2020年6月から、三井住友海上火災保険株式会社でのwevox全社運用がスタートしています。2万人規模の一斉導入という大きなチャレンジの背景には、「各職場が主体となり、自律的に組織改善のPDCAサイクルを生み出してほしい」という人事部の強い思いがありました。運用を主導する人事部の3名が語る、wevox導入の狙いと活用イメージ、そして変化を続ける社会の中でそれぞれが抱く組織づくりへの使命感とは?

INTERVIEWEE

三井住友海上火災保険株式会社 人事部

企画チーム 兼 働き方改革推進チーム 課長 荒木裕也さん

 

三井住友海上火災保険株式会社 人事部

企画チーム 兼 ダイバーシティ&インクルージョン推進チーム 課長 川上千尋さん

 

三井住友海上火災保険株式会社 人事部

企画チーム キャリアスタッフリーダー 中本真弓さん

 

 働き方改革は次のステージへ

―貴社では、2020年度からwevoxの全社導入がスタートしました。今日はその背景や目指す組織像についてお聞かせください。まずは、簡単に自己紹介からお願いします。

8月20日に三井住友海上での全社導入のリリースが配信された

川上:私は今年度から人事部に参画しまして、職場開発をメインに、wevoxの推進活動も担当しています。昨年度まで別の部署で働いていた経験を活かし、wevoxの活用推進に取り組んでいます。

中本:wevoxの導入にあたっての実務を主に担当している中本です。今回、2万人近い社員に対する一斉導入ということで、過去にないチャレンジでしたが、そこで得た知見を共有できればと思います。

荒木:私は、働き方改革全般を担当している荒木です。川上さん、中本さんとともに、wevoxの活用推進も担っています。今日は2人が主役なので、私は基本的には見守っていようと思います(笑)。

―ありがとうございます。人事部の中でも働き方改革、そしてwevoxの活用を推進しているメンバーなんですね。では、さっそくですが今回wevoxを全社導入するに至った背景を教えてください。

川上:wevoxは、弊社が2020年度から取り組んでいる「働き方改革ステージ2」の一環として導入を決めました。弊社では、2016年10月から本格的な働き方改革をスタートさせ、長時間労働の是正を中心に仕事の効率化を進めてきました。2020年3月までの4年半で一定の成果を得たところで、より生産性を高め、社員全員が成長と活躍をできる会社にするために、「ステージ2」へと発展させたのです。

―具体的には、これまでの働き方改革とどう変わっていくのでしょうか?

川上:働き方改革ステージ1では、残業時間の10%削減、在宅勤務制度の導入、モバイルワークの普及など、従前の働き方に比べてスピード感を持った業務の遂行を実現しました。

しかし、その一方で若手、中堅社員約400人を対象にしたヒアリングからは、「承認欲求が足りない」「感謝されている感覚がない」「日頃のコミュニケーションが足りない」といった課題も同時に浮き彫りになってきていました。効率性を追い求めるがあまり、日頃のちょっとしたねぎらいの言葉や感謝が減ってしまっていたのです。

荒木:他にもキャリアビジョンが不透明で、明確な目標が持てていない、という意見も目立ちました。一部ではありますが、この会社に何のために所属しているのか、見出せていない人がいました。

これらの問題の原因として、上司や同僚との関係性、あるいは会社との関係性、つまりエンゲージメントが弱くなっているのでは、と我々は考えました。「じゃあ、次は働きがい・やりがい(エンゲージメント)をしっかりと高めていく取り組みをしよう」「そのためには、エンゲージメントを可視化できるツールが必要だ」となり、wevoxの導入を決めたのです。

―効率化を進めたステージ1、そしてエンゲージメントを高めるステージ2ということですね。数あるサーベイツールの中からwevoxを選んでいただいた決め手は何だったのでしょう?

中本:何より、シンプルで使いやすいユーザビリティが決め手でした。四半期に1度という頻度なので、社員の回答負荷はできるだけ低くしたかったですし、スコア画面のUIも見やすくないと活用できないだろうな…という意見は出ていたんです。そうした要望にwevoxは応えてくれていたので、導入を決定しました。

川上:それから、弊社のように金融系の企業だとツールの導入にあたってはセキュリティの信用度は非常に重要になってきます。その点、実績も十分にありましたので、安心にも繋がりましたね。費用面も導入しやすかったですし、諸々の総合力でwevoxに決めました。

過去の経験が活きた2万人サーベイの実行

―ありがとうございます。2万人近い規模に一斉導入は、決して簡単な取り組みではなかったかと思いますが、初回のサーベイはいかがでしたか?

