コメ兵が実践するwevoxアンバサダー制度で灯り始めた「主体性の火」

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回は、ブランドリユース最大手、全国に50店舗とオンラインショップを展開している株式会社コメ兵のケースを紹介します。「アンバサダー」というポジションを設置してエンゲージメントの社内浸透をはかり、社員ネットワークの活性化にも繋げている同社に、エンゲージメント向上のための独自の取り組みを伺いました。

主体性を重視するからこそ、伴走してくれるwevoxを選択

ー最初に、wevoxを導入するに至った背景を教えてください。

永田:弊社はこの10年くらいで組織が拡大し、会社の売り上げも大きく成長しています。現在の社員数は580人ほどで、10年前に比べると約倍になりましたが、その分、社員と経営との距離が遠くなり、いわゆるエンゲージメントが上がりにくい状態になっていたんです。

弊社がこれから組織としてさらに成長するためには、エンゲージメントという概念が1つ大きなカギになると考えています。離職率は5%ほどで、いわゆる社員満足度は高い組織ですが、今後はさらに自発的な貢献意欲を持ち主体的に動ける人を増やさなくては、会社としての成長に繋がらないんじゃないかと考えています。それを進めようと思ったときに、wevoxというツールが我々には合うと考えたのです。

KOMEHYOは日本最大級のリユースデパートとして、店舗とオンラインストア(ネット通販・宅配買取)を展開している。

ーエンゲージメントサーベイを使うという選択肢はどのように出てきたのでしょうか?

永田:実は何人かの社員から、当社でも何かツールを使ってもっと社員の声を吸い上げてみてはという意見が出ていたんです。それで、今はアンバサダーのリーダーをしている塚原を中心に、アンケートを自作して調査したりという動きを始めました。そこから、いろんな企業さんの話を聞いてwevoxの導入に繋げました。決め手は、アトラエさんは伴走という言葉を使っていたように、コンサルティングではなく「一緒にやりましょう」というスタンスで言っていただけたことでした。

塚原:答える側としては、すごくシンプルなインターフェイスで、気軽に使える印象でした。運営視点で見ても、管理画面が見やすく、課題の抽出をする際もいろいろな切り口・視点で見られると感じました。最低限の分析のための画面になっていて、そこからは自分たちの頭を使って分析しないといけないのも良かったですね。

ー主体的に使っていけることは大きなポイントだったと。

塚原:そうですね。エンゲージメントを高めるうえでは、従業員の主体性もですが、運営側の主体性も大事だと考えていました。ツールから「こうしてください」という指示があって、それをただ進めていくだけではあまりやる意味がないし、主体性だって生まれません。何が課題かを最初から自分たちで考えて、打ち手も自由に考えて、失敗しながらでも答えを見つけていく、その過程が大事なんです。だから、コントロールされすぎないというか、答えを出すためにそっと伴走をしてくれるというwevoxのスタイルがいいなと思ったんです。

アンバサダーの設置は良いことづくし

ー先ほど、塚原さんがアンバサダーのリーダーだというお話がありましたが、アンバサダーというポジションがどういうものなのか教えていただけますか?

永田:現場にエンゲージメントの考え方や向上の取り組みを浸透させるためのポジションが必要だと考えて、各部署にアンバサダーを設置しました。一番の理由は、人事だけでは早期に全社に浸透させるのは難しいと考えたからです。

基本的に人数が多い規模の大きな部署には必ずアンバサダーをアサインし、4〜5名の小さい部署にはプロジェクトのコアメンバーが入ってアンバサダーの役割を担っています。アサインする際のポイントは、部署内における影響力や信頼度です。そういう人をこちらでピックアップし、あとは塚原が直接口説くというやり方で進めました。

塚原:誰をアサインするかはすごく重要だと思っていました。単純に役職で選ぶことはしたくなかったんです。「この人ならエンゲージメントに興味を持ってくれそうだ」という人を選んで、どういう意図でプロジェクトを進めようとしているのかなどをしっかり話し、理解してもらったうえでアンバサダーになっていただきました。

