INTERVIEWEE

クボタメンブレン株式会社 メンテナンスサービス部長 兼 営業グループ長 木子敦雄氏

1994年(株)クボタ入社。14年間ポンプ事業部に所属し、官需水処理プラントの技術営業を担当し、自社技術の提案やプラント設計に従事。その後、自社技術である“液中膜”の機器販売部門に転籍し、技術営業担当として民間事業所向けスペックインの提案活動を行う。2015年度から国内市場の営業責任者となり、その後クボタメンブレン(株)メンテナンスサービス部営業Gを兼務し、液中膜の採用から納入後のアフターサービスまで国内液中膜事業の拡販活動に従事。2018年末から現職として、メンテナンスサービス部門の運営を担当。

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回お話を伺ったのは、クボタメンブレンでメンテナンスサービス部長と営業グループ長を兼任する木子敦雄さんです。全国を飛び回る営業メンバーをまとめる中で確立された「一歩踏み込んだコミュニケーション」で、高いエンゲージメントスコアを維持する木子さん。何気ない日々のコミュニケーションを、どのようにエンゲージメントに繋げているのでしょうか?部下とのコミュニケーションに悩むマネージャー必読です!

全国に散らばる社員の状態を定量化する

ー本日は、クボタメンブレンのチームマネジメントについてお聞きしたいと思います。まず、御社の事業内容をお聞かせください。

はい。社名に入っている通り、親会社は株式会社クボタになります。農業機械のイメージで知られていると思うのですが、水・環境の分野でも、クボタは昔から事業を行なっています。創業当初から水道用鉄管を作っており、その派生で水に関わる事業を脈々と行ってきました。飲料水などの上水から、汚水や雨水を排出する下水まで幅広くやっていて、下水に関わるところを我々の会社が担っている形になります。

ー具体的にはどのようなことをされているのですか?

クボタの核となる技術に「液中膜」というものがあり、ミクロンサイズの穴が無数に空いているフィルターのようなもので、汚水の浄化プロセスの仕上げとして、浄化された水を取り出します。クボタメンブレンでは、この液中膜(ろ過装置)の製造とメンテナンスサービスを行っています。

ーそういった装置があるのですね…知りませんでした。

学校・病院など公共施設、食品工場や畜産農場など実は、様々な場所で使われているんですよ。工場の排水をそのまま公共水域に流すと、環境への負荷が大きくなり、水質汚濁などの公害を引き起こしてしまいます。ですので、多くの工場や農場では、自分たちで汚水処理施設を構えて、綺麗に浄化してから河川に流すことをされています。そこで、私たちの液中膜が使われるんです。

ー木子さんはいつからそちらの部署でリーダーをされているのでしょうか。

昨年末からです。メンテナンスサービス部は、液中膜のメンテナンスを行う技術グループ、膜試験(膜の状態を知る)・水質分析・遠隔監視(膜運転の状況を知る)を担うアフターサービスグループ、そして営業グループの3部署から構成されます。先ず、2年前から営業グループのマネージャーを務めることになりました。その後、技術者としての経験を活かして、技術部門を含めメンテナンスサービス部のマネージャーを務めることになったのです。

ーwevoxはどのタイミングで導入されたのですか?

1年半前に導入して、営業グループを対象に計測しています。正直それまでは、マネージャーとしてメンバーと接するときは、何をどうやって注力していこうといった明確な目的を持たず、ある種場当たり的なコミュニケーションをとっていたように思います。それが、「支援」や「人間関係」など明確なカテゴリーの中から、課題がどこか、数値として分かるようになるので、コミュニケーションに目的を持てるようになりました。営業グループは東京と大阪に拠点が分散していて、それぞれ全国のクライアントに会いに飛び回っています。そうしたチーム状況ですので、普段見えないメンバーの状態を把握しやすくなり、非常に助かっています。

 

コミュニケーションは会話だけじゃない

ー「支援」や「人間関係」のスコアが特に高いですね。

私自身もともと営業の人間ではないので、こと営業に関しては部下のほうが先輩になるんです。ただ、メーカーの営業職は、技術的な知識がすごく求められるので、その部分はもともと支援できる自負はありました。あとは法律やルールといった点で、少なからず上級職として蓄積した部分もありますので、そこでのフォローを行ってきました。ですので、上司として指導を行うというよりは、お互いの得意領域を活かしたコミュニケーションを常に行っているといった感じですので、支援や人間関係のスコアが高いのかな、と思っています。

それから、私自身コミュニケーションにおいて重視していることもあります。それは、「ただの会話で終わるのではなく、お互いきちんと理解できるまで共有できているか」ということです。共有したいことが相手に伝わって、初めてコミュニケーションと言える。この考えは、メンバーにもよく伝えています。

例えば、メールや電話で要件を伝えたときに「分かりました」という返答が来たとします。その「分かりました」という返事が、本当に理解したという意味なのか、他のニュアンスなのかが分からないときがあります。そういうときは一歩踏み込んで、違う要件での電話や、数日後に会った時「あの件なんやけど」ともう一度確認をして、「お互い腹に落ちてる、よしオッケー」といったコミュニケーションをずっと繰り返してきました。コミュニケーションってそこまでやってはじめてコミュニケーションなんだろうなってよく思うんです。こうしたコミュニケーションの積み重ねが、スコアに反映されている部分もあると思います。

ー距離が離れてる中でそれを徹底されてるのはすごいですね。チームミーティングはどのように行われているんですか?

