(株)コルクが実践! wevox起点の「振り返り会」で築く“応援したくなる”組織カルチャー

実践的な組織づくりやエンゲージメントプラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回は、「物語の力で、一人一人の世界を変える」をミッションに、インターネット時代のエンターテイメントのモデル構築に力を入れる、クリエイターエージェンシー・株式会社コルクのケースを紹介します。従業員だけでなく所属クリエイターにもwevoxを実施している同社に、独自の振り返り施策や、チームビルディングのための役立て方などを伺いました。

wevoxは、コミュニケーションの量を増やせるツールである

―コルクでは、社員だけでなく、所属しているクリエイターの方々にもwevoxを導入していただいています。まずは導入の背景について教えていただけますか?

導入前の課題感として、組織全体に活気があまり感じられなかったんです。業績についても頭打ちで、収益も伸びていませんでした。毎月実施していたストレス診断でもスコアが高く出る人が多く、これは組織の状態があまり良くないんじゃないかと。

そうだとすると、今の組織の健康状態をしっかり定点観測して、改善のための手立てを考えていく必要があるよねと、経営層の中でも危機感が出始めていたんです。

―組織の健康診断の方法を探す過程で、wevoxに興味を持っていただいたと。

そうですね。ツールを導入するにあたって最も重視したのが、「起きていることに対してチームで議論できる状態をつくれるか」でした。コルクが一番大事にしているのはコミュニケーションの量を増やすことであり、経営が上から目線で運用するようなツールはコルクの思想や文化とフィットしません。その点で、wevoxはとてもフィット感がありました。

もうひとつ、CEOの佐渡島がティール的な組織に興味を持っていたのもあります。アトラエ代表の新居さんの考えや目指している未来に共感していたんです。

―ありがとうございます。実際の使い勝手はどうでしたか?

パッと見てわかりやすいから、話がしやすいですよね。組織がお金にならないことを継続しようとしたとき、一番大事なのは「わかりやすさ」だと思うのですが、wevoxのUIのわかりやすさ、使いやすさはとても良かった。

正直なところ、いくつかの設問についてはどの企業にも当てはまるような抽象的なものもあるのですが、そこを差し引いても、答えやすさがありますよね。設問数は32個でちょうどいいですし、設問の表現を微調整できる融通の利きの良さにも助けられています。当社では所属クリエイターにもwevoxを受診してもらっていますが、彼らには「上司」という概念がないので、そういう文言だとわかりにくくなってしまう。wevoxだと例えばそれを「エージェント」などに変更できるので、助かっています。

―クリエイターについてはどういった経緯で導入されたのでしょうか?

一般的に、クリエイターには「一人で作品を生み出す職業」というイメージがあると思うのですが、当社では「クリエイティブはチーム戦」を標榜しています。

映画「トイ・ストーリー」シリーズなどを手掛けるピクサーのように、例えば脚本を作る人がいたり、絵を描く人がいたり、ビジネスプロデュースする人がいたり。総合的にチームとして世の中に打ち出したものが作品であるという意図を込めて、当社ではマンガ家・編集者のチームを「コルクスタジオ」と呼んでいます。そのときに、大事になってくるのがクリエイター同士のチームビルディングなんです。

クリエイターのチーミングを促す議論のネタとして、またチームの状態をモニタリングするツールとしてwevoxは大いに活用できるのではないかと考え、導入を決定しました。

(株式会社コルク コーポレートサイトから抜粋)

「経営意図が伝わっていない」ことに気付けた大きさ

―導入した効果や、率直な感想について教えてください。

社員側でいうと、チームによる効果実感の差は一定あるという前提ですが、一言で「やって良かったね」とCEOの佐渡島ともよく話しています。

一番良かったのは、想像以上に組織状態を可視化できたこと。「なんとなく雰囲気が悪い」のような、一括りにふわっと表現してしまっていた組織課題に対し、問題点の解像度が明確に上がり、改善に向けた打ち手を考えやすくなりました。

例えば、成果に対する「承認」や「評価」のスコアが低かったので、人事制度をしっかり設計しにいきました。

それと、お恥ずかしい話ですが「経営陣への信頼」のスコアも低かったんです。その要因について社員と議論したら、「情報が開示されていない」とか、「経営陣の中でも役員によって言っていることが違う」といった課題感が浮き彫りになってきたんです。そこから、中長期の会社のビジョンを明確に発信したり、経営会議の内容を社員に共有する場を設計しました。

―そうしたことで、スコアはちゃんと上がったと。

はい。「給与」の納得感も、最初は「これは構造上、絶対に低いスコアになるものなんだな」と思っていたくらいすごく低かったんです。

―(笑)

