今の仕事に満足できず、未知なる職種へ就いてみたい…。そうは思いつつも、なかなか最初の1歩を踏み出せない人は多いはず。そんな”勇気ある1歩”を踏み出し、新たなキャリアを歩み始めた人たちが集まるチームが存在します。
そのチームとはサロン事業やデザイン・制作事業などを手がける、株式会社ネクストリンクでクリエイティブ業務を担うCS(クリエイティブソリューション)事業部。
新たなキャリアとしてクリエイティブ職を選択した人たちがどのように働き、成長し、そして組織づくりを行おうとしているのか? 5人のメンバーに集まっていただきお話を伺いました。
「人柄」重視で採用を行った結果のメンバー構成
― 本日のメンバーは異業種から転職をしてWebディレクター/デザイナーとなった人ばかりと聞いています。まずはそれぞれの経歴を教えてください。
(西村)CS事業部の事業責任者を務めながら、ディレクション業務やデザイン、コーディングなど幅広く携わっている西村です。前職はアパレル業界で店舗商品管理や直営店営業をやっていました。ネクストリンクには2017年5月に入社し、1年ちょっと経ってます。
CS事業部には2つの役割があります。1つは、ネクストリンクが運営する美容系サロンのWebページ制作や商品デザインなどを行うインハウスデザイン。もう1つが、企業から依頼を受けてWeb制作を行う、制作業務です。
(清水)デザイン、コーディングを行っている清水です。私は前職でもデザインを仕事にしていましたが、チラシやポスターなどの紙媒体だけをやっていました。Webデザインやコーディングを行うのはネクストリンクに入ってから初めてです。入社して1年ぐらいになります。
(丸山)ネクストリンクが運営するサロンの広告運用や制作ディレクション、コーディングなどを行っている丸山です。前職は美容関係の会社で営業事務やセミナー運営などをしていました。
(野口)Webディレクターの野口です。ディレクションを中心にデザイン、コーディング業務も行っています。前職は商社で営業事務をしていました。
(比島)Webディレクターの比島です。野口さん同様、デザインやコーディング、ディレクション業務を行っており、ネクストリンクに入る前は福井県の製造関係の会社で営業をしていました。
(西村)丸山さん、野口さん、比島さんはここ半年の間にネクストリンクに入社した新メンバーになります。
― 本当にみなさん、バラバラな経歴ですね。
(西村)他にもあと2人、Webデザインの経験者としてネクストリンクに入社したメンバーがいます。合計7人のうち、5人がWeb制作未経験で入社したということになります。
― どうして、未経験者ばかりを採用したのでしょうか?
(野口)私も気になってました(笑)。
(西村)未経験者を採用しよう、としたのではないんですよ。採用する上で最も重視しているのが「人柄」で、ネクストリンクのカルチャーとビジョンに合いそうな人を採用した結果が今のチームメンバーなんです。スキルは後から付いてくるという考え方です。
(丸山)そうだったんですね。
(西村)うん。でも、私も未経験から転職して経験を積んでいった身なので、新たなキャリアに挑戦しようとする人を応援したいという気持ちは少なからずありました。

― みなさんはどうしてWebディレクター/デザイナーとして、新たなキャリアを選んだのでしょうか?
(清水)私はもともとデザイナーでしたが、紙媒体のデザインしか経験がありませんでした。Webデザインも経験し、よりスキルの幅を広げたいと思い、ネクストリンクに入社しました。
(丸山)自分が作ったものを形にしたいという思いが強く、小さい頃からクリエイティブには興味があったんです。小学生の頃にWebサイトを作ったりもしていたんですけど、就職活動の頃は全く触れていなかったので、別の職種で就職しました。それでも、やっぱり自分で何かを作りたい、という気持ちが捨てきれずにデザインスクールに通い、ネクストリンクに入社しました。
(比島)私も、実は同じデザインスクール出身です。けど、丸山さんよりも全然年が上ですし、福井県から上京してまるっきり違う職業に転職したのでより特殊なケースだと思います。
(丸山)どうして、会社を辞めて上京してまでWeb制作の仕事に就きたかったんですか?