距離が離れているので毎月というわけにはいかないんですけど、3〜4カ月に1回は、全員が直接対面する機会を継続して作っています。チームミーティングでは、営業として新たに取り組む課題などをよくディスカッションしますね。若手も積極的に意見ができるよう気を付けてます。

また、各担当が抱えてる課題を全員に共有してもらって、みんなの意見を聞くといった目的もあるので、それらが達成できるような場の設計をしています。

 

組織の状態が好転した3つの変化

ーありがとうございます。そんな木子さんのチームですが、昨年の11月からまたさらにスコアが伸び始めました。

そうですね。思い当たることとしては3つあります。まず、1つ目が営業グループからメンテナンスサービス部全体を見ることになったタイミングで、私がリーダーとして考えている方針をみんなに共有したことです。

ーなるほど、方針ですか。

あえて細かい数字とかは書かず、リーダーとして自分は何を考えていて、どこに問題を感じていて、どういうことをやりたいか、どういうチームにしていきたいかを伝えました。全体メールで伝達をしたんですけど、読んで感じたことをまた今度教えてくれませんか、というのも併せて伝えました。そういった点がスコアに出たのかもしてませんね。

 

ー木子さんの想いが一緒に乗ってるのがすごく素敵ですね。最後の一文の「世界一を目指そう」という文言はグッときます。

ありがとうございます。弊社はMBR業界(液中膜のような膜ろ過装置を活用した廃水処理の分野)では、現状世界的に2位か3位くらいなので、夢物語ではないんです。目指したいですね、世界一。

ー2つ目は何でしょうか?

はい。2つ目は、2018年度のメンテナンスサービス部の営業目標を、紆余曲折を経て、期末のギリギリで達成できたんです。それを営業グループのメンバーにも喜びと感謝と共に報告しました。離れてることもあって、メールにはなってしまったんですが、達成が分かった直後に書いたので、ものすごく気持ちが乗っていたと思います。こういう出来事があると、スコアにもいい影響を及ぼすようですね。

ーすぐに伝えたということが素晴らしいです。3つ目の要因を教えてください。

スコアが低い傾向にあった、健康面を改善しました。全国を4名で飛び回って仕事をしていることもあって、メンバーに負荷がかなりかかっていたのです。

ーどうやって解決されたんでしょうか。

メンバーで集まったタイミングで話し合ったり、個別にヒアリングしてボトルネックが何か模索しました。結論として出たのが「見積もり対応のアシスタントスタッフを採用する」ことでした。営業職にはありがちかもしれませんが、出先で見積もりを求められることが多々あり、その対応が非常に負荷になっていたのです。

急ぎで対応したいけど、現場を回っている間はなかなか見積もり作業に向き合えない。そんなストレスが溜まりやすい状況が続いていました。そこで、見積もり作業などを専門に行う内勤スタッフを採用することにしたのです。結果的に、お客様への対応スピードも上がりますからね。やっと改善の目途が見えそうという安堵感みたいなことがあって、スコアが全体的に上がったのではないでしょうか。体力的な健康面も大事ですが、精神面の問題もやはり大きいという学びを得ました。

ーありがとうございます。課題が何なのか模索する際も、メンバーとのコミュニケーションをしっかりとられているのも木子さんらしいです。

 

縮まるリーダーとメンバー間の想い

ーwevoxを導入したことで、マネジメントで変わった点、また変わらない点を教えてください。

変わらない点は、先ほど話したようなコミュニケーションを継続していくことです。不明点がありそうなときは、そのまま放置せず、一歩踏み込んで会話をし、共有ができているかを常に確認する。メンバーの仕事に対して、思うところがあれば遠慮せずに踏み込んでアドバイスを行う。こういうスタンスが間違いではないと分かったので、変わらず大切にしたいと思っています。

変わった点としては、コミュニケーションを適切に行うための視点が増え、目的が明確になったことです。今までは個々人の意識ややりがいをどう維持、向上させるかをイマイチ理解せず、漠然としたコミュニケーションをとっていました。それがwevoxを通じて、メンバーの状態がスコアとして出るので、どのスコアを課題とし、解決していくかということを考え、目的を持ったコミュニケーションができるようになったのです。例えば「承認機会を増やそう」とか「健康面について議題にしよう」などですね。

ー実際のスコアとなって、メンバーの考えがはっきり出やすいと。

そうですね。それから、最近の話ですが、初めてクボタメンブレン全社と各部門のミッション・ビジョン・バリューを作ろうという取り組みを行なっていて、ここにもwevoxが活きてる気がします。以前は「ビジョンを掲げても画に描いた餅になるだけじゃないか」という思いが強かったのですが、wevoxによってメンバーを理解しやすくなったので、個々人が納得感を持って向き合える目標にできるのではと思っています。

ーミッションやビジョンは、当事者として意識しづらかったりします。

経営者と従業員が思ってることは乖離してる部分が多く、ぴったりこない部分があるので、作るにあたってそこの乖離を最小化することを意識しました。「単に美辞麗句を並べてもよくないよね」「これ、部下が受け取ったらしっくりこないんじゃないか」というような会話が経営陣の中でもできるようになりましたね。

ー素晴らしいですね。最後に、今後の展望を教えてください。

営業グループを含めメンテナンスサービス部を、お客様に安心を与えるために、個々人がチームの中でできることは何かを自問自答し続ける組織にしたいなって思ってます。それができれば必ず経営側が求めてる数字やシェアを獲得できると思っています。同じ目標、同じ想いを持って今後もやっていく。そして、世界一のシェアを達成したいと思っています。

ーコミュニケーションに目的を持ち、徹底して行う。シンプルでありながら、とても重要なことだと気づかされました。ありがとうございました!

ABOUT COMPANY企業情報

クボタメンブレン株式会社

主な事業: クボタ液中膜ユニットの製造、液中膜のメンテナンス、膜カートリッジ及び関連部品の供給
設立年月日: 1994年12月27日
従業員数: ●●名(2019年1月1日現在)

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