ですが、人事制度を設計し、評価、フィードバックをしっかりするようにして、どのような評価に基づいて給与を決定していくかを全社員に説明した上で運用を開始したら、一気にスコアが20くらい上がったんです(笑)。「設計も伝え方も悪かったんだな」って思いました。

―共有の仕方も1つのポイントだということでしょうか。

その通りだと思います。診断を受け『させられた』となると一気にやらされ感が出ますし、それでは意味がない。導入時には、wevoxが何をするためのものなのかを丁寧に話すようにしました。

また、アトラエの担当者の方にファシリテーションのノウハウを教えて頂いたこともポイントだったかなと。議論をリードする方法論を理解した社内ファシリテーターのいるチームといないチームとでは、導入の意図の浸透度合いや運用状況に差が出ているように感じます。

―「何のために実施するか」の理解度と、スコアの変動やアクションの多さは比例している、と。

まさに。自分のチームの状態に関心が高まっているチームでは、メンバーから自発的にミーティングを増やそうという動きが出てきています。行動量の増加に伴い、アウトプットも明確に増えています。

―ちなみに、クリエイター側の効果や打ち手については?

自らの健康状態に対して、クリエイターが自覚的になれるようになったのが大きいですね。得てして徹夜作業をしがちなので、改善するためには、一度ちゃんと寝たほうがいいのかとか、アシスタントを入れるとか、仕事量を調整したほうがいいのか、チームで支えるとしたらどのようなやり方があるのかとか、クリエイターが継続的に創作活動に打ち込めるような打ち手を考えやすくなっています。

wevoxは「通信簿」? それとも「健康診断」?

―先ほど話に出た人事制度の改定や経営側の情報発信以外に、施策があれば教えてください。

wevoxの導入をきっかけに生まれた月に1回の「振り返り会」が面白いんです。

wevoxのスコアをもとに、月内で会社・チームに「起きたこと」「感じたこと」「気づいたこと」を議論し、次月に向けてスコアの改善にトライする項目と改善に向けた取り組みを決める会なのですが、議論の仕方が面白くて。

例えば7人のチームなら、4人と3人の2チームに分かれて、まずは4人が前月のスコアと見比べながら、今月「起きたこと」「感じたこと」「気づいたこと」をカジュアルに議論します。残った3人は、その議論を聞きながらzoomでチャットする。話していることをメモするだけでなく、自分たちが気づいたこともチャット上で発信していく。

その後、4人の議論を受けて、残った3人が次月に向けた具体的なアクションについて議論するのですが、その時も同じく、その様子を最初の4人がチャットするんです。そういうことをずっとやっていますね。

―すごく面白いやり方ですね。

ポイントは、議論しているときに、話している当事者もチャットを見ながらディスカッションするところ。つまり、自分がその場で話していることをメタ認知しながら議論できるようになるんです。認知が変われば物事の捉え方も変わるので、出てくる意見やアクションも面白いものになることが多いですね。

また、「振り返り会」で議論されたことをまとめて、各チームの状況を経営層で共有・議論するための場も設けています。wevoxのスコアの共有だけでなく、課題や改善のためのアクション、アクションの結果などをチーム別に共有するんです。

これにより、管掌外のチームの健康状態を具体的に把握できるようになりました。数字によって可視化されることで、曖昧になっていた組織状態の把握が進み、各々のチームがどのような状況にあり、全社として何にどのような手を打たなければならないのか、議論が活性化しました。人事制度の再設計もこれをきっかけに進んだんです。

―組織間の情報共有にも繋がっていそうですね。

そこにも効果が出始めています。例えば相対的にスコアが高いチームのメンバーが、低いチームのミーティングに入ってファシリテーションをしたり、組織横断的な連携、活性化にも繋がっていると感じます。

―チームビルディングにも役立てていると伺いましたが。

はい。おかげさまで(笑)。

CEOの佐渡島が、企業文化の醸成を企図した全社員向けのワークショップを四半期毎に実施しているのですが、その内容を考えるときにwevoxのスコアを参考にしています。

例えば「やりがい」のスコアが低いところから、「なんでやりがいが低いのか?」「やらされ仕事だからか?」「なんでやらされ仕事になっているのか?」「やらされ仕事じゃないものってどんな仕事だ?」「自分の出番だと思える仕事であれば、やらされ仕事じゃなくて追う仕事になるのではないか?」といった仮説展開から、社員同士の強みや弱みについて把握するためのディスカッションを仕掛けよう、というようにワークショップのテーマを設計したことがありました。

