INTERVIEWEE

株式会社クラス 執行役員兼管理部長 中島悠太氏

1993年生。慶應義塾大学卒業。大学在学中に公認試験合格。大学在学時はリンクアンドモチベーションにてインターン。大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入社。十数社の財務諸表監査や内部統制監査、その他リクルート活動に従事。2018年10月より株式会社クラスにジョインし、ファイナンスや組織面を担当している。

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「DIO PLAN」。今回お話を伺ったのは、家具家電のサブスクリプションサービスを展開している株式会社クラス(CLAS)です。2018年4月の創業以降、会員数8万人を突破するなど急成長を遂げる同社は、社員数も増えるなかで組織づくりにも力を入れています。ハイパフォーマーを生み出す「EXプロジェクト」やwevoxの活用方法など、CLASの組織づくりに迫ります!

「『暮らす』を自由に、軽やかに」をビジョンに掲げ、家具家電のサブスク事業を展開

-今回は、御社が取り組んでいる組織づくりのための施策「EXプロジェクト」について伺っていければと考えています。

最初に、簡単に事業内容について説明させてください。当社は、「家具家電のサブスクリプションサービス」を個人と法人向けに展開しています。お客様は好きなタイミングで好きな家具を借りられて、いらなくなったらすぐに返すことができるため、ものに縛られずに自由な生活を送ることができます。

個人の会員数は約8万人。法人については取引社数は150社を超えており、オフィスやホテル、飲食店、マンスリーマンションや民泊、モデルルームなど幅広く展開しています。

−自社でリペアを行なっているんですよね?

そこが当社の特徴の1つだと思っています。お客様から返ってきた家具を自社でリペアして新品同様にし、また貸し出す仕組みを作っています。家具を捨てずに使い続けることは、地球環境にも優しいですし、SDGsなどにも寄与する取り組みだと自負しています。

また、当社は家具の企画・製造も行なっております。直接工場とやりとりするかたちで自社のオリジナル製品を生産し、お客様に提供しています。

−組織的な特徴はありますか?

当社には多様な職種の人がいます。商品の企画・開発を行うメンバーから、リペアを行う職人、インテリアコーディネーター、自社倉庫の運用を進める物流や配送周りのスタッフ、ECの構築を行うウェブ系人材もいます。もちろん営業や管理部もいるので、すごくバラエティーに富んだ人材が集まっている組織です。

−その多種多様さが、今回立ち上げたプロジェクトとも関係していますか?

はい。現在、正社員が約25名の組織なのですが、そのうちの10名ほどがここ3カ月の間に入社しています。急激に社員が増えたことで、改めて自社の足元をしっかり見つめておく必要があるよね、と考え始めたことが「EX(Employee Experience)プロジェクト」の発足につながりました。

施策を打ち続けることで、新しい風を起こし続ける

−プロジェクトの概要と、導入の背景について教えてください。

課題感としてあったのは、「CLASに合う人、CLASで活躍している人がどういう人なのか、しっかり定義しておく必要があるのではないか?」ということでした。いわゆる自社で言うところの「ハイパフォーマー」がどういう人なのか、その共通認識を皆で持っておくことが、今後さらに人を増やしていく上では非常に大事だと考えました。

もう1つが、アウトプットのスピード感を加速させることでした。当社は2018年4月創業のスタートアップで、サービスをローンチしてから約1年ですので、普段からスピード感は非常に大切にしています。ただ、組織が大きくなるにつれ、チーム内外でのミーティングやコミュニケーション等、必要以上に時間がかかっていたり、人が増えることによってスピードが少し遅くなっているのを感じてました。そのため、仕事のアウトプットのスピードを上げ、さらに成長できるような環境を作ろうと考えました。

−よく言われる「30人の壁」に近いものがあったと。

そうですね。ただ、もちろんスピード感を持っていいパフォーマンスができている人もたくさんいます。「その人とできていない人の違いって何だろう?」を考えるところから、「ハイパフォーマーを増やす」ことを、このプロジェクトの目的に置きました。

−ハイパフォーマーをどう定義したのか、もう少し教えてもらえますか?

当社は「6つのバリュー」を掲げています。具体的には「主体的であろう」「まずは打席に立とう」「和を重んじ、環を創ろう」「変化にしなやかに、したたかに」「最速でアウトプットし続け、最高以上を目指そう」「捨てる勇気を持とう」という6つなのですが、このバリューを体現できている人がCLASの中でもパフォーマンスが高い人だという認識を持っています。であれば、バリューを体現できている人がどういうことをしているのか、そこを紐解きながら、バリューを体現できるメンバーを増やしていこうと考えました。

−プロジェクトはどういう形で進めていったのでしょうか?

