INTERVIEWEE

NECネッツエスアイ株式会社 コーポレートカルチャーデザイン室
榮永有希子氏

2002年NECネッツエスアイ株式会社入社、NECの情報システム部門担当SEとして従事。2007年4月より、NECネッツエスアイの働き方改革推進事業である「エンパワードオフィス」のプロモーションおよびソリューション企画を担当し、ZoomやWorkato、Slack、slidoといった各種クラウドサービスの立ち上げに従事。2020年4月より現職。

NECネッツエスアイ株式会社 コーポレートカルチャーデザイン室
小尾正和氏

システムインテグレータ/モバイルベンチャーを経て、2010年NECネッツエスアイ株式会社に入社。営業従事後に営業企画部にてICT関連の企画業務を担当。2020年4月より現職。

1953年創立、連結従業員数約7,800人を超す大手企業NECネッツエスアイ株式会社が、2020年4月から組織文化を刷新させるべく新たな挑戦を始めています。働き方や組織のあり方が見直される昨今の流れの中で、「日本一コミュニケーションの良い会社」を目標に掲げた同社。ボトムアップによって新たに創設された「コーポレートカルチャーデザイン室」を中心に、オープンな組織風土を根付かせようと様々な取り組みをスタートさせました。その一環として、エンゲージメント解析ツール「wevox」の試験運用も開始。コーポレートカルチャーデザイン室の2人にwevox導入の狙い、そして組織づくりに対する熱い想いを語っていただきました。

社員の声から生まれた新たなチーム

―貴社には現在wevoxを試験運用していただいている真最中です。従来、こうしたタイミングで取材をするのは珍しいのですが、今回小尾様の熱い想いからインタビューが実現しました。

小尾:我々がどういう想いでwevoxを導入しようとしているか、ぜひ客観的な視点からも記事にしていただいて、活用促進に繋げたいと考えています。試験とはいえ後悔はしたくありませんので、今日はズバズバとなんでも聞いてください(笑)。

オープン社内報としてnoteに掲載されているwevoxに関する記事がきっかけとなり、今回の取材が実現しました

―ありがとうございます(笑)。同様に導入初期の段階にいる他の企業にとっても、きっと参考や励みになるはずです。ではさっそくですが、まずはコーポレートカルチャーデザイン室の役割について教えてください。

小尾:コーポレートカルチャーデザイン室は2020年4月に新たに発足したチームで、「日本一コミュニケーションの良い会社」をビジョンにした新たな企業文化づくりをミッションにしています。

榮永:このビジョンは弊社の牛島祐之社長が今年の1月に宣言したもので、実現に向けた専門の部署として、このチームが発足されました。ただ、特徴的なのが社長の発案ではなく、我々社員の声によって生まれたチームということです。

―へえ、まさにボトムアップで生まれたチームなんですね。

小尾:昨年の創立記念日に社員全員参加でSlackを用いた対話会を行ったんですよ。その対話会の実行委員として、各部署横断して有志で数人のメンバーが集まったのですが、その中の3人がコーポレートカルチャー室のメンバーなんです。

榮永:その対話会では、Slack上で全社員をランダムに5〜6人の1チームに分けて、それぞれで会社の好きなところ、もっとよくしていきたい点を話し合いました。いざ、結果を見てみると、全体的に「閉塞感がある」といった意見が多く、課題が多く見つかったんです。もっとチャレンジをしたいけどなかなか機会に恵まれない、もう少しお互いを尊重し合う関係性が必要なんじゃないか、といった率直な意見があがっていました。

小尾:その結果を受けて、実行委員のメンバー内で「日本一コミュニケーションの良い会社を目指すために、新たに専門の部署を立ち上げてはどうか」という案が出てきたんです。

オンライン取材でしたが、小尾さんの熱意は画面を通して伝わってきました

榮永:その案を、社長も快諾してくれて、4月から動き出したというのがチーム設立の背景です。実は、社長がコミュニケーションに関する目標を掲げたのも、まさにこの閉塞感のようなものが会社にあることを感じ取ったからでした。社長が以前勤めていたベンチャー企業に比べるとコミュニケーション、特に若手社員の意見が反映されていないことに課題を感じていたみたいなんです。社長の課題感、現場の課題感がマッチしていたからこそ、スピーディーに話が進んだのだと思います。

