「“繋がる”価値が今ほど高い時代はない」LIXIL Advanced Showroom社長が語るエンゲージメントの価値

2019年11月からwevoxを導入し、積極的にエンゲージメントの向上に取り組む株式会社LIXIL Advanced Showroom。「経営者が組織のエンゲージメントについて一番興味を持たないといけない」と語る鈴木社長は、自ら率先してwevoxを活用し、真摯に社員の声と向き合っています。「チーフ“エンゲージメント”オフィサー」を自称する鈴木社長に、wevoxのメリット、経営とエンゲージメントの関係性、「主体性」や「多様性」の本質など、様々なテーマで語っていただきました。

一過性になってしまっていた年1回の組織サーベイ

―貴社では、鈴木社長自らがwevoxの活用推進に積極的に取り組んでいただいています。

wevoxは本当にいいツールですね。以前から従業員の声はよく聞くようにはしていたのですが、エンゲージメントスコアとして定量化されたり、簡単にコメントを記せたりするシステムは画期的だと思っています。今日は経営者の目線で、どうwevoxを活用すればいいのか、今企業にとってなぜエンゲージメントが必要なのか、お話できればと思います。

―ありがとうございます。まずは、導入の経緯について教えていただけますでしょうか?

もともと弊社では、年1回の頻度でサーベイを実施していました。自分たちで設問を考え、従業員に回答してもらっていたのですが、そのサーベイで得られるものは手が加わっていない“ローデータ”です。ですので、そのローデータをもとに集計、分類、分析などいろいろと作業をしないと使えるデータにはなりません。そうした作業をしていると、どうしても対話を開始できるまで3カ月ぐらいはかかってしまうんですよ。

―手間もかかるし、フィードバックまでも時間がかかりすぎるという課題があったんですね。

そうです。それに、1年に1回、どのタイミングでサーベイを取るかによっても結果が変わったりするんですよね。賞与の後だと良くなるかもしれないし、負荷のかかる業務の後だと悪くなったりするかもしれない。サーベイを実施すること自体が一過性のお祭りのような感覚もあって、「組織のために何か変化を起こせているのか?」という疑問が年々大きくなっていったんですよね。そうしたときにwevoxを知り、導入の検討を始めたんです。

―最終的にwevoxを選んでいただいた理由は?

ブラウザ上で簡単にサーベイが実行できること、設問もシンプルで毎月1回に頻度を増やしても負荷にならないこと、などが大きな理由でした。それに、分析も自動で行って、すぐに結果をスコアとして提示してくれますから。いちいちパワーポイントやエクセルなどを使ってまとめなくても、オーバービューに全ての情報をリアルタイムで提示してくれます。

これまで自分たちで苦労をしていた分、このツールの利便性はすぐに理解することができました。

―ありがとうございます。導入時は、社内にどのように周知を行ったのでしょうか?

「なぜ、wevoxを使うのか。サーベイ結果をどう活用すればいいのか」といった部分は特に強調して伝えるようにしましたね。というのも、トライアルとして数店舗にwevoxを導入して試験運用を行ったのですが、その際に「なぜやるのか、どう活用するのか」といった周知が足りなかったために、現場が少し混乱してしまったんですね。その失敗から学びを得て、全社導入するにあたって、しっかりと理由と目的を伝えることを徹底しました。

―具体的にはどのようなメッセージを発信したのでしょう?

キックオフを大々的に行い、私と人事部からそれぞれメッセージを発信しました。特に各店舗のマネージャーに対して、エンゲージメントスコアとの向き合い方は丁寧に伝えることを意識しました。我々の店舗マネージャーは、ほぼほぼ女性で構成されているんですね。どうしても女性だと、ネガティブなコメントとか、低いスコアが出るとショックを受けやすいですから。「みなさんを傷つけるために行うものではない」ことは、様々な角度から伝えました。