永田:いきなり任命して「やってくれ」では、主体性は生まれませんし、それではやる意味がないかなと思ったので、塚原に頑張ってもらいました(笑)。

ーアンバサダーの役割についてもう少し具体的に教えてください。

塚原:まずは、所属部署のメンバーに働きかけて、wevoxの回答を促すことです。さらに、サーベイのスコアをもとに自部署の課題を見つけ、それに対してアクションを設定、行動を働きかけるといった役割が主です。そのために、サーベイのスコアが出た後にアンバサダーミーティングを毎月実施して、スコアの振り返りやアクションについて話し合ったりしています。

永田:アンバサダーミーティングでは、主に3つのことをしています。まずは、まだスタートしたばかりということもあり、エンゲージメントについて理解を深めるためのコンテンツを人事側で用意して発表しています。今月だと、「SDGsとエンゲージメントの関係性」といったテーマで話したりしました。

2つ目が、wevoxのカスタマーサクセスの方にご協力いただいて、他社事例の紹介をしてもらっています。「こういうときにはこういう打ち手が効果的」といったTips的なことの理解を深め、より実用的な打ち手を考えられるようにしています。そして3つ目が、アンバサダー同士の意見交換です。日々の取り組みで困っていることや悩みなどを話し合ったりしながら、スコアをもとに具体的な打ち手を考えていきます。

全体的には、硬い雰囲気にならないようにすることを大事にしていますね。同時に、みんなが発言できるような雰囲気づくりを心がけています。

塚原:独自に、自部署のメンバーを交えたミーティングの場を設けたりするアンバサダーもいて、それぞれが考えて自分のできることを進めてくれています。

ー具体的な動きについては、それぞれに任せている感じなんですね。

塚原:そうですね。できるだけ主体的に動いてもらえればと思っています。ただ、場合によってはこちらから「こういうことをやっていこう」と声を掛けることもあります。アンバサダー専用のチャットを用意して、普段からマメにコミュニケーションを取っているので、横の繋がりも生まれ、いろんな動きが出始めていますよ。

ーあらためて、アンバサダーを取り入れるメリットとはどんなことでしょうか?

永田:運用を始めたのが2020年6月なのでまだまだ始めたばかりですが、いろんな研修の場だったり、個人の面談の場だったりで、エンゲージメントの話が出ることがすごく増えているんです。まだまだ言葉の意味について多少のミスリードがあったりもしますが、社内での関心は間違いなく高まっていると感じます。人事だけでは、短期間でここまで浸透させることはできなかったと思っています。

塚原:私が一番感じているのは、社内に新しい動きが生まれたことです。今までは、既存の会議などの場で、決まった人が意思決定するのが当たり前でした。でも、このプロジェクトが始まってからは、今までの形にとらわれないような対話の場が増えています。普段だったら集まらないようなメンバーでオンラインミーティングをしてエンゲージメントの話をするとか、そういう既存の形にとらわれない動きが出てきたことが、一番の効果だと感じています。

ー社内の活性化にも繋がっていそうですね。

塚原:エンゲージメントという1つのキーワードが会社に持ち込まれたことで、それに関心のある人が組織を超えて集まるようになったわけです。そういう意味で、「組織図と関係ないところでの動き」が出てきたことが、本当にやって良かった点ですね。経営陣からも「対話をしよう」というキーワードが出てきたりしているので、この動きをもっと大きなうねりにしていければいいなと。

社内報でエンゲージメントについて情報発信。メンバーによる事例紹介も

ーアンバサダーの取り組みの一環として、社内報の制作も行っているそうですが、それについて教えていただけますか?

山田:年に2回発行している社内報では、経営層による経営方針の発表などの堅い内容だけでなく、社員のプライベート情報などポップな内容も盛り込んでいます。そこに、新たにエンゲージメントについて紹介する企画を2ページ分追加しました。

ー既にあった社内報を活用しているんですね。具体的な内容は?

