INTERVIEWEE

日新薬品株式会社 管理部 総務人事リーダー 佐島秀人氏

他業種の営業幹部職から日新薬品の営業職に転職後、チーム作りの中核を担うために総務人事リーダーに抜擢される。2021年にMBA取得予定。

日新薬品株式会社 営業部 戦略マネージャー 小松達之氏

営業職からマーケティングコンサルに転身し、東北を元気にするマーケターとして起業後、日新薬品に独立社員として参画。2018年にMBAを取得。

組織づくりやエンゲージメント解析ツール「wevox」の活用を紹介する「DIO PLAN」。今回は、山形県の製薬メーカー・日新薬品株式会社のケースを紹介します。トップダウン型のマネジメントスタイルから脱却し、メンバー主体のチームづくりを進める同社の取り組みについて、中核メンバーのお二人に話を伺いました。

メンバー主体の仕組みにこだわりwevoxを導入

―まずは、チーム作りに着手したきっかけから教えてください。

佐島:当社は山形県に本社を置く製薬メーカーで、ジェネリック医薬品の営業事業と調剤薬局事業を行う社員100名規模の企業です。ローカルの単一事業の中小企業ですが、品質と開発力と販路からの信頼を強みに成長してきました。

「一人当たり顧客価値最高の企業」をビジョンに掲げ、生産性を高めるために、トップダウン型のマネジメントスタイルからの脱却を目指してきました。競争力の持続や、市場の変化への対応のために、生き生きしたメンバー主体のチーム作りに着手し、理念の浸透、採用、育成、評価、アセスメントなど、一連の人事施策でアライメントさせなければなりません。

※アライメント…組織メンバーの方向性を揃えること。経営理念や行動指針などに関して共通の認識を育み、組織全体のパフォーマンス向上に繋げる。

経営者である大石は、ビジネスにおける組織の重要性と、未来に向けての組織変革の必要性を経営戦略の柱として位置付けしています。30-40代のリーダー・マネージャーが組織の中心である今こそが、組織変革と環境変化対応を可能とする企業への脱皮の最後のチャンスであるという危機感をもって、チーム作りをスタートさせています。

―そんな中、wevoxを選んでいただいた理由は?

小松:メンバー主体のチームの構築過程における達成度合いの把握、一連の人事施策のアライメントの達成度合いの把握、チームメンバーの持続的なエンゲージメント改善の3つを可能とする仕組みを必要としていたのです。エンゲージメントサーベイの重要性の認識を組織変革のプロジェクトチームで共有し、プラットフォームの最適解を探索していきました。

エンゲージメントサーベイのプラットフォームに組織変革のコンサルティングが付随した高額のサービスに出会いましたが、当社規模の予算に対して高額すぎるのと、組織変革を外部コンサル主導で行うことへの不信感から、一旦は自前でエンゲージメントサーベイのプラットフォームを作成する判断をしました。その後、大石が1on1のコツを学ぶべく相談していた経営者の方との話の中で、wevoxを紹介してもらいました。

wevoxは、プラットフォームとしてもサービスとしても比較対象の中で群を抜いて「シンプル」という印象を受けました。リーズナブルで使いやすく、即座に導入を決定しましたね。また、「DIO」やセミナーなど、wevoxを活用するための周辺サービスも充実しているのが、暗中模索で組織変革を進めるプロジェクトメンバーにとって、とても魅力的に思えたのです。

―なるほど、ありがとうございます。使ってみて、操作性はいかがでしたか?

小松:とてもいいです。シンプルなので、説明しやすいし入力しやすい。導入する上でも、持続する上も、理想的なプラットフォームだと感じています。

―導入はどのような流れで行われたのですか?

小松:まず、本社メンバーで一度実施して、よりアセスメントが必要な全国の営業メンバーで2か月ごとにサーベイを実施して、そのサーベイの活用を含む1on1を合わせて実施して効果検証を行いました。その後、サーベイが十分に効果的であるとの認識から、本社メンバーにもサーベイと1on1を同様に実施しています。

プロジェクトチームにとっても、職場のマネージャーやリーダーにとっても、サーベイにより自分が実施した取り組みの効果が把握できると、チームビルディングのやりがいの実感につながることに気づきました。「組織変革を楽しもう」というコンセプトは持っていましたが、サーベイを導入した後に長期的に楽しみながら組織変革・チーム作りが可能だと実感したのです。