最も重視して伝えたのは、「スコアのいい悪いに固執しすぎないこと」です。もちろんスコアが高いことに越したことはありませんが、他店舗と比較して低いからといって、ショックを受ける必要は全くないことは伝えました。店舗ごとで地域性もあるでしょうし、構成される従業員によってスコアはそれぞれ差が出るものです。ですから、他と比較するのではなく、自分たちの「過去」と「今」を比較して、組織状態がどうかを健康診断の感覚で見てほしいと伝えたのです。

―大切な心構えですね。

マネージャー自身が、しっかりとwevoxと向き合うことが何よりも大切ですからね。

キックオフではそれに加えて、全ての従業員に対して、エンゲージメントは今や一般的な指標であること、みなさんが仕事や組織とどう繋がっているか、みなさんがエンゲージするために経営が機能しているかを計測するためのツールだと伝えました。

現場のコーディネーターが一番アイデアを持っている

―社長自ら発信するのは素晴らしいことです。施策の重要性が、より伝わるかと思います。

とはいえ、やはりサーベイ開始当初はスコアをそのまま受け止めてしまって、ショックを受けてしまうマネージャーは一定数いました。こうなることはある程度想定していましたし、マネージャーが孤独を感じるのは避けたいので、人事部が定期的にフォローアップMTGを行うようにもしています。人事部からどうすればエンゲージメントが改善されるかフィードバックを行ったり、何か困りごとがないか聞いたり、話し合いの場として機能しています。

人事部からの話を聞くと、やはり地域性や県民性の差は結構あるみたいなんです。働き方やライフスタイルも微妙に違うでしょうし。仮に同じスコアの改善方法を話し合うにしても、その地域に合わせた施策が必要になってきます。このあたりはまだまだ試行錯誤の段階ですが、一律な施策ではエンゲージメントの向上は難しいと感じています。

―貴社は企業のバリューとして「スマイルバリュー」を掲げていますが、その1つに「主体性」があります。主体性とエンゲージメントはどのような関係性があると考えていますか?

株式会社 LIXIL Advanced Showroom webサイトより抜粋

コロナ禍において、誰も経験したことがない社会変化が起きています。我々は、ライフスタイルに直結している事業ですので、なおさらユーザーのニーズの変化に敏感にならないといけません。

じゃあその変化を一番察知できるのは誰か、といえば当然現場のコーディネーターたちになってくるんですよ。僕がいろいろ考えて「これだ!」と言ったところで、ほとんどが的外れなんです。現場からすれば「うちの社長は大丈夫?」なんてことばかりでしょう。だからこそ、現場の従業員が主体性を持って考え、いろいろな施策に挑戦するのが、会社にとっても、ユーザーのみなさんにとってもメリットになる。

でもどれだけスキルが高く、豊富なアイデアを持っているコーディネーターがいたとしても、チームへのエンゲージメントが低ければアイデアを出そうとしないかもしれません。あるいは、アイデアを出してもメンバーとの相互支援が生まれず、施策が自然消滅してしまうかもしれない。そうした事態にならないよう、気兼ねなくアイデアを出し合い、相互支援をしながら実行できるチームとなる必要があります。そのために、エンゲージメントを高めていくことが必要なのです。

今、業績が高いチームと、エンゲージメントが高いチームの相関関係をリサーチしています。このデータが出てくれば、エンゲージメントを高めることは、ユーザーのためにもなると、より多くの従業員にも理解してもらえるはずです。

多様な社員を結束するためのバリュー

―なるほど。「多様性」も貴社は重要視していますが、どのように組織の多様化を進めていますか?

前提として、弊社は多様性が社会テーマとして叫ばれはじめてから、多様化を進めていったのではありません。「結果的に多様化していた」という感覚が近いんです。

我々のビジョンに「お客様の笑顔のために」というものがあります。このビジョンを目指して、我々は日々仕事に取り組んでいるのですが、当のお客様自身が日々多様化しているんですね。そうなると、我々の組織も多様化していかないとお客様を笑顔にできません。例えばLGBTのお客様に対して最適なライフスタイルを提案するにあたって、組織内にもLGBTの方がいないと本質的な提案はできませんよね。愚直にビジョンを目指していた結果、多様化していたというのが実情です。

多様性については長く言われ続けていますが、大事なのは「何のために多様性を進めるか」です。それがないと、表面的な形や短期的な多様化で終わってしまいかねません。

―多様性は重要な一方、バラバラな価値観の人たちのエンゲージメントを高めていくのも難しい課題なのかな、と思うのですがどう考えていますか?