山田:まだ1号分を出しただけなのですが、サーベイを導入したばかりのタイミングだったので、エンゲージメントという言葉を浸透させる目的で、モチベーションと従業員満足度とエンゲージメントの違いについて、図で解説するようなコンテンツを作りました。

また、梅田店のスタッフの取り組みがエンゲージメント向上に繋がりそうだという情報があったので、私がヒアリングして、インタビュー記事にまとめました。自分のチームのメンバーとの関わり方についての話や、1on1に対する姿勢などが紹介できて良かったなと思っています。

ー反応はいかがでしたか?

山田:「こういう1on1だったら自分もやってもらいたい」といった声が聞こえてきたりして、興味を持ったり、考えるきっかけになったようです。また、ヒアリングしたスタッフやその店舗の店長がすごく喜んでくれたので、紹介して良かったなと思いました。社内報の目的の1つが活躍する社員を紹介することなので、そこもうまく絡めて今後もいろんな取り組みを続けていきたいですね。

ー自分の取り組みを紹介してほしい、なんて声が増えると理想的ですよね。

山田:既にアンバサダーからも次に取り上げたい人の候補が上がってきたりしていて、次に繋がっていきそうです。直接的にこれでエンゲージメントが高まるかというとそれは別かもしれませんが、社内のメンバーを理解することに繋がったり、社員の熱量をうまく伝えていける場にできたら理想的だなと思っています。また、エンゲージメント向上のための取り組みについてノウハウを紹介したり、何かヒントが得られる場にできれば、何かしらの行動変容にも繋がるかもしれないと考えています。

同じ思いを持つメンバーが繋がっていく1つのきっかけに

ー最後になりますが、それぞれの「組織づくりへの意気込み」について聞かせてください!

永田:wevoxを始めてから個人的に感じたのは、「すぐには変わらないんだな」ということです。実は社内には「そもそもエンゲージメントを上げる意味ってあるの?」とか「関係性を高めることがなぜ必要なのか理解できない」といった声もまだまだあることはあるんです。となると、やっぱり人事だけだとくじける可能性はあると思います。だからこそ、経営やアンバサダーを絡めて、一緒にやっていくことがすごく重要だと感じています。

 なおかつ、たとえすぐに変わらなくても、「諦めずにやり続けることが、将来的に組織が良くなることに繋がるはずだ」と信じてやっていくことが、何より大事なのかなと思っています。

ーすぐに結果を求めすぎない、ということですね。

永田:そのときに忘れてはいけないのは、エンゲージメントが高くても、生産性や業績が低ければ全く意味がないということです。そこにちゃんと繋がるように意識して、やり続けることだと思います。

山田:プロジェクトが発足し、私たちもアンバサダーたちもすごく悩みながら走っている状況です。ただ、そうやって自分で考えながら動いているアンバサダーの姿を通じて、管轄している部署の中からでも共感する人が増えていくと、組織としてもっと強くなるはずです。

弊社の経営理念の1つに「公正で明るく生きがいのある職場をつくります。」というものがあります。生きがいは一人ずつ違いますが、それをみんなで考えていくきっかけになればいいなと思っています。

塚原:既存の組織図にとらわれない自由な動きが出てきたという話は先ほどしましたが、まだまだおしゃべりレベルに留まっています。そこで生まれたことが業務に活かせるようになったり、もっと広く繋がっていったらいいなと思いますね。今までは直属の上司に相談して進めていくという感じだったものを、自分と同じ思いを持っていそうなメンバーを自分で見つけて、チームを作って企画を進めていく…なんていうことになったらすごく理想的ですね。

今はそうした主体性の火が灯り始めたところなので、ぜひ経営や日々の業務の中に見出せるといいと思いますし、そのためにも頑張っていきたいと思っています。

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