やらされ感から脱却! 人事×マネージャーのフィードバック会でwevox活用度を高める

実践的な組織づくり戦略やエンゲージメント解析ツール「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回は、企業のデジタルトランスフォーメーションの推進をサポートする、データテクノロジーカンパニー・Supershipホールディングス株式会社のケースを紹介します。同社では、毎月、全チームを対象に「フィードバック会」を実施し、人事と現場の結びつきを強めながら組織改善を進めているといいます。運用方法や、マネージャーを巻き込むコツなどについて、人財開発本部の渡辺氏と、VPoE 兼 アドテクノロジーセンター センター長の名畑氏に伺いました。

2年以上、毎月続けている現場への「フィードバック会」

―まずは、現在のwevoxの運用状況を教えてください。

渡辺:wevoxを導入してから3年近くになります。サーベイは月次で行っていて、初めて回答する人以外は、16の質問を活用しています。それ以外に特別なことはしていませんが、弊社が特に力を入れているのが、現場へのスコアのフィードバックです。

人事と現場マネージャーが連携して行うフィードバック(FB)会で、もう2年近くなりますが、毎月ずっと続けていますね。

―FB会の具体的な内容を教えていただけますか?

渡辺:弊社はグループ会社も含めて約600名にサーベイを実施しており、Supershipホールディングスの全ての部署とグループ会社を対象に毎月1回、FB会も行っています。

―それだけの人数に対して毎月となると、ものすごい労力がかかっていそうですね。

渡辺:実はそうなんです(笑)。今のところ、数でいうと月に15コマほどFB会の予定が入っていますね。1回につき大体30分〜1時間程度で、人事から1、2名と、現場の各チームのマネージャーが参加します。ちなみに、名畑が統括しているエンジニアの部署はマネージャーが8人いる最も大きな組織なんです。

進め方は部署ごとに微妙に違うのですが、まずは下準備として、スコアが出た時点で大体の議題をマネージャーに伝えます。例えば「支援のスコアは上がったが、自己成長が下がっていて、相関がありそうだからしっかり聞きたい」とか、「ここの変化が大きかった点は背景が読み取れなかったので直近の動きを聞きたい」みたいな感じですね。

私の場合だと、まず対象の組織全体のスコアを見て、前月と比べながら上がったり下がったりした理由について話し合っていきます。その後、1つずつのチームについて同じく中身を見てフィードバックしていくんです。さらに、そこでの話を踏まえてネクストアクションを考えながら「to doリスト」にまとめていきます。もちろん、前回のFB会で決めた「to doリスト」の振り返りなんかもするので、内容はかなりモリモリですね。

―すごく濃密な1時間ですね(笑)

名畑:私が見ている組織の場合は8つのチームがあるので、だいぶ慌ただしい時もありますね。ですから、もっと時間がほしいときは別途相談したりしています。

―FB会を運用するうえでのポイントは?

渡辺:チームごとのスコアにはもちろん注目するのですが、前提として会社の状況や変化と照らし合わせながらスコアを見ることを大事にしています。例えば、代表から経営理念についての発表があったタイミングであれば、「理念戦略」などの動きには特に注目します。最近だとコロナの影響で全社リモートワークが始まったので、「職場環境」や「支援」のスコアは気を付けて見るようにする、みたいなことですね。

その前段階として、配信前から「このスコアは変動がありそうだから、次回はここを重点的にウォッチしよう」というのを人事の中である程度話をしておくようにしています。

―スコアが出たら、そのポイントでしっかり振り返るということですね。

渡辺:そうですね。ですから、それぞれ1時間程のFB会を実施する以外に、配信前から人事同士でいろんなすり合わせをしたり、スコアが出てからもFB会に向けた事前準備をしていたりと、かなりの時間をかけています。

―なぜそこまでの時間と労力をかけて、毎月FB会をしているのでしょうか?

渡辺:やっぱり、組織エンゲージメントがいいと、業績にもいい影響を与えますよね。組織のエンゲージメントを高めるためには、組織の健康状態や課題感を把握することが大事ですが、それを人事だけがやるのではなく、現場のマネージャーと目線を合わせながら取り組むことが大事だと考えているからです。

―毎月やっていることで、見えてくるものはありますか?

渡辺:組織の状態は把握しやすくなっています。私以外の人事メンバーも、それだけ時間をかける意義があると分かっているからこそ、毎月こだわって続けられています。

人事と現場でスコアを徹底的に分析し、一緒にネクストアクションを考える

―名畑さんは、FB会について現場のマネージャーとしてどのように捉えていますか?

名畑:一言で言うと、とてもありがたいですね。1カ月に1回というのはちょうどいいスパンで、「to do」のタスクを進めていくのもそれほど負担にはなっていないです。タスクが毎月生まれることについても、マネージャーとしての大切な役目だと捉えています。

―「自分の組織にとって必要なことをやっている」という認識でしょうか?

名畑:その通りですね。人事と話し合って決めたタスクに限らず、「このスコアが気になるね」とマネージャー陣で共有しながら追加するタスクも含めて、どんどん前に進めているイメージです。

―具体的にどういうアクションに落としているんですか?