そうですね。確かに価値観はバラバラで、それが多様性に繋がるのですが、「この会社で働く上で絶対に守ろう」というルールとして「スマイルバリュー」が機能しているのかな、と思います。

いろいろな価値観、考え方を持っていていいし、どんどん突拍子もないアイデアを出して構わない。でも、それらは全て「バリュー」を実現するためのものでなければいけません。その分、バリューを実現してくれれば、会社はしっかり評価をします。そのために、評価軸にもスマイルバリューは入っているんですよ。それぐらい、弊社ではバリューが日々の業務に浸透しています。

―バリューによって組織の一体感を生み出しているということですね。wevoxの項目にも企業理念の浸透がありますが、どのような工夫をしていますか?

バリューの浸透を目的とした研修には、かなり力を入れています。まず、新入社員に対しては入社時に、ビジョン、ミッション、バリューそれぞれの意味を丁寧に説明しています。経営者自身の言葉で語ることが重要だと思っていますので、毎月の研修に参加して自分の言葉で話すようにしているんです。

そして、マネージャーに対しても定期的にバリュー研修を行っています。やはり、現場で日々仕事をしていると、どうしても意識が接客数などのKPIにいってしまうんですよね。だから、定期的に「何のためのKPIなのか」、「私たちは何を目指しているのか」をバリュー研修を通じて考えてもらう必要があるんです。

リアルタイムでの組織状態の把握は経営の武器に

―wevox導入企業の中で、「wevoxの活用を積極的に進めたいけど、経営層の理解を得られない」という声も上がってきます。経営にとってエンゲージメントがなぜ大事なのか、ぜひ鈴木様のお考えをお聞きしたいです。

まず、他の経営者の方々にもwevoxはすごくオススメのツールだということを伝えたいです。何より、リアルタイムで組織状態を把握できることは経営にとって非常に強い武器になります。

今は社会やビジネスの変化が早すぎて、従業員が自分の状態を振り返る時間をなかなか取れません。例えば新しい施策を会社が実行したとして、それを受け入れ、慣れる前に、また次の変化が起きてしまう。従業員が社会やビジネスのスピードに付いていけない、というのが現状なんです。

コロナ禍になり、それがさらに顕著になってきています。特に我々のように店舗を持っている企業は、どう対応すればいいのか、どうお客様と接すればいいのか、答えは日々変化しています。そうした変化に対して、従業員がどう感じているかを、wevoxがあれば即時的に知ることができるのです。

これが、一昔前のご意見箱みたいなものだったら全く分からなかったと思います。ご意見箱は自らアクセスしないといけないので、よっぽど時間があったり、よっぽど大きな悩みや問題がないと投稿しないですよね。


―確かに、ご意見箱だと小さな悩み事や困りごとは共有しづらいですね。

wevoxだったら数分間のサーベイ、そして簡単に記入できるコメントを通じて自分の状態を経営層、マネージャーに発信できます。弊社の場合、従業員からのコメントは毎月150ぐらいあるんですよ。今月は特に多くて200を超えていたのですが、「ああ、ここ納得いってないのか」といったことが分かったりして、経営者自身が振り返る機会にもなります。そうやって、経営者がスコアやコメントと向き合うことで、従業員との合意形成ができているかを把握できるのです。

―経営層と従業員間のコミュニケーションがwevoxを通じてなされていると。

そうです。wevoxのスコアで経営に関する項目が低下していると身が引き締まりますが、そういう感覚は経営者にとって非常に貴重なんですよね。ネガティブな意見が、そのまま経営層にあがってくることってそうそうないんです。でも、そういう意見の中に本質的な組織課題が眠っていたりしますから。経営者にとっては、wevoxはそうしたアラートを出してくれるツールでもあるんです。

