サッカーから学んだ組織開発、新チーム発足から1年。若きリーダーの挑戦

エンゲージメントが高いチーム(※)の秘訣を探る、DIO STORY。今回は、ふるさと納税サイト「ふるなび」などを運営する株式会社アイモバイル事業企画本部の柳井さんにお話をお伺いしてきました。

レストラン開拓グループは、ふるなびが2016年7月からスタートした「ふるなびグルメポイント」に関わるメディア運営や提携飲食店の開拓などをメインに行っています。2017年4月にそれまで柳井さん1人だったチームに中途入社メンバーが3人と部署異動で1名が新たに加わり、一気に5人の営業チームになったそうです。そのタイミングで、アイモバイルでは初めてマネージャーに就いたという柳井さん。どのようにチームをまとめ、高いエンゲージメントを獲得しているのでしょうか?

※ エンゲージメント計測サーベイwevox(ウィボックス)にて測られたエンゲージメントスコアが81点以上(100点満点)のチーム。(wevoxにて計測されたエンゲージメントスコアの上位1%に当たる。)

会話を通して、まず人として仲良くなる。そしてメンバーの強みをいち早く活かす

ー 2016年7月にリリースされた「ふるなびグルメポイント」は、ふるさと納税サイト「ふるなび」と提携店舗のみで実施しているアイモバイル独自企画の返礼品です。寄附金額に応じて、提携レストランで使える「ポイント」がもらえるサービスで、柳井さんはサービス開始当初、サービスの営業などを1人で担当していました。

「『ふるなびグルメポイント』は、東京・名古屋・大阪を中心としたレストランで、地域の誇る高級食材を、有名店のプロが調理した最高の状態で楽しめるアイデアが好評を得て利用者を増やしていきました。よりサービスを拡大させるため、2017年4月に営業職3人を新たに中途採用し、他部署から異動してきた1名が加わり、レストラン開拓グループは5人のチームとなりました」

ー 同じタイミングで4名が新たに加わったレストラン開拓グループ。柳井さんは、当時30歳でした。最初に初めて仕事をするチームメンバーの個性を把握するために積極的なコミュニケーションを図ります。会話をするうえで特に意識していたのは「まず人として仲良くなること」と「メンバーの強みをいち早く活かすこと」でした。

「メンバーの採用面接から担当できたので、入社前にメンバーの良い部分はある程度感じていました。また、本部長とも話し、チーム全体のバランスを考えた採用を行いましたね。メンバー入社後に意識したのは、入社前や学生時代に何をやっていたか、仕事やプライベートも含めていろいろ会話をすること。お互いの人柄を把握することで、1人の人間としてまず仲良くなることを意識しています。理由は、会話ができる組織だと感じてほしいからです。

また各メンバーが強みを早く活かせるようなフォローも大事です。例えば、年齢の若いメンバーは「思春期にLINEやInstagramを活用していたいわゆる“SNSネイティブ世代”」だと僕は思っています。そのメンバーのうち1人のSNS活用法は、僕にとってすごく斬新で課題に感じていたことでもあったので、『どういう投稿が受けるのか』『周りはどんな手法でSNSの“いいね”をもらっているのか』など、質問攻めにして教わりました。こうした働きかけを通して、SNSを活用していた経験が仕事にも活きることを伝えましたね」

ー 人として、仲良くなり、強みを知る。そして、その強みを仕事に活かせるように、時には自ら教えを受ける。このように、メンバーが強みを活かすことは、組織へ早く馴染むことにもつながるそうです。

「自分の強みを活かし課題に対して良いアイデアを出してくれたことへの賞賛を重ねて、組織に馴染んでもらいたいと考えています。そうした経験を経てから、会社の歴史やカルチャーを理解していけばいいと思います。組織の文化や上司のやり方を押し付けるのは、強制感が出てしまって良くないですから」

ー 自分の強みを活かしてもらい、賞賛を重ねることで組織に馴染んでもらう。こうした強制感を出さないようにする取り組みは、「メンバーから意見を出しやすい雰囲気づくりにもつながる」と柳井さんは言います。