名畑:まずはFB会の中で、スコアが変動した原因を人事やリーダーと一緒にしっかり考えて、「これが効いているんじゃないか」という推測をします。そうやって「あたり」をつけたうえで、できるだけ具体的なタスクに落とし込むようにしています。

シンプルなものだと「1on1でメンバーに○○について話を聞いてみる」とか、業務と関連がありそうなことであれば「関係する人に話を聞いて意見を吸い上げる」みたいな感じですね。曖昧なタスクにしてしまうと、何をしたらいいのかが分からなくなるので、具体的な行動に落とし込むことは意識しています。

―ちなみに、タスクの進捗管理はどうしているんですか?

名畑:私の方から各マネージャーに「あれはどうなってますか?」と、こまめに確認するようにはしています。

渡辺:人事としては見守りつつ「伴走する感じ」を心がけています。一方的にやらせるみたいな関係では意味がないですし、かといって現場の皆さんもお忙しいので、細かく管理するのもなかなか難しいですよね。適宜、人事側でできるサポートを模索しながら、「何かあったら一緒に考える」関係づくりを意識しています。

― FB会を続けることで、どんな効果を感じていますか?

名畑:今の渡辺の話にも近いのですが、フィードバックからタスクに落とし込んでいく過程で、とにかくいろんな人とたくさんコミュニケーションをとる機会があるんです。それ自体が、組織の人間関係を作っていくところにも効いているような気がしていますね。

渡辺:スコアが上がった話でいうと、この6月に経営陣が戦略発表会をしたのですが、それによって事業戦略への納得感が上がったことがスコアで見て取れました。お恥ずかしい話、ビジョンやミッションがメンバーに伝えきれていないんじゃないかという課題があったので、そこはうまく改善できたと思っています。

また、リモートワークに切り替わってから、在宅手当を支給したのですが、それで職場環境に対する満足度が上がったんです。そういう変化をきちんとキャッチできたのは良かったと思います。

現場と人事の距離が近くなることで組織改善がしやすくなった

―あらためて、毎月FB会を実施することのメリットについて、どのように感じていますか?

名畑:マネジメント側の観点でいうと、メンバーの状況を観察するときに直接話したことや振る舞いなど、定性的な情報に影響されることが多いと思うんです。そこに、定量的な数値が加わるのはすごく大きいですね。

あとは、FB会のおかげで人事との触れ合いが増えるのはいいことですね。マネージャーがマネジメントのプロフェッショナルであるために、人事のプロフェッショナルから直接組織づくりについての意見をもらえる機会が定期的にあることは、私たちの成長機会にもなります。

それに、メンバーにとっては「上司には言えないけど人事には言える」こともあると思うんです。私には直接言いづらい困りごとがないか、FB会の場で「渡辺さん、ちょっと話をきいてあげてもらえないかな?」というような相談ができる。人事と信頼関係を築きながら、連携が密に取れている状況は、マネージャーとしては心強いです。

―人事側に、他のチームの取り組みについて聞くことはありますか?

名畑:やっぱり聞いちゃいますね(笑)。スコアが高い部署の取り組みはやっぱり気になりますから。wevoxのスコアって、マネージャーにとっては「自分の点数」というか、「仕事の結果」みたいな部分がどうしてもあるので、組織を伸ばすうえでも、自分の仕事の成果としても、気にしています。

それに、どんなマネージャーであっても、部下の活躍に期待しているのは間違いないので、そのためにできることは貪欲に取り入れようとするはずです。そういう意味で、wevoxをうまく活用していきたいと常に思っていますね。

渡辺:マネージャー同士のナレッジのシェアという話については、もちろん人事から共有することもしていますが、別途行っているマネージャーだけのミーティングの中で、お互いの組織の話をする時間を作るようにしました。wevoxのスコアの話なども交えながら「うちはこんなことをしてみたよ」という発表を通じて、お互いに刺激を与え合っているようです。

―渡辺さんは、FB会を定期的に続けるメリットについてどうお考えでしょうか?

渡辺:毎月のルーティーンにしちゃうことで、意識しなくても自分の組織の健康状態と対峙しなくてはいけない状況が作れますよね。いいスコアであれ、悪いスコアであれ、向き合うことが大事です。

あとは、先ほども少し話しましたが、現場と人事が課題について共通認識を持つことがすごく大事だと考えています。人事がスコアを事業部に投げて、「ここが悪いからよろしくお願いします」という運用では、現場にしたら「やらされている感」しかないはずですし、最終的にそれは「しらけ」になると思うんです。でも、お互いに共通認識さえしっかり持てていれば、その後にやる施策は間違いなく腹落ちしやすいものになりますし、やらされ感はなくなるはず。本当の意味で「組織を変える」ことにもつながると思います。

自分の組織を良くしたくないマネージャーはいない

―先ほど、名畑さんはFB会についてすごく前向きにお話ししてくださいましたが、マネージャーによっては面倒だと感じる人もいるのではないでしょうか?「現場のマネージャーを巻き込むコツ」について、ぜひ教えてください。