(比島)なんか、また面接してるみたい…(笑)。私は今32歳なのですが、30歳を超えたあたりから別の仕事も挑戦したいという気持ちが芽生えてきたんです。ずっと同じ会社で働いていましたから。それで、スクールに通い始めてネクストリンクに入社したんです。運良く、就職活動の一発目で内定をいただきました。
(野口)え!そうなの? 私はたくさん受けたけど全然内定が出なくて。もう最後の最後だ、と思って受けたのがネクストリンクだったんです。だから採用していただいて、すごく感謝しています。私も業界未経験での転職だったので、すごく苦労したんですよ。
(西村)比島さんにはもうちょっと苦労してもらった方が良かったかなぁ(笑)。
(比島)いや、それはまあ…(笑)。
(野口)私は前職が事務職だったので、頑張っても給料もさほど変わりませんし、役職も付かない。頑張った分の評価がされないという環境から抜け出したいという思いが強かったです。商社で、何万点もの商品を全部覚えて電話対応をスムーズに行ったりと頑張っていたんですけど、そうした努力に対して評価が全然ついてこなかった。
クリエイティブな世界ならやった分だけ評価されると考えて、この職種を選びました。Web業界はここ10年で大きく環境が変わっていますが、そうした変化の大きい業界に身をおけば常に勉強し続けられるし、成長も続けられるとも考えました。
(西村)私はアパレル業界に10年近くいたのですが、途中から在庫を抱える仕事はもうやりたくないな思い始めたんですね。その思いが強くなったのが32歳あたり。別の業界に移るなら今がラストチャンスだ、と思い転職活動をして縁あってネクストリンクに入社しました。私もなかなか内定が出ない時期はありましたよ。
(丸山)私は20代ですが、若すぎると若すぎるで、なかなか内定をもらえないんですよね。この若さで別の業界に移ろうとしていると「すぐ辞めちゃうんじゃないか」って色眼鏡で見られることが多かったです。

「成長しかない」毎日
― みなさん、さまざまな背景を持ちながら「異業種への転職」という勇気ある1歩を踏み出し、今ここに集まっているんですね。未経験者が多いという中で、どのように成長支援を行っているのかが気になります。そもそも西村さん自身も未経験で転職して、今は事業部責任者ということで、どのようにスキルアップをしていったのでしょうか?
(西村)私が入社したときはWeb制作経験が豊富な人が何人かいて彼らからいろいろと学ぶことができました。クリエイティブの仕事って、案件を通して本当に多くのことを学べるんですよ。1つのWebページ制作を経験するだけでも、かなりスキルアップできる。特に最初の半年ぐらいで一気に成長したという実感がありました。
― 何よりも仕事を通して成長していったということですね。
(西村)そうした自分自身の経験がありましたし、ネクストリンクには「失敗も認める」文化がある。だから、未経験者とはいえ最初から案件を割り振って担当してもらっています。それが、何よりの成長支援。
(野口)私は入社していきなり「会社のブログを作って」と仕事を振られました。「え?いきなり?」って思いましたよ(笑)。つい最近まで事務職をやっていたOLだったのに。
でも、任せられたらやる気も出ますし、自分で必死に調べたり、人に聞いたりしながら作りました。今は大型プロジェクトに丸山さんと2人で取り組んでいますが、本当に毎日成長を実感できています。まさにスポンジ状態。
(丸山)研修をやってからとか、まずはアシスタント業務から、というステップがなくいきなり案件を割り振られたのは驚きました。だけど、成長という意味ではそうやって案件と向き合いながら学んでいくのが一番早いというのは実感しています。
(西村)面白いことに、比島さん、野口さん、丸山さんはそれぞれ1カ月違いで入社しているのですが、それでもスキルや知識には大きな差があるんですね。入社前の個々の能力は同程度だったはずなんです。1カ月でも案件ベースで経験を積むことの貴重さを改めて感じています。
(清水)インハウスデザイナーでもあるので、自社事業に関わるクリエイティブでチャレンジができるのも成長機会という意味では大きいです。ネクストリンクは、自社で商品開発も行っているので、パッケージデザインやPR用のWebページ制作で良い経験を積むことができました。
― 困ることも多々発生すると思います。困難時にはみなさんどのように対処しているのでしょうか?