私ともう1人別のメンバーとでディスカッションしていたのが最初です。お互いに話す中で共通の課題を持つようになり、それを代表の久保に相談しました。代表自身も人を大事にしたいという強い思いを持っている人なので、私たちの提案に対してすぐに賛同し、具体的に動かしていこうという話になりました。

最初に考えたのが、まさにバリューの1つにある「打席に立って打率を上げよう」という考えそのままで、とにかくアクションを起こすということでした。もちろん、どのような課題があって、それに対して仮説を立て、こういう施策がいいのでは、と考えますが、どんな施策が刺さるかは実際にやってみないとわからないだろうと。小さなことでもいいので、毎週1つでも「新しい風」を吹かせ、そこから精度をあげていこうと思いました。

−プロジェクトのメンバーはどうやって集めたんですか?

こちらから一方的に指名してお願いするのは、どうしてもやらされ感が出ると思ったので、バリューにもあるように、理想はメンバー全員が主体的に動ける会社組織にしていくことですから、できるだけ手を上げて参加してもらいたいと思いました。ですから、1on1の中で組織づくりに興味のある人や周囲を巻き込んで引っ張ってくれそうな人がいたら個別に声をかけたりして、各チームから1人ずつを選ぶ形でプロジェクトの形にしていきました。

普段からコミュニケーションを取る機会が多い会社なので、いつもの会話の延長線上で話しができたため、何か無理をしたり苦労することはなかったですね。現在は、定期的に集まって施策についてミーティングを重ねているところです。

具体的に取り組みを進めている「4つの施策」

−具体的な施策で動き始めているものがあれば教えてください。

他にもいくつかありますが、その中でもこの場では4つほど紹介させてください。

1つ目が、入社後3カ月間は1on1の頻度を増やすことです。具体的には、それまでの月に1回から2週間に1回程度にし、さらに代表や人事もそこに入ってフォローする体制を作りました。

目的は、入社時の「これがしたい」という期待値と、実際に働き始めてからの些細なブレを早いうちに見つけること。元々やりたいことがあって入社してきているので、そこを大事にしたいよねと。会社の方向性と個人の方向性をなるべくずれないようにすることで、本人のやりがいや成長、モチベーションが維持され、自然とバリューも体現されていきます。

−入社したばかりの大事な時期だからこそ、細かく話す機会を増やすということでしょうか?

仰るとおりです。正直、即戦力を期待した中途入社だとしても、すぐにパフォーマンスを発揮するのは難しいと思っています。そこをしっかりフォローするという施策ですね。

2つ目が、マネージャー研修の充実です。成長スピードや抱える課題感は、当然、個人によって違うじゃないですか。これまでのような20人程度の規模感であれば、人事が見て細かく対応できたとしても、今後人数が増えてきた時には当然それは難しくなります。あるべきマネージャーの役割として人数が増えたときに対応できるように、仕組みを作っておかないと対応できなくなると考えました。

例えば、個人の成長や課題意識に対してどういう視点で向き合うのか、そのためのコミュニケーションの取り方、目標設定の仕方などを体系化しておく。そうすることで、成長スピードを加速させるだけでなく、バリューの体現を後押しするマネジメントが可能になると考えました。

3つ目が、シャッフルランチです。普段は基本的に各自自由にお昼休憩をとってね、というスタイルなので、外出が多い人やリモート勤務の人など、どうしてもコミュニケーションの頻度は落ちてしまうので、そこを担保するという施策です。

シャッフルランチのグループはどうやって決めているんですか?

なるべく違うチームの人と組むようにしています。基本的に自分たちのチーム内で収まる仕事というのは少なく、他のチームの人に依頼をしないと進まないことが多いんです。そのような中、他のチームが何をしているのか分からないのに、仕事を依頼してもコミュニケーションコストがすごくかかります。そういった背景もあって、普段他のチームの人がどういう仕事をしているか知る機会が中々ないと思うので、シャッフルランチを導入してみました。

−シャッフルランチの効果は?