中本:初回のサーベイまでに、2回ほど人事部を対象にトライアルのサーベイは行っていました。ただ、そのときは100〜200人規模でのサーベイの実施だったのですが、今回一気に2万人ということで、特にサーベイの通知メールの配信は少しヒヤヒヤしましたね。

弊社内のシステム部からも配信時間についての要望があったりして、wevoxのCS(カスタマーサクセス)スタッフにもいろいろ相談をして、なんとか無事にメール配信ができました。

川上:無事に配信できてホッとしたのもつかの間、次は多くの社員から問い合わせが来て、その対応にも中本さんは努めていましたよね。

中本:一つひとつの問い合わせに対して、調べて自分自身理解を深めながら対応していました。ただ、どうしても分からなかったり、すぐに返答したい問い合わせに対しては、CSスタッフの方に直接聞いていました(笑)。でも、すぐに対応していただいて本当に助かりましたね。大きな問題なく導入がスタートできたのも、CSスタッフの方のおかげでもあります。

―今、取材に同席しているスタッフですね。今の話を聞いて、すごくうれしそうな顔をしています(笑)。

中本:あの時は、ありがとうございました。そして、引き続きお願いします(笑)。

荒木:中本さんは、これまでの人事部での経験から今回のような新たなツールへの問い合わせ対応の経験が豊富でしたから。どのくらいのスピード感で、どういった内容で返答すればいいか、といった勘所を持ってくれていたので、我々としても非常に心強かったですね。

―先日、2回目のサーベイが終わったところと伺っていますが、今後wevoxを活用することで、どのような組織づくりをしていきたいか教えてください。

川上:wevoxを使う一番の目的は、職場内での話し合いを生み出すことです。エンゲージメントスコアを見て、自分たちの部やチームがどういう状態かを把握し、改善のための話し合いをする。そのうえで、最適なアクションを実行して、また状態を計測する。そうしたPDCAサイクルを生み出すことで、エンゲージメントの高い組織をつくっていきたいと考えています。

ですので、最初のうちはどうしてもスコアの高い低いに意識が行きがちだと思いますが、あまり結果だけに執着しないようにしてほしいですね。どうして、そうした結果が出ているのかを話し合い、考えることに時間を使ってほしいと思います。

中本:人事部でもトライアル中に実際にスコア結果をもとに話し合いをして、いくつかの施策を実行しました。我々のチームの場合、やりがいや健康に課題があったことから、少し業務に追われすぎているんじゃないか、振り返る時間がないんじゃないか、といったことを話し合ったんです。

それで、アイデアはあったもののなかなか実施できていなかった「月イチ休暇」をしっかり実行しよう、感謝やねぎらいの言葉を意識してかけるにしよう、出社時の挨拶を元気にしようなど、小さなことまで含めてとにかくアクションを起こしていきました。

すると、その後のサーベイでスコアが改善されて、私自身、仕事に対する向き合い方も少し楽になった気がしたんですね。「wevoxをうまく活用すれば、組織状態もよくなるし、自分にとってもメリットがあるんだ」と実感しましたね。

川上:ですので、ぜひみなさんにもスコアが出て終わり、ではなくそれぞれのスコアについて話し合いをしてほしいです。そして、どうすればよりチームの状態がよくなるかを考え、できることからでいいのでアクションを起こしてほしいですね。

あらゆる場面で“しつこいぐらい”情報発信していきたい

―みなさんの思いや活用方法の周知活動も重要になりますが、どのように情報発信しているのでしょうか?

川上:毎週水曜日に社内での情報共有を目的とした番組があるんですね。衛星放送で配信をして、見逃してもスマホやPCで確認できるものがあって、そこでサーベイ実施のアナウンスをしたり、社内連絡で案内をしたりしています。感覚としては、wevoxのプロモーション活動といったものに近いですね。

荒木:まずは、結果を閲覧できる組織長たちが率先して活動を進めてもらえるように努めていきたいです。そして、早い段階で、先ほど言ったPDCAサイクルを習慣化していってほしい。定着は一瞬では難しいと思いますので、我々も根気強く推進活動は続けていくつもりです。

川上:私も昨年度は違う部署にいたので分かるのですが、こうした取り組みは普段の業務に追われてしまうと、どこか他人事のように感じてしまいがちなんです。ですから何度も何度も、しつこいぐらい、あらゆる場面で情報を発信して当事者意識を持ってもらうことが、直近での我々の役目だと考えています。

荒木:経営層もwevoxを用いた活動に非常に強い興味を持っています。役員や支店長が集まる会議でもwevoxのことが話題に上がり、「良い仕組みだし、この活動を育ててほしい」と意見が出ました。会社としても本腰を入れて取り組んでいきたいので、現場のみなさんにもぜひご協力いただきたいですね。

―wevoxは、「エンゲージメント」という考え方を軸にサーベイを行います。この言葉の持つ意味について、みなさんどのように考えていますか?