―素晴らしいですね。まずビジョンがあって、社員間の対話から課題を見つけ、すぐに新チームを立ち上げた。

榮永:ものすごいスピードで進んでいったので、わずか半年ほど前の話なのに、今質問されて思い出すこともたくさんありました(笑)。

小尾:そういえば、榮永さんはそもそもなんで対話会の実行メンバーに入っていたんですか?

榮永:私は昨年度まで、企業の働き方改革を推進する「エンパワードオフィス(現エンパワードビジネス)」という事業部で仕事をしていました。様々なお客様の働き方改革に接する中で、「自分たちの会社ってどうなんだろう?」「本質的な働き方改革ってなんなのだろう?」といった問題意識を持つようになったんです。それで、対話会のときに実行メンバーに参加して、同じ会社の社員たちは何を考えているのか、深く知りたいと思ったのがきっかけです。

―小尾さんは組織文化に関しては何か思うことはあったのですか?

小尾:そうですね、もっとよくなるはずだというのは感じていました。特に我々はコーポレートメッセージとして、「明日のコミュニケーションをデザインする」と掲げています。ただ、恥ずかしながら我々の会社が自信を持っていいコミュニケーションができているか、と自問自答をすると少し躊躇してしまう状況ではありました。

私も榮永さん同様、もともと人事や総務をやっていたわけではなく、営業部門で働いてきた人間です。他企業とも接する中で、組織づくりはどうすればうまくいくかをずっと考えてきました。

榮永:ちなみに、今日は参加できなかったのですが、もう1人の北川という若手メンバーも、昨年度までは私と同じ部署にいて、同じような課題感を感じていました。

コーポレートカルチャーデザイン室のミーティングの様子。取材に同席できませんでしたが、北川龍樹さん(写真下)も組織づくりへの熱い思いを持ちジョインしました。

 

―ますます面白いストーリーですね。ずっと事業を通して他企業の組織づくり、働き方改革に携わってきたメンバーが集まって、今度は社内の組織づくりを行っていく。メンバーは3人だけなんですか?

榮永:室長として、執行役員がいますが、実働部隊としては3人ですね。ただ、我々は7,000人を超す規模の企業ですので、さすがに3人だけだと手が回りません。ですので、各事業本部から兼務メンバーを選出して参加してもらっています。兼務メンバーを入れると12人になりますね。

小尾:社長も社員の声からチームが生まれたことをすごくうれしがっています。もともとは社長が掲げたビジョンがきっかけですから、このチームに対するこだわりも強いのを感じていますね。

行動まで繋げられるか試さないと意味がない

―そんなコーポレートカルチャーデザイン室の、大きな打ち手の1つとしてwevoxの試験運用を行っていただいています。その背景について、ぜひ教えてください。

小尾:実はもともと私は3年ほど前からwevoxには注目していたんです。長くICT分野で働いていたこともあって、サーベイツールなどの情報は常に収集していました。その中で、エンゲージメントスコアを軸にしたwevoxはいつか自社にも導入したいと考えていました。

榮永:wevoxには人一倍熱い想いを持っていますよね。

小尾:wevoxの優れている点は、1回の回答が2~3分で簡単にできること。そのおかげで1カ月に一度という高い頻度でサーベイを行っても社員の負担にはなりません。

それに9つに設定された分析項目の数も課題発見や組織改善を行うにはちょうどいいですよね。他の類似ツールだと、分析項目の数が極端に少なかったり多かったりして、仮説も立てづらいし、施策も打ちづらい。「wevoxをきっかけに、実際の改善行動に移ってほしい」というプロダクトの思想が明確です。

榮永:あとは、偏差値機能で同等規模、同職種の企業とエンゲージメントスコアの比較ができるのもいいですよね。世の中と比べてどうかを知るのは刺激にもなりますし、話し合いの材料としても面白いです。

―そこまで分析していただいて、うれしく思います。サーベイを行うのは初めてですか?