「最初に仕事のやり方や会社のルールに関することで強制的な言い方をしてしまうと、自発的に意見する気持ちを奪ってしまう可能性があります。悪い組織というのは、良いことも悪いことも個人が思っていることを言えない組織だと考えています。強制感があって、理由もなく役職者が言っていることが正しい、というのは良いことではない。そうなると、だんだん自分で考えなくなってしまい、自分が所属している組織なのに他人事になってしまうのではないでしょうか」

ー チーム発足当初、強制力が働かないようなコミュニケーションは“かなり意識した”という柳井さん。特に中途入社メンバーを中心にした新しいチームづくりにおいて、「メンバーの強みを把握する」「強制力を働かせなく、一人ひとりが考える」という点は大事なポイントといえます。

落ち込んでいる時間は必要ない

ー 採用を通じて初めて仕事を一緒にすることになったメンバーは若くは、20代前半。営業職として経験年数など関係なくできるだけ早く成果を出し、自分の力を最大限発揮してもらうために柳井さんは成長を促す取り組みも行っていきました。

「成長を促す取り組みとして、テレアポや営業のロープレを行っています。ロープレではいろいろなお客様のパターンを用意して、お客様によって柔軟に対応できるのかを見ています。 『なぜアポを取ったのか』『なぜ今なのか』『なぜうちのお店なのか』『お店にとってどういうメリットがあるのか』『料金形態は?』『情報が足りているか』など要点の説明が分かりにくい場合には、どんどん突っ込んでいき、あえて困らせます。そして困ったことについて一緒に解決策を考えて、実戦にすぐに活かすように指示をしています」

ー 「ロープレなどを行っても、前職での“今まで経験した営業スタイル”が邪魔をして成果に結びつかないメンバーもいる」と柳井さん。そのようなメンバーに対してはどのように対応したのでしょうか?

「結果が出なかった場合、今までのやり方を捨てることを強く伝えます。騙されたと思って役者になった気持ちでアドバイス通り演じてみることを指示するのです。そうしたうえで、基本と考える『因果関係を整理すること』『時系列を会話に盛り込むこと』を改めて意識するように伝えています。やり方を捨ててもらった分、改善して結果が出てきたときには大いなる称賛をしますね(笑)。こういったチームメンバーへの説明は“僕自身の営業力”が必要になってくるので、どのように表現すれば納得してもらえるのかは、常にレベルアップしていきたいと考えています」

ー こうして信頼関係を構築していった、レストラン開拓グループ。しかし、1年間一緒に仕事をするなかで、メンバーがうまくいっているときもあれば、結果が伴わずに焦る時期もあったそう。メンバーの悩みを感じたとき、柳井さんは原因を分析したうえで、ハッキリと改善点を伝えることにしているようです。

「何かがうまくいかないときは、行動記録を見れば要因が分かるのではないかと考えています。テレアポのコール数、そのうち何本アポが取れて、何件訪問に行って、何件契約できたのかといった数字をすべて残すようにしています。そうした数字を見れば、電話での話し方が悪いのか、訪問先での対応が悪いのかが分かります。悪い部分が分かったら、訪問同行をし『訪問に行ったときの第一印象が悪いんじゃないかな』など、ハッキリ思ったことを言うようにしています。もしかしたら一瞬傷つくかもしれませんが、悪い部分が明確になり改善できれば悩むことももうありません。そして結果が伴えばモチベーションが上がります。休日もフレッシュな気持ちで過ごせますよね。落ち込んでいる時間は必要なく、改善策を考えて実際に行動に移してほしいと考えていますね」

コミュニケーションは最短距離を意識してもらう

ー さらに、柳井さんは少しでも多くの成功体験を若手メンバーに積んでもらうために工夫していることがあります。

「毎週金曜日に1週間の行動数字の報告をメインとして振り返りMTG行っており、そのなかで飲食店は今どういう課題を抱いているのか、その課題に対してどういうことができるのか、という話も共有してもらっています。課題から改善できるサービスが提供できるかもしれないからです。そういったときに自ら意見をし、手をあげて『このサービスは自分がやりたい』と言い切ったメンバーがいました。まずその時点で称賛に値しますよね。実際にサービス化に向けて、本部長を交えてプロジェクトが動き出しました。しかし、そのメンバーと本部長が細かい仕様を一緒に考えるなかで、ニュアンス的な部分の確認を遠慮して直接聞けずにいる瞬間があります。そのことを、メンバーから相談されたときに、『直接聞いてみなよー』とあえて言っています。」