渡辺:いい意味で「緊張感」を持たせることが大事だと思っています。例えば、人間関係の項目で「上司との関係」がありますが、私は平気で「上司との人間関係が下がっちゃいましたね」とマネージャーに伝えるんです。でも、ただ伝えるだけじゃなく、なぜ下がったのかを一緒に考えて、行動計画にまで落とし込みます。

自分の組織を良くしたいと思っていないマネージャーはいないはずなので、そのためにできることを徹底して伝え続けることが、一番大事なのかなと思って実践しています。他部署でうまくいったノウハウを伝えたりすることで、「スコアを上げる仕掛けを知っている人だ」と思ってもらうこと努力も必要だと思っていますね。

―何か困った時に、相談してもらえる関係性を作る、ということですね。

渡辺:何が正解なのか私も分からないですが、「こういうことはできるんじゃないか」という具体的なアドバイスはできると思っています。「スコアが下がっちゃいましたね」だけで終わらないようにはしていますね。

―もう1つ、スコアを見るポイントやコツがあればぜひ教えてください。

渡辺:1カ月でそんなに劇的に変化はしないので、だからこそ「小さい変化」には気をつけるようにしています。スコア上は小さな動きでも、よく見ると実はこの数カ月間のダウントレンドになっている、ということはよくあるんです。そういった「表に見えにくいところ」も見落とさないようにキャッチしようと心がけています。

―ちなみに、スコアを見て施策を考えるときの「優先順位のつけ方」で気をつけていることは?

渡辺:これは僕のやり方なのですが、9つのキードライバーの中でワースト3をピックアップして、その中でどんな課題が考えられるのかを話しながら優先順位をつけていくようにしています。あとは、「ダウントレンド」の優先順位はできるだけ高くするようにしています。

wevoxで得られるデータは「宝の宝庫」!?

―今後のwevoxの活用方法について、何か考えていることがあれば教えてください。

渡辺:人の気持ちや考え方が定量化できるところが一番助かっているポイントなので、今後もそこをうまく拾いながら、「会話のきっかけ」にしていきたいですよね。そして、改善のためのプロセスを現場と一緒に考えることで、本当の意味での組織開発につなげていければと思っています。

あとは、3年近くwevoxを続けてきた中でいろんなことが見えてきているので、そうしたものをいろんな方面でうまく活用していけたらいいな…と考えたりしています。例えば、スコアの傾向を分析することで人事戦略に役立てたり、経営層が何か指針を決めていく際の1つの判断材料なんかにもしていけると思います。また、マネージャーの傾向と、その組織のあり方などを分析してみても面白そうですよね。

―データが溜まっていく面白さ、ですね。

渡辺:そうですね。ゆくゆくは、wevoxのスコアや評価結果、あとは面接時の評価なども織り交ぜて、「人材カルテ」的な人事システムを作れたら面白いよね、なんて話をしたりもしています。

名畑:リモート中心の働き方になったことで、どうしてもそれぞれの動きが見えにくくなっていますよね。以前は仕事の接点がなくても社内ですれ違うだけで分かることがあったのに、今は意図的にしかコミュニケーションが取れないじゃないですか。雑談するみたいな「緩いコミュニケーション」のハードルが上がっているのは間違いないからこそ、そこを埋めるツールとして、wevoxの重要度は今後も上がっていくと思っています。

―リモートワークの状況下では、欠かせないものになりそうですか?

渡辺:そう思っています。我々としては、リモートという形だけにとらわれず、出社やリモートを使い分ける「ハイブリッド」な新しい働き方を、コロナ禍において定義していきたいと考えています。そんな取り組みを進めていくうえでも、wevoxをうまく活用していきたいですね。

ABOUT COMPANY企業情報

Supershipホールディングス株式会社

主な事業:グループの経営戦略方針策定及びコーポレート業務全般
設立年月日:2014年10月1日

OTHER ACTION の他の実践事例

OTHER STORY のインタビュー

RECOMMEND こちらの記事も人気です

PLAN

NECネッツエスアイ“日本一コミュニケーションの良い会社”を目指す前例なき挑戦

1953年創立、連結従業員数約7,800人を超す大手企業NECネッツエスアイ株式会社が、2020年4月から組織文化を刷新させるべく新たな挑戦を始めています。働き方や組織のあり方が見直される昨今の流れの中で、「日本一コミュニケーションの良い会社」を目…

PLAN

「主語がIからWeに」現場の無関心を激変させたリコーリース人事のエンゲージメント改革

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回は、リースならびに各種金融サービスを提供するリコーリース株式会社のケースを紹介します。中期経営計画に沿ったかたちで社内の組織づくりや人材育成…

PLAN

and factoryのスピード上場を支えた人事役員のwevox活用法!「数値に一喜一憂せず、“変化”を見る」

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回お話を伺ったのは、創業からわずか4年というスピードでマザーズ上場を成し遂げたand factory株式会社人事担当の執行役員である梅谷雄紀さ…