ワークショップの内容の設計をwevox起点で行えるのも、毎月全社員で実施して、そのフィードバックもきちんとやっているからこそだと思います。組織を把握する共通言語ができつつあるのかなと。

―wevoxを実施するにあたり、「いかに現場を巻き込むか」で苦労している企業も多いと聞きますが、そこについてはどうでしょうか?

wevoxが何を目的として導入・運用されているのか、その理解度の問題じゃないかなと思います。チームのその時点での調子の良し悪しを判断する「通信簿」として捉えるのか、課題を見つけて対応・改善するための「健康診断」として捉えるのか。そういう説明をしっかりすることが肝要かなと。

―つまり、現場に意図がうまく伝わってさえいれば、巻き込んでいけると。

そう思います。そもそもwevoxは、こちらからメンバーを巻き込みにいくとうまくいかない仕組みだと思いますね。社員自らがやることの意味を感じるようにするために、いかに「ついやってしまう/組織について話してしまう」動線を設計できるか、そこが重要ではないでしょうか。

カルチャーフィットしている人を可視化できる

―組織づくりにおいて、エンゲージメントに着目することのメリットについてはどうお考えでしょうか?

文化醸成を組織づくりの一丁目一番地に据える企業にとって、カルチャーフィットの状況を可視化するためのエンゲージメントの測定は、とても意味のあることだと考えています。

当社のバリューは、「やりすぎる、さらけだす、まきこむ」なんですが、これを体現している人たちが集まっていて、それが文化として根付き、さらにそういう人たちと一緒に働くことに居心地の良さを感じる人が集まる会社を目指しています。つまり、カルチャーフィットを採用活動、ひいては経営の土台に置いている。評価制度上も、行動指針の体現度合いを重視することを明確に打ち出しました。

(株式会社コルク コーポレートサイトから抜粋)

―カルチャーフィットを大事にするからこそ、そこが可視化できることが重要だということですね。

その通りです。その時に、もしスコアが低ければ手を打てるのが、あらためてwevoxの良さだと思っています。「企業文化の定着状況の健康診断」として活用できる。

実際、給与制度も評価制度もwevoxを始めてからテコ入れしましたが、打ち手に対する仮説検証は繰り返し続いていくもので、時代や状況に応じてアプローチの仕方も変えていく必要があると思っています。直近で次にどのような打ち手を打つかはまだ決まっていませんが、とにかくPDCAを回し続けるスタンスは変わらず持ち続けていたいですね。

―ありがとうございました。では最後に、長谷川さんが理想とする組織像について教えてもらえますか?

難しい質問ですが、理想像としてイメージしている組織は2つあります。

1つは、腕利きの仕事人が集まってフレキシブルにチームを組成し、自分たちの行動指針や理念を体現し続けて、結果を出すことにこだわり続ける組織。これは可変的であるがゆえにいつの時代も強いですし、多種多様なメンバーと働かなくてはいけないのでチーミングにもこだわらないといけない。私が以前働いていたボストン・コンサルティング・グループ(BCG)がそういう雰囲気の組織だったので、コルクのあり方としても参考にしている部分はあります。

もう1つは、アメフトをしていた人はご存知かもしれませんが、「GANGSTERS(ギャングスターズ)」という京都大学のアメリカンフットボール部です。そこの出身者で芯がぶれている人に私は出会ったことがないんですよ。

―国公立大学のチームですよね。

そうなんです。スポーツ推薦をとりまくっている強豪私立大学と伍して戦わないといけなくて、でもその中で日本一になったりもしています。己と向き合い、己と戦って、その結果、他の私立大学を打ち破り、または敗北し、その過程を通じて自己と他者を取り巻く関係性や世の中への眼差し、ひいては世界を変容し得る、みたいなマインドセットなんですよ。どういうことやねんと。全員戦闘力が高いし、強くて固い信念を持って生きている。それでいて、全体最適みたいな哲学で動いていたりして、すごく本質的でもあるんです。もはや憧れしかない。

どちらにも言えるのは、組織の持っているカルチャーの強さ。「そこに所属している人はそういうふうに振る舞ってしまう」みたいなところがある組織はカッコイイと思いますね。

当社の「やりすぎる、さらけだす、まきこむ」というバリューも、カルチャーをあらわす言葉としてすごくいいなと思っているんです。なぜなら全てが能動的だから。「彼/彼女ってやりすぎているし、さらけ出しすぎていて、だから応援したくなるよね」なんていわれるようなまきこみ方もあると思っていて。コルクで働く人がそんな匂いを纏うようになると、もっといい組織になるんじゃないかと思っています。

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