中本:私はwevoxの導入を検討し始めたときに、エンゲージメントという言葉を知りました。最初はいまいちピンとこなかったんですけど、調べていくうちに、「組織としての一体感と仕事へのやりがいを同時に高めるために、すごく重要な考え方だな」と理解していったんです。

仕事のやりがいを考えたときに、自己実現のためとか、生活のためとか、自分1人で完結することもありますよね。でも、エンゲージメントは自分だけでは完結せず、メンバーから感謝される、あるいは逆に感謝を伝えるといった行為で高まっていきます。そう理解できたときに、共に仕事をするメンバーとの関係性をベースに、組織としての一体感を高め、同時に仕事のやりがいも高める考え方がエンゲージメントなんだな、と腑に落ちたんです。

川上:私も全く同感です。加えて、エンゲージメントが素晴らしい考え方だと思うのが、それを「自発的に」高めることを前提としていることですね。強制的だったり、やらされ感があったりしては、本質的にはエンゲージメントは上がらない。

自分たちの組織をよくするのはどうすればいいのか、上司や部下それぞれの立場から課題感や悩みを出し合い、話し合いをする。そうやって、自分たちで自律的に考え、動くことでエンゲージメントは高まっていきます。その時に、何に着目して話し合いをすればいいかを教えてくれるのがwevoxなんだ、と捉えてほしいですね。

荒木:2人がほとんど言ってくれたのですが(笑)、ビジネス的な視点でもエンゲージメントを高めていくことは重要だと考えています。というのも、社員一人ひとりが高いエンゲージメントを原動力に働くことで、生産性や仕事の質も上がり、引いてはそれが企業の競争力にも繋がっていくはずだからです。

特にこの点は、組織長の方々に理解してほしいですね。エンゲージメントを高めることは「気持ちよく働くため」だけでなく、今後の企業の競争力としても重要になってくる。wevoxでは同業種、同規模の企業とのスコアの偏差値比較もできます。非財務指標としてエンゲージメントに着目し、他社よりも先んじて向上のPDCAサイクルを生み出しておくことは、今後大きなメリットとして返ってくるはずです。

人事としてのそれぞれの使命感

―ありがとうございます。現在コロナ禍の対応で苦労していることもあるかと思いますが、組織のあり方や働き方を見直す機会ともなっていると思います。その中で、人事部は何ができるのか、どういう考えで組織づくりに取り組んでいくか、最後に意気込みをお聞かせください。

中本:新型コロナウイルスへの対応など前例のないことも起きていますが、人事として変わらない使命は、縁の下の力持ちとして社員の役に立つことです。私個人で言えば、問い合わせなどに対して、丁寧に、迅速に応えていくことで、みなさんを支えていくのが使命です。それに、最近は、制度を策定するといった仕事にも関わっていますので、いい意味での緊張感も持っていますね。

忙しさはありますが、時々社員の方から感謝されるとすごくうれしいですし、やりがいも感じます。新しい施策をどんどん打ち出していけるように、がんばっていきたいと思います。

川上:変化の激しい時代ですが、特に組織づくりにおいては一気に物事が変わることはないと思います。少しずつ、じわじわとよくしていって、結果的に「いい組織になったね」と言われるのが理想です。

wevoxの取り組みもまだ始まったばかりですが、ちょうど今朝現場の営業職の社員から「日々仕事で忙しいけど、wevoxを見ながら、チーム状態について話し合う時間を作るのって重要だよね」と声をかけていただきました。こうした会話をこれからも社内でどんどん生み出していきたいと改めて実感できましたね。

―うれしい言葉ですね。

荒木:そうやって、少しずつでもいいから活用してくれる人を増やして、現場が自らいい組織をつくるサイクルを作っていきたいですね。

私個人的にも、「この業界でNo.1の組織にしたい」という目標があるんです。そのためには東京海上さんを追い抜かなければいけませんし、その原動力として社員一人ひとりの、そして組織全体としてのエンゲージメントが必要になると信じています。会社の心臓、つまりいい血液を循環させる機能を担う人事部として、wevoxの活用を通じてエンゲージメントを高める仕組みをこれから作っていきたいと思います。

―みなさんの熱い言葉から、エンゲージメントやwevoxに対する思いがひしひしと伝わってきました。今後の活躍も期待しています。ぜひ、またいい事例が出たらお話を伺わせてください。本日はありがとうございました。

ABOUT COMPANY企業情報

三井住友海上火災保険株式会社

主な事業: 1.損害保険業(保険引受・資産の運用)
2.他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行
3.債務の保証
4.確定拠出年金の運営管理業務
5.自動車損害賠償保障事業委託業務
設立年月日: 大正7年(1918年)10月21日
従業員数: 14,371名

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