打ち手がスコアに現れ、スコアが次の打ち手を生み出す好循環

―スコアを見て、どんな印象を持ちましたか?使ってみての感想を教えてください。

佐島:「経営理念・ビジョン」のスコアが低く、「やっぱりそうか」と思いましたね。当社では、経営理念・ビジョンを明確に掲げておらず、経営者の言葉に頼ってきました。「理念・ビジョンが見えない」「他社にあるものがない」といったコメントも多く、経営理念・ビジョンを明確化にし、共有していく必要性を感じましたね。

元々大石が組織変革の目玉として、経営理念・ビジョンの策定を進めていたので、大々的に発表したところ、一気にスコアが上がりました。潜在的に組織で共感していた価値観が、言語化により顕在化し、組織活動のアライアンスとメンバーのエンゲージメントに直結することを強く感じました。これは、組織として大きな出来事だったと思います。

小松:営業部メンバーは、全国で自立、孤軍奮闘しています。エンゲージメントサーベイによって、一人ひとりの状態が見える化し、打ち手のきっかけになっています。ハード面では、マネージャーがリーダーを兼任するチームへのリーダーの配置に取り組み、ソフト面では、コミュニケーションだけでなく、リーダーの育成やPDCAに関する面談の設置、社内チャットの活用や社内WEBミーティングの活用などを行ってきました。

打ち手の成果もすぐにわかるので、次の打ち手の企画側のモチベーションも上がるし、受ける側も変化への抵抗が少ないと感じています。

―取り組みが素早いですよね。

佐島:ありがとうございます。ベースとして当社は家族的な会社で、人間関係はすごく良いんです。自主性の高いメンバーが揃っていたので、組織改革によってアライメントが向上することで、一気に効果が表れているのと、エンゲージメントサーベイによって、変革の抵抗感が生まれづらく、スピードに貢献していると感じています。

―リーダー・マネージャーからはどんな反応がありましたか?

小松:当たり前ですが、最初はエンゲージメントサーベイの必要性への疑問、部下とのコミュニケーションの悪化の懸念、サーベイ結果の評価への連動への懸念など、アレルギー反応が少々ありました。

そこで、マネージャー、リーダー、メンバーの階層別に、サーベイのメリットや効果、人事評価への連動は無いことなどを、丁寧な説明を行いました。サーベイがシンプルで理解しやすいこともあり、「匿名で1回やってみよう」ということでスタートし、3回目のサーベイが終わる頃には、そもそもスコアが低くないことと、匿名性が守られていることで、安心してもらえたと思います。コメントに対するレスポンスや、全社的な課題から低いスコアへの打ち手を着手するなど、ポジティブな理解の醸成に努めてきました。今では、リーダーやマネージャーにとって、メンバー主体のチーム作りにおける武器として定着してきていると感じています。

「メンバー主体のチーム作り」の秘訣は、組織変革を楽しむこと

―その他に始めた施策があれば教えてください。

小松:営業メンバーが、「key戦略」と「cycle面談」という2つの施策に取り組んでいます。組織のビジョン・経営戦略に対し、アライメントの高い営業戦略を営業幹部が立案していますが、これは実行されなければ絵に描いた餅です。戦略実行の要となる「key戦略」では、個別のメンバーが担当する市場に対して優先順位を考え、営業戦略を再構築し、明文化することで、メンバーの動きを最適化することを狙っています。OKRに近い取り組みですね。

それから「key戦略」のPDCAを回すセットの施策として「cycle面談」を設置し、2か月に1度、大石とマネージャー、マネージャーとリーダー、リーダーとメンバーと全階層で、WEB面談で、1on1の形式でKPTシートを用いた振り返りをしています。「cycle面談」で同時にwevoxに関するコミュニケーションも行っており、当社のビジョン「一人当たり顧客価値最高の企業」に不可欠なメンバーの意欲と能力の向上を狙う重要な取り組みとなっています。

「組織変革を楽しもう。楽しむためには共感と成果が大切だ」と、大石はよく言っています。プロジェクトチームや営業幹部が、組織のビジョンやあるべき姿のために、施策を考えて実行し、メンバーが組織のビジョン・あるべき姿・そのための施策に対し、説明を受け、理解納得して共感していて、その成果が、チームの雰囲気と実績に現れて、全体がやってみてよかったと笑顔で分かち合える状態を、持続的に作っていきたいです。

佐島:本社メンバーが、組織のアライメントとメンバー主体のチーム作りのために、欠かせない取り組みとして、「チームミッション・メンバーミッション」という施策を実施しています。

本社メンバーは、ルーチンのデスクワークがどうしても多く、成長実感、目的意識、やりがいが不足していました。そこで、経営理念やビジョンと日々の活動とのアライメントを高める施策として取り組んでいます。「顧客価値向上」「生産性向上」「意欲向上」「能力向上」をテーマとして、まず「チームミッションを考えるワークショップ」を実施し、テーマに対してその年にチームが取り組むタスクを決めて、これを「メンバーミッション」として、個人の目標設定に落とし込みます。営業と同様に「cycle面談」を2か月ごとの1on1で行い、「チームミッション・メンバーミッション」の振り返りをしているのと、本社メンバーは比較的簡単に集まれるので、「チームミッションのKPTを共有するワークショップ」も実施しています。

―ワークショップについて、詳しく教えていただけますか?