(比島)まずは自分で調べるようにしています。それでも解決できなければ、まずは経験値が近いメンバーに聞いて、一緒に解決策を探る。分からなければ経験が豊富なメンバーに聞く。そういうステップは意識しています。
(西村)経験が同じぐらいの人たちで解決策を考えるのもすごくいい成長機会です。だから、一旦はまず自分たちで考えてもらうようにはしていますね。それから、過去の制作物からヒントを得ることも多いので、つい最近過去の制作物にすぐアクセスできるようにデータを整理し直しました。
(丸山)あれは便利ですね。過去の制作物はノウハウの宝庫だったりするので。
(野口)この前、勉強会も初めて行いましたよね。制作会社がたくさんある中でどうやって違いを生み出すのか外部講師を招いて教わったり、デザインやコーディングの共通ルールを確認したり、とても有意義でした。
(西村)新しく入った人たちの共通認識を深めるための勉強会でした。みんなの評判も良かったので、これから定期的に行おうと思っています。

リスクヘッジも考えた上での「なんとかなる」
― そうした仕組みづくりも、今まさに取り組んでいるんですね。
(西村)そうですね。コーディング後の品質チェックシートも野口さんにお願いして作ってもらっています。経験が浅い人が作った方が、どこでミスが発生しやすいかを素直に考えてくれますから。
あとは、デザインに関するガイドラインも作っていこうと考えています。デザインに対するフィードバックってどうしても感覚的になりがちなんですが、それだとチームとしてのナレッジが溜まっていかない。もう少しロジカルに、デザインに対する考え方やベースとなるルールをまとめたいんです。
(清水)西村さんのデザインに関するフィードバックは論理的でいつも納得できます。ただ「罫線を取って」と言うんじゃなくて「これこれこういうデザイン設計だから、この罫線はいらないよね」っていう言い方をしてくれるんです。
(西村)フィードバックの仕方は意識していますね。そうしたやり取りの一つひとつから学ぶことがあるはずなので。
― 同じように異業種からWeb制作の世界に飛び込んだ西村さんがリーダーだということが、このチームにとっては大きいですよね。
(丸山)安心感はありますね。異業種からきた人の気持ちもよく分かってくれています。
(比島)私が言うのもなんですが、未経験者が多いチームを率いる不安はないんですか?
(西村)やっぱり、自分自身が異業種からきて、なんとかなったのでその自信は大きい。それに、みんなこの仕事に対する強い思いを持っていますし、自主的に動いてくれる人ばかりですから。
困ったときは、まずメンバー間で解決し合うと話しましたが、それはこのメンバーが「自分でなんとかしたい」というメンタルを持っているのも大きいです。「未経験だから手取り足取り教えてください」という考えの人ばかりだったら、多分うまく機能しない。
(野口)自分でなんとかしたい、というのは本当に毎日思いますね。そして、結果的にはなんとかなっている。西村さんは「なんとかなる」ってよく言いますよね。
(西村)本当に、なんとかなるんですよ。もちろん任せてて、どうしてもうまくいかないときは自分が巻き取るようにはしています。その見極めは重要で、そのためにもコミュニケーションは密に取っています。リスクヘッジも考えた上での「なんとかなる」なんです。
― 心強いリーダーですね。最後に、これからのみなさんの目標を教えてください。
(比島)まずは、Webディレクターとして1から10まで全工程をつつがなく回せるようになりたいです。その上で、オウンドメディアを作ってみたいですね。
(野口)私もWeb制作のスキルやディレクターとしてのスキルを伸ばしていきたい。同時にチーム作りにも積極的に関わっていきたいですね。先ほどのチェックシート制作もそうですし、今の良い雰囲気のチームを継続できるようにしていきたいです。
(丸山)私は今は社内制作物が中心ですが、いずれはクライアントの広告案件などにも挑戦していきたいです。あれもこれもやっていきたいという気持ちでいっぱいですね。
(清水)これからもクライアントが喜ぶデザインであったりコーディングができるように、楽しみながらスキルアップしていきたいです。
(西村)私は事業部責任者なので、当然売り上げは意識しています。このメンバーをうまく機能させて、売り上げに結びつけていきたい。今のメンバーでしっかりと土台を作って、どこかでエンジンをかけて、チームとして一気に成長をしていきたいです。そのために、これからも組織づくりに注力していきます。
― 異業種に飛び込んだ人たちがどのような思いで、どのように働いているのか、とても貴重な話を聞けました。未経験者をベースとした組織づくりを考えているマネージャーにとっては、とても参考になるお話だと思います。本日はありがとうございました。