ー あえて、本人から話をしてもらったのは柳井さんなりの狙いがありました。

「ニュアンス的な要素を確認するのにやっぱり本人が言うのと、私が間接的に言うのとでは、相手に伝わる熱量が違ってきます。そういった“熱”は本部長とはいえ、直接伝わってほしいなと思っています。本来なら最短距離でコミュニケーションできる部分に、変に間に入らないようにしています。本部長もそういうカルチャーを望んでいると思いますので」

ー 柳井さんは本部長ともコミュニケーションを頻繁に行い、その会話の中でメンバーの日々の状況を話すようにしています。

「本部長とは頻繁に飲みに行っていまして、そのときに事業部全体のメンバーが対象になりますが『このメンバー、今この部分がんばってますよねー』とあえて話題を振るようにしています。メンバーが増えれば増えるほど組織の上に立つ方は、各メンバーのがんばりって見えにくくなるものだと思います。特に営業現場での成長などはその場にいないと分かりませんしね。なので、僕が感じた現場の出来事はその飲み会で伝えられたらと思っています」

ー 柳井さんの積極的にハブとなる姿勢、Face to Faceを大切にするスタンスが、チーム全体のエンゲージメント向上につながっているようです。

チームの連携は成果にダイレクトに影響する

ー アイモバイルでマネージャーとなって1年目で、大胆さと繊細さを兼ね備えたマネージメントを行う柳井さん。そのバックボーンには、学生時代に打ち込んだサッカーでの経験が色濃く反映されていました。

「学生時代に真剣にサッカーをやっていたのですが、活躍するためには個人のスキルアップはもちろん、メンバーの強みや個性を把握すること、積極的にコミュニケーションを取らなければいけないことも大事だと学びました。だから、サッカーの考え方、テレビは何を見ているのか、好きな女の子のタイプは、とか何気ない会話もたくさんするようにしていました。そうして築いた関係って、試合のパフォーマンスにもダイレクトに影響してきます。僕はFW(フォワード)だったのですが、仲間から信用されるとパスがもらえますが、信用されなければ思うようにパスはもらえません。また、パスのズレなども起こり、自分の力を最大限発揮できずに試合が終わってしまいます。結果、チームとしても最大限の力が発揮できないことにもなる。試合を決定づける些細な違いは、チームの一体感が大きく影響すると学びました。それは、仕事においても同じだと考えています。チームの連携が取れてないと、やはり結果は最大化されない。また、お客様や協力会社との関係においてもその気持ちは大切にすべきです」

ー 体感のあるチームの重要性を身をもって学んだ柳井さん。「いち早くメンバーの強みを理解する」「仕事以外の会話から考え方などを理解する」「Face to Faceを大切にする」といったナレッジは今でも活かされているようです。最後に、これからの抱負を語っていただきました。

「サッカーでは上下関係はありつつも年齢関係なく意見や主張をする環境がありました。あらゆるスポーツなどはそうだと思いますが、その感覚は仕事においてもそのまま持っています。なので、若手メンバーとは歳が離れていますけど、仕事でも自分の意見を言いやすい雰囲気をつくれるように意識します。また、仕事を離れれば友達みたいな感じで話すようにしています。これからも高いエンゲージメントが続くように努力し、楽しい会話が飛び交うGoodチームでありながらも、結果も残せるチームになれるように努力していきたいですね」

ABOUT COMPANY企業情報

株式会社アイモバイル

事業内容: アドネットワーク事業、アフィリエイト事業、コンテンツ事業、代理店事業、ふるさと納税事業(ふるなび)、DSP事業、動画広告事業(maio)、通販事業、人材紹介事業、デジタルマーケティング事業、ネットキャッチャー事業
設立: 2007年8月17日
従業員数: 連結293名 単体199名
(2018年1月末現在)

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