佐島:私たちは合計3種類のワークショップを開いています。

まずは3月の「チームミッションを考えるワークショップ」。「顧客価値向上」「生産性向上」「意欲向上」「能力向上」のテーマごとに、オリジナルのシートを大石と私達で作成しました。例えば、「顧客価値向上」に関しては、「顧客は誰か?」「何をされると嬉しいか?」「そのためにどうするか?」といった書かれたシートに、チーム全員でポストイットで意見を貼り付けて、考えをまとめていきます。ワークショップの最後に、シートにまとめた内容をチームごとに発表します。

次に、5月の「チームミッションを発表するワークショップ」です。3月のワークショップの後、チームごとに集まって「チームミッション」・「メンバーミッション」を策定するのですが、その内容をワークショップで発表します。「チームミッション」の中で、他部署に協力を仰ぐ内容も多いので、これを依頼する場として、また、言語化をして勢いをつける場としてこのワークショップを位置づけています。その後任意の数回にわたり、「チームミッションのKPTを共有するワークショップ」により、進捗と再度の他部署への協力依頼を行い、PDCAを回しています。

ワークショップは毎回想定以上に盛り上がり、参加者は一様に有意義な時間を過ごしている様子でした。自主性を高めるための打ち手を考える場において、すでに自主性が垣間見えているので嬉しい限りです。これまで、同じフロアにいても、なかなかリアルなコミュニケーションの場を提供できていなかったと反省しつつ、今後はチームをシャッフルしてのワークショップも開いていきたいと思います。

やはり、楽しむ力、ポジティブなマインドが、施策の進捗においても、職場のエンゲージメントにおいても重要だと実感しています。

―チームミッションができたことで、何か変化の兆しのようなものはありますか?

小松:本社メンバーは、どうしても目の前の業務に追われるので、「チームミッション」の明文化により、「仕事をやる意味」を思い出すことができたと思います。ハツラツと仕事を楽しむためには、メンバーの自主性、チームの環境、共通の目的が重要なので、理想的な組織を作っていくマインドを全社メンバーで共有して、先を見てチーム作りを進められる組織を目指していきます。 

ワークショップの様子

エンゲージメントを高めることが事業の成長にもつながっていく

―あらためて、組織における「エンゲージメントの価値」とはどのようなものだとお考えでしょうか?

小松:企業に必要なことは、一つは、競争優位性の持続であり、そのためには、顧客に選ばれることと、生産性が高いことが重要です。もう一つは、自主的で協力的な組織の構築であり、そのためには、メンバーの意欲が高いことと、メンバーの能力が高いことが重要であると思っています。

そして、これらはすべて戦略の設計とエンゲージメントでカバーされる経営課題だと思います。大石も、経営戦略とエンゲージメントが経営の要諦であるという認識を持っています。そのエンゲージメントを計測して可視化するwevoxも自ずと重要であり、施策と成果、成果と施策の好循環を組織が持つことは、必要条件であり、大きな武器になると思っています。

佐島:エンゲージメントの向上と業績の向上には、高い相関があると思っています。理屈では、エンゲージメントが高ければ、戦略実行の意欲が高いのだから、業績が上がると理解できるものの、なかなか、事業活動の軸をエンゲージメントに位置づけするのは、中小企業では稀であると思います。だからこそ、相対的な価値が高く、取り組む意義が高いんです。

仕事はそれ自体は面白くないものかもしれませんが、「面白くないことを面白くする」ことはできます。そして、面白い実感がなければ、エンゲージメントも業績もベストな向上はしないと思っています。

私たちが目指したいのは「勝てて、楽しい組織」です。近年の取り組みで、組織的に変化の兆しを掴んでいるので、大事にはぐくみながら、持続的に成長していくべく、今後も多様な挑戦を続けていきたいと思います。

―どうもありがとうございました。

ABOUT COMPANY企業情報

日新薬品株式会社

主な事業: 医薬品、医薬部外品、食品の販売並びに情報提供、保険薬局の運営
設立年月日: 1949年8月22日
従業員数: 92名(2020年2月現在)

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