経営者が一番エンゲージメントに興味を持たないといけない

―ありがとうございます。鈴木様のようにwevoxあるいはエンゲージメントに真摯に向き合っていただく経営者が増えてほしいと、お話を聞いていて思いました。

「CEO」という言葉がありますよね。「チーフエグゼグティブオフィサー」の略として使われることがほとんどだと思いますが、私は自分のことを「チーフ“エンゲージメント”オフィサー」だと思っているんです。

変化が緩やかだった時代なら、トップダウンで良かった。でも再三話している通り、今は猛烈なスピードで変化が起きています。だから、変化と常に対峙する現場の声を吸い上げて、価値を生み出していくことが重要で、そのためには組織のエンゲージメントが高くなきゃいけません。エンゲージメントに対して一番興味を持って、高める努力をするのが、今の経営者に求められているんだと思います。

―いい言葉ですね、チーフエンゲージメントオフィサー。

実は、5年ほど前に当時のIBMの社長が言っていたんです。だから、アメリカではエンゲージメントはもう当たり前の概念になっている。日本はようやくここ数年ですが、間違いなく今後重要な指標になってくるはずです。


―ありがとうございます。最後に、これからの組織づくりの展望を教えてください。

コロナ禍の中で、ソーシャルディスタンスを重視して、対面接触をなるべく減らそうという流れは当面続くと考えています。我々のような、リアル店舗はもしかしたら少しずつ減っていくかもしれません。社内でも、テレワーク体制が長期的に続くでしょう。ユーザーのみなさんとも何か違う形でのコミュニケーション方法を模索しなければいけないと同時に、従業員同士も離れたまま働くことが求められている。

そんな困難な状況だからこそ、繋がっていられるためのツールとしてwevoxがあるのだと思います。極端な話、今後wevoxだけで組織としての繋がりが保てている状況になるかもしれません。繋がりが見出しづらくなったことで、“繋がる”ことの価値がすごく高まった時代になったと言ってもいいでしょう。

今こうして、自らエンゲージメントを高めようとする経験、繋がろうと努力する経験が、きっとこれからの働き方やビジネスのあり方を考えるうえでの糧になるはずです。まだまだ私自身もできていないことがたくさんあると感じています。どうすれば、最大限のバリューを発揮できる組織にできるか、エンゲージメントスコアや従業員からのコメントと向き合いながら、いろいろとチャレンジしていきたいと思っています。

LIXIL Advanced Showroomのエンゲージメントに関する取り組みについてご質問などあれば、下記HPよりお問い合わせください。
https://www.lixil-as.jp/

ABOUT COMPANY企業情報

株式会社 LIXIL Advanced Showroom

OTHER ACTION の他の実践事例

OTHER STORY のインタビュー

RECOMMEND こちらの記事も人気です

PLAN

NECネッツエスアイ“日本一コミュニケーションの良い会社”を目指す前例なき挑戦

1953年創立、連結従業員数約7,800人を超す大手企業NECネッツエスアイ株式会社が、2020年4月から組織文化を刷新させるべく新たな挑戦を始めています。働き方や組織のあり方が見直される昨今の流れの中で、「日本一コミュニケーションの良い会社」を目…

PLAN

二度の上場失敗を経験しながらも、愚直に社員の声に耳を傾ける。モバイルファクトリーが挑む”主体性”を重んじる組織作りとは?

  wevoxで組織改善に取り組んでいる企業様の導入秘話に迫る「導入事例」シリーズ。 今回は「わたしたちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること」 というミッションのもと、位置ゲーム(ソーシャルアプリ)「ステーションメモリーズ…

PLAN

「組織に所属しなくてもいい時代」だからこそ高まる、個と組織を結ぶ“理念”の価値

「個人と組織」、「個人と仕事」などとの繋がりを示すエンゲージメント。近年経営指標としても注目を集めるエンゲージメントは、1つの決まった形があるわけではなく、10の組織があれば10通りの形が存在します。このシリーズでは、エンゲージメントサーベイ「we…