INTERVIEWEE

株式会社インタースペース 人事総務部 人事グループ マネージャー 小林剛士氏

ブライダル業界にてウェディングプランナーを経験後、大手ECモール運営企業で新規出店コンサルに従事。その後、知人の独立を補佐した後に株式会社インタースペースにて人事中途採用担当として入社。現在、人事グループのマネージャーとしてグループマネジメント及び階層別研修、組織改善等を行う。

エンゲージメントが高いチーム(※)の秘訣を探る、DIO STORY。今回は、インターネット広告事業を手がける株式会社インタースペースの人事グループマネージャー小林剛士さんにお話をお伺いしてきました。

※ エンゲージメント計測サーベイwevox(ウィボックス)にて測られたエンゲージメントスコアが81点以上(100点満点)のチーム。(wevoxにて計測されたエンゲージメントスコアの上位1%に当たる。)

「人事になるために、インタースペースに転職した」という小林さんは人一倍”人事の仕事”に対して熱い思いを抱いています。そんな小林さんは2017年4月に人事グループのマネージャーに就いて以来、人事メンバーを増やしたり、新たな取り組みを次々とスタートさせたりと、グループの革新に挑んでいます。その狙いや具体的な取り組み、そして人事職にとっての働きがいや成長などを伺いました。

どうしても、人事になりたかった

– 小林さんは、人事職に就くためにインタースペースへ転職されたと伺いましたが、本当でしょうか?

はい、その通りです。以前はウエディング関係の仕事をしたり、大手ECモール運営企業で営業をしたりといろいろな職種を経験していました。その後、知人の起業の補佐をしていたのですが、「人事」という仕事に就きたいという想いはずっとありました。

– 人事職のどこに魅力を感じていたのでしょうか?

「人や組織の成長」に関われる、ということです。大手ECモール運営企業で営業職をしていたときに部下を持ち、人材を活かすための育成の大事さに気づいたんですね。それで、会社に「人事をやらせてほしい」という話もしていたのですが、なかなか通りませんでした。その後も、人事として働きたいという気持ちを捨てきれずにいたところ、いろいろなタイミングが重なり、インタースペースが人事として採用してくれるということで、入社しました。

– なるほど。そして、昨年の2017年4月にマネージャーに就任。マネージャーに就いてからはどのようなことを行ったのでしょうか?

まず人事の増員です。会社がさらに強く大きく成長していくために必要だとされる新たな取り組みを実行していくには、現状の人数では限界がありました。会社に対して、やりたい取り組みとそれに伴う必要人員数を提案した結果、1年間で倍近い人数となりました。

– 人事部門がそれだけ短期間で規模を大きくするのも珍しいですね。始めたいと考えていた、新たな取り組みとは何でしょうか?

インタースペースは今年で設立から19年目です。会社が成長していく中で社員数も増えました。結果、マネジメントラインの人数も増えてきたのでマネージャーの成長を支援する取り組みをしたいと考えていました。また階層別研修や入社後のフォロー体制の強化、社員の交流促進や福利厚生の見直しなど色々と進めたいと思っていることがありました。

– そうした取り組みを人事グループが率先してやっていくと。そのためには人数が必要だったということですね。

はい、その通りです。そのために仲間が必要でした。いろいろな幸運も重なり順調にメンバーは増えていきました。ただ、人数が増えてきたことで、人事グループ内で考え方のバラつきが出てきたんですね。このままだと、各々バラバラな方向を向いてしまいグループとしての推進力が失われてしまう恐れがありました。そこで、私がマネージャーに就任して3カ月ほど経った夏に合宿を行いました。合宿と言っても会社のすぐ近くの会議室を借りて丸二日ずっと議論をするというものです。そこで人事グループとしてのあり方を全員でディスカッションしてミッションと行動指針の策定を行いました。

独自のミッションと行動指針で一丸に

– 人事グループ独自のミッションと行動指針ですか。 それもまた珍しいですね。

人事の仕事は定量的な目標を掲げるのって難しいんですよね。「業界No.1の人事」と言ったところで、よくわからないですし(笑)。ですので、目指し続けるあるべき姿としてミッションを決めて、それを達成するための行動指針を考えようと、合宿中にみんなで意見を出し合いながら決めていきました。

「人事とは誰に何の価値を提供する存在なのか?」「プロフェッショナルとしてどういったことをすべきか?」といったものを紙に書いて、みんなで発表したんですね。「遠慮はしない」ということを合宿の約束事にして、みんなで積極的に意見を出し合いました。

– 「ひとり・組織のWINのために」というのがミッションですね。インタースペースの企業理念である「Win-Winをつくり、未来をつくる。」にも通じています。

やはりインタースペースの人事ですので、企業理念を実現する人事としてのミッションという前提で考えていました。あとは、言葉1つ1つにきちんと意味と想いを込める為に議論を重ねました。文字は漢字にするのか、中黒(・)を入れるのか、とかかなりディティールまでこだわって作りました。行動指針は、「挨拶をしよう」とか一見すると当たり前のことも多いんですけどね(笑)。でもこれは実はとても大事なことで、挨拶をしない人に対して注意をするとしても、挨拶をすることが良いことという行動指針が無いと、その人の価値観を相手に押し付けているという状態になってしまいます。つまり「挨拶をすることが大事ということが、人事グループの行動指針の1つである」と認識していることが大事なんです。

