてベクトルを同じにしていくことが大事だと思います。

岩元:まさに「ONE TEAM」ですね。

中野:はい。それをやっていくためには、毎日が大事だと思っています。お互いに声を掛け合い、日々の会話の中から次の打ち手を考えていく。小さいものでも積み重なっていけば大きくなるので、その結果が「強くて大きなONE TEAM」かな、と思っています。

宮下:意見できる場があるので、風通しのいい、みんなで考えていける組織であり続けたいです。その中で一人ひとりができることを少しずつでもやっていければ、粘り強い組織ができるのかなと思います。

岩元:どうもありがとうございます。最近は特にリモートだ、AIだ、ITだ、という世界になってきてはいますが、私は最終的にはやっぱり「人と人」だと思っています。同じ会話をするのでも、顔を見て、どういう思いで言っているのかを分かり合えることを重視したいです。先ほど話があったように、強い組織になるには、その組織の中での自分の役割がしっかりしていることは大事だと思います。イソップ童話の「3人のレンガ職人」の話みたいに、自分ならどうやってレンガを組むのかを一人ひとりが考えられることが、結果的に強くて大きな組織をつくるんだと思います。

中野:対話会は、そこに繋がっていく取り組みですよね。

岩元:そう思っています。そのための手段として、wevoxや対話会のようなものをうまく活用して、呼び水にしていきたいですね。普段は仕事が忙しいので、休憩中はついつい携帯をいじってしまったり、違うことをしてしまいたくなりますが、ちょっと意識するだけで、横の人と「どうかねえ」なんて会話をしてみたりして、そこから新しい取り組みにも繋げていけるのかなと、そんな風に思ったりしていますね。

ABOUT COMPANY企業情報

東京ガスパイプネットワーク株式会社

主な事業: 都市ガスのガス導管をはじめとした供給設備の保安・維持管理に関する業務
1.中低圧本支供給管および供給設備に関する保安・維持管理業務
2.内管に関する保安・維持管理業務
3.ガス漏えい対応業務
4.ガス供給設備等に関わる電気計装設備の点検・工事業務
設立年月日: 2018年4月2日
従業員数: 663名(2020年5月1日時点)

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