出ていると思います。他のチームの人が今何をしているのか、どういう課題があるのか見えたり、他チームの上長が考えている事なども知れて、普段の業務の横連携がスムーズになったと思います。

そして4つ目が、勉強会の実施です。毎回ファシリテーターを決め、その人が得意なことや伝えたいことをテーマにして行います。主体性を育むことはもちろんですが、タイムマネジメントやファシリテートの仕方などを自由に考えることも勉強になると思っています。

−これまでにどんな勉強会が行われたんですか?

例えばインテリアコーディネーターがインテリアについての専門的な話をするなど、職種に紐づいたものがあれば、社内ツールの使い方をその担当者が説明をするケースもあります。実際、私がwevoxの担当なので、スコアの見方や、どう使っていくかみたいなことを話ました。

あとは、前職でフィットネス関係の仕事をしていたメンバーが体調管理と仕事のモチベーション維持について話したケースもありました。いろんなテーマが出てくるので、毎回みんな楽しみにしているみたいですね。

−「自分だったら何が話せるか」を考えるきっかけにもなりそうですね。

それは間違いなくありますね。もちろん、知識が得られることも楽しみですが、主体的に考えるきっかけになったり、あとは自社についていろんな角度から話を聞くことで「サービス愛」が強くなったりするケースもあるようです。

−施策を考える上で大事にしていることはどんなことでしょうか?

「何のための施策か」「施策を行った結果どうなったか」ということですかね。周りの人の貴重な時間を使わせてもらっていたりもするので、「やっただけ」にならないように気を付けています。

wevoxの数値を参考にハイパフォーマーの傾向を分析

−先ほど少しお話がありましたが、wevoxの活用について話を伺えますか?

プロジェクトにおいては、「ハイパフォーマーがどんな人か」を定義するところでwevoxを活用しています。バリューを体現しているハイパフォーマーはどの数値が高いのかを分析して、施策と紐づけていくという使い方ですね。

−参考までに、傾向としてどういう項目が高かったのでしょうか?

例えば「仕事へのやりがい」や「裁量」、あとは「成長機会」「使命や目標の明示」といった項目が高いことがわかりました。目標を設定して実行することが重要だという分析から、実際に「1on1を強化しよう」という施策につながった…という感じで活用しています。

もちろん、毎月1回wevoxを実施することで、組織の状態を定点観測することにも役立てていますよ。あわせて、打った施策がメンバーにどう影響するか、そのフィードバックとしても数値に着目しています。

−組織の状態が見えてくることで、会社の中で変化はありましたか?

うちはみんなが情報を自由に取れるように、社内は全てオープンにしているのですが、それでも最初は「経営陣への信頼」や「会社の方針や事業戦略への納得感」が思ったよりも低かったです。実はあんまり伝わっていなかったんだな、と。

そこから「役員に何でも聞く会」を設置してみたり、飲み会やシャッフルランチなどお互いに話す機会を多くしたり、マネージャー層とのコミュニケーションを増やしたりと、いろんなことをしてみたんです。結果、やるたびに数値は上がっていったので、施策を打つことの効果は実感していますね。

−今回の「EXプロジェクト」を進めた結果について、現状ではどうお感じになられていますか?

10月からなのでまだプロジェクトは動き始めたばかりですが、肌感としては課題だった「スピード感」が醸成されてきているように感じています。

バリューの中でいうと、各々に「主体性」が出てきているように感じます。もちろん、これまでも主体的に動いてくれていましたが、より周りを巻き込んで動いていると感じられる場面が増えているように思います。加えて、「目標を立て、施策を打って変えていく」というサイクルが社内にでき始めた雰囲気がありますね。そういう意味で、今後に期待が持てています。

EXとCXを両輪で進めることが強い組織作りにつながる

−最後に、今後目指していきたい組織像について教えてください

今回のプロジェクトは、あくまでバリュー起点での話なので、一般的なEXの考え方とは少し違うかもしれません。ただ、前提として「働く私たちが満足していなければ、顧客の満足には繋がらない」と考えているので、EXを高めることと、CXに目を向けることは両輪でやらないといけないと思っています。今後は、EXというところをもっと追求していきたいと思います。

やはり、会社の成長と個人の成長の方向性がマッチしていることが、お互いに幸せな状態だと思います。となれば、会社としての目標や目指す方向性はきちんと示し続けないといけませんし、個人もそこはしっかり考えないといけません。それが自然にできる文化を作っていければ、組織はもっと強くなるのかなと感じています。

その延長線上で、「うちはこういう会社だ」とはっきりいえる文化を作り、それに共感してもらえる人を増やしながら拡大していけるのが理想の姿かなと思っていますね。

−どうもありがとうございました!

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