小尾:いえ、年に1回の詳細なサーベイを実施しています。ただ、会社/組織単位での大規模な分析/施策という観点では良いのですが、日々のチームにおけるお互いの気付きや、改善という観点では年1という単位では粒度が荒すぎるのではないかと感じていました。だから、もっと現場の人たちが肌感覚を持って、主体的に組織づくりに取り組めるツールとして、wevoxが最適でした。

―3カ月間の試験運用を行う狙いを詳しく教えていただけますか?

小尾:先ほども言ったとおり、弊社は約7,800人の社員がいますので、いきなりの全社導入は難しいと思い、まずは部署を限定して200人程度の規模で試験運用を始めました。7月にはすでに最初のサーベイを実施し、その後にスコアの見方やwevoxの活用法についてワークショップを行っています。8月の2回目のサーベイ後に、数値の変化をもとに、実際に各チームでエンゲージメント向上の施策を実行してもらいます。そして9月の3回目のサーベイでスコアがどう改善されたかをチェックし、組織づくりにどういい影響をおよぼすかを実験するのが今回の狙いです。

―かなり緻密にプランニングされていますね。

小尾:サーベイツールはただ計測して終わり、では意味がありません。wevoxの開発メンバーもおっしゃっていますが、このツールはあくまで体重計のようなもので、自分たちのチームの状態を知るためのものです。

状態を把握したうえで、エンゲージメントを上げるために行動を起こす。その結果、チーム状態がどう変化したかをこの3カ月間で実験したいと考えています。活用のためには、マネージャーの役割が重要になってきますが、1人では大変です。だから、各部から1人ずつ活用推進者を選んでもらい、マネージャーをサポートしながら運用を行う体制を構築しています。

榮永:7月にオンラインで行ったワークショップでは、これまでお話ししたような我々の想いをお伝えしつつ、具体的にwevoxのスコアの見方などを伝えました。マネージャーや活用推進者には可能な限り参加を要請して、希望者も参加OKとしていたのですが、予想よりも多くの人が集まってくれて、関心度の高さを肌で感じました。

小尾:そのワークショップで口を酸っぱくして伝えたのは、「スコアの“いい悪い”をメインに置かないでほしい」ことです。先ほども言ったように、あくまで現状を把握するためのスコアであり、大事なのはどう行動に移すかです。

あと、マネージャーに責任を負わせるものではないことも伝えました。マネージャーには取り組みを率先してほしいとは思いますが、それは決して1人で悩んだり、動いたりするという意味ではありません。チーム全員が「自分たちで課題を見つけ、自分たちで解決する」。そのための“コミュニケーションツール”としてwevoxが存在することはしっかり理解してもらうようにしました。

―チームでPDCAを回しながら、より高いエンゲージメントを実現していく、と。

小尾:はい。「自社実践の会社」という弊社の組織文化をもっと浸透させ、実践していくイメージです。ですから、wevoxのようなツールも自分たちで最大限活用できる方法を模索してほしい。それに、こうしたツールは「これ」という絶対的な解はないと思っているんです。チームメンバーやそのときの事業の状態、社会環境など様々な要因によって、何が「解」か変わってくる。

だからこそ、スコアをベースに対話を続け、常に解を模索し続けるチームが必要になってきます。

榮永:そうしたチームが組織内でたくさん生まれてくれば、結果的に目標としている「日本一コミュニケーションの良い会社」にもどんどん近づくと思います。

あと、課題の発見ももちろん大事ですけど、高いスコアにもぜひ注目してほしいですね。「あ、自分たちのチームってこういういいところがあるんだ」という気付きもあると、自信にも繋がりますし、さらに強みを引き出すこともできるはずです。