さらに、その合宿ではミッションを達成するための具体的な施策についてもアイデアを出し合いました。最初は数を出し合って、その中で優先度や実現可能性などを考えて絞り、最終的に10前後のプロジェクトが決まりました。

– 10前後とはすごい数ですね。具体的にはどういう施策なのでしょうか?

wevoxを導入したこともその1つですし、マネージャー研修や社員交流のためのシャッフルランチも始めました。それから、女性が活躍の場を広げることを目的とした「WISH」というプロジェクトや、入社後3年目までの若手社員向けのキャリアレクチャー、中途採用者向けのフォローアップ、ジョブローテーションに関する施策など…。ここでは語りきれないぐらい、いろいろな施策を走らせています。大事にしたことは、メンバー全員が何かのプロジェクトリーダーとなっていることです。(※合宿参加時点のメンバー)そうすることで、全員が主体者として責任を持って行動することができます。また主業務の枠を超えて領域を広げることで、人事としての対応領域を広げてほしいという想いがありました。

人事職にとっての働きがい、成長を感じるために

– 全員がプロジェクトリーダーなんですね。確かに人事職といっても採用担当や労務担当というように限定されているのはよく聞きますね。

人事職は人数が多くなってくると、生産性の観点から単一の業務のスペシャリストになることを求められるケースが多く、採用担当はずっと採用だけということはよくあります。私が考える人事は、主業務が何であれ「組織と社員それぞれの状況を把握して、実現すべき未来のために今何を実行すべきなのかを枠を超えて考え、実行に移せる人」だと考えています。また、それが人事の存在価値だとも思っています。だから、メンバーにはどういった形で仕事の幅を広げてもらおうか、と考えていたんです。その1つの方法として、全員にプロジェクトリーダーとなってもらいました。

– 人事職は成長も感じづらいという声もよく聞きます。

人事の仕事の成果は定量的に表せるものが少なく、あるとしても日々結果として現れるものではありません。特に、新卒採用の担当者は1年に1回だけしか仕事の成果が出ないので、成長を実感しづらいです。ですが、実はきちんと確認していけば、人事も日々成長しているということを実感出来ます。

私は毎月メンバーと1on1ミーティングを実施するのですが、半期の初めにこの期間に成し遂げる目標を話しながら決め、その目標に対する進捗を毎月聞くようにしました。この1カ月で行動できたこと、学んだことなどを都度振り返ることで成長を感じることができます。それは小さな成長かもしれませんが、実感することで自信につながり、次の1カ月間をさらに自発的に行動できるようになります。それを繰り返していくと半年、1年経過する度に大きな成長へと変わっていくのです。

– かなり具体的な行動について目標にしているのですね。

資格を取りたい、とか、会社のことをもっと知りたい、とかさまざまです。いずれも、「自分が実現したい未来のために今すべきこと」を目標にしてもらっています。もちろん、何でも良いというわけではなく、人事としてのミッションに沿った範囲の中でです。そうすることで達成意欲も高まりますし、日々の仕事にも前向きに取り組めます。社員や会社にとってメリットになると思えば、私も全力で応援ができます。

– そうした評価制度は人事グループ独自のものなのでしょうか?

目標設定そのものは既存の評価制度としてありますが、それを毎月1on1で実施して活用するというのは独自かと思います。他のグループでも実施している所が増えてきているので全体に浸透させていきたいですね。

アグレッシブでありつつも、配慮を忘れない

– お話をお伺いしているとかなり順調なように思えますが、苦労したことはありましたか?

いえいえ、そんなことはなく苦労したこともたくさんあります。これだけ一気に人が増えて、プロジェクトも動き出すと、コミュニケーションミスというものはどうしても出てきます。他部門に迷惑をかけることも多々あり、精進しなければならないと日々感じております。

– なるほど。決して華やかな活動ばかりではなく、地道な活動の積み重ねでもあると。

おっしゃる通りです。人事という仕事柄、他部署とのコミュニケーションは常に気を使わなければいけません。特に新しい取り組みを始めると、他部署の協力を仰ぐことも増えます。少しでも前向きに協力してもらえるよう依頼をするときは「どういうメリットがあるか」も、しっかりと伝えるようにしています。例えば、人事施策に必要なアンケートをお願いするときも要件だけ伝えて「よろしくお願いします」だけだと協力する気も出てこないですよね。「どういう意味があるアンケートなのか」までしっかり伝えるといった配慮を心掛けています。

– アグレシッブでありつつも、細やかな配慮も忘れない、ということですね。新たな取り組みが始まり、今年は重要な1年になりそうですね。

はい、ミッションを達成するために始めたプロジェクトが、しっかりと社員にとっても経営層にとっても、価値のあるものだと感じてもらえるように努めていきます。そして、人事グループだけでなく組織全体でのエンゲージメントに対する意識を高めていき、自ら会社に対して貢献する、ということが習慣化できるような1年にしていきたいですね。

– 人事グループをどのように大きくしていくのか、そして人事としての働きがいや成長など、非常に参考になるお話が聞けました。本日はありがとうございました。