「とにかくやってみる」ことを大切に

―今年はコロナ禍の影響もあり、働き方、組織のあり方を見直す動きも活発化しています。チームとして、組織としての強さを改めて問われているようにも思います。

小尾:そうですね。テレワークの浸透や柔軟な働き方などニューノーマルと言われる時代がもう訪れていると言ってもいいでしょう。弊社もテレワークを積極的に推進していますが、やはりオンライン上の会話だけだと見落とす部分も多々あると思います。そうした拾いきれない情報を可視化する、という意味でもwevoxが活用できるといいですね。

榮永:同感です。オンライン会議だと、相手の状態の機微なところが分からないんですよね。メンバー同士のフォローは今までよりも、さらに強く意識しないと生まれないので、我々もしっかりフォローしたいと考えていますし、アラートとしてもwevoxが機能するといいと思います。

―みなさんのようなHR領域のチームの重要性も増してくるのではないでしょうか。

小尾:はい。このような経済状況の中では、人材の流動性も高くなるでしょうし、人手不足も懸念されます。だからこそ、一人ひとりのエンゲージメントの高さが重要になってきます。高い主体性と貢献意欲を持ち、相互支援をしながらパフォーマンスを発揮していく。そうした人材をどれだけ多く育てられるかが、我々にとっても大きなミッションになってきます。

榮永:とは言え、我々は人事畑にいた者の集まりではありません。そのことをデメリットではなく、メリットと捉え「とりあえずやってみる」というスモールスタートのスタンスは大事にしていきたいです。最初から「全社施策」を念頭に検討すると、大胆な施策が打ちづらくなると思うんです。でも、私たちは新しくできた部署ですし、部分的な実施からでもいいからどんどんチャレンジをして、課題があれば学び、日々改善していくことを大切にしたいと思っています。

チャレンジ精神に溢れる言葉を多く語ってくれた榮永さん

―今日の取材時点では、まだ1回目のサーベイが終わった直後ですが、何か変化はありますか?

小尾:つい先日、試験運用している部署の中期経営計画説明会のときに、役員に対してある社員から「エンゲージメントを計測するwevoxを始めましたが、どういうチームにしていきたいと考えていますか?」と質問があったんですよ。

榮永:そうそう。説明会はオンラインで行って、匿名でコメントを送れるようにしていたんです。そうしたら、こちらからは何も言ってないのに、社員が自らエンゲージメントに関する質問をしていて…。そんな質問が今まで役員にされることはなかったので、確実に変化は起きていると感じました。

―ここから、貴社がどう変わっていくのか、とても楽しみですね。最後に、改めて二人の意気込みをお願いいたします。

榮永:我々コーポレートカルチャーデザイン室では、組織文化を良くするために、実験的な施策も含めて、たくさん挑戦をしていきたいと思います。ですので、もし社員のみなさんの中で何か思うこと、気付きがあればどんどんフィードバックをください。変化が激しい今、何が正解かは我々も分かりません。大げさでもなんでもなく、前例のない挑戦をNECネッツエスアイは行おうとしています。だからこそ、とにかく動いて、みなさんから意見をいただいて、共に組織文化を変えていきたいと思います。

小尾:そのためには、現場が主体的に組織づくりに参加する環境が必要です。だからこそのwevoxの試験運用ですし、9月までの対象者のみなさんの取り組みが「日本一コミュニケーションの良い会社」としての大きな一歩になるはずです。

ただ、最後に1つお伝えしたいのが、決して「テクノロジー主義に陥らないようにしていきたい」ということです。エンゲージメントスコアによってチーム状態を定量化しますが、それはあくまできっかけでしかない。データがあったうえで、みなさんが人と人とのコミュニケーションを大切にして、どのようにチームとして成長していくかが重要です。ぜひwevoxの運用に積極的に参加していただいて、意見交換をしながら進めていきましょう。

ABOUT COMPANY企業情報

NECネッツエスアイ株式会社

主な事業: ネットワークをコアとするICTシステムに関する企画・コンサルティングや設計・構築などの提供、および日本全国にわたるサポートサービス拠点による24時間365日対応の保守・運用、監視サービスならびにアウトソーシングサービスの提供
設立年月日: 1953年11月26日
従業員数: 7,818人(2020年3月31日現在:連結)

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