概要
会社の方針は「全体と個別」をセットで伝えることでより納得感が増します。
サイバーエージェントでは、半期に一度、全社員が集まるグループ総会の場で、会社の大きな方針が代表の藤田からで発表されます。最近だと「平成ラストスパート」というコンセプトで、平成最後の年を盛り上げていこうという話がされました。これが「全体」の方針発表です。
またサイバーエージェントでは役員が週に数回度、社員とランチまたは夜に飲みに行く機会を設けていることが多いです。そこで改めて方針の詳細を個別に伝えたり、疑問に答えるようにしています。これが「個別」の方針の伝え方です。
社内で食事をする際のポイント
1.食事に行くのは5~6人の少人数で
役員との食事は毎回5~6人程度で開催されることが多いです。その人数であれば、発言もしやすいですし「経営層と話した」という実感を得やすいからです。
2.食事会の“在庫”を決める
食事会の話をすると「人数が増えたらできなくなる」という話をよく聞きます。実際、100人、300人、1,000人と増えていけば、全員と食事会に行くのは難しい。多くの場合無理だと思います。私は、「食事会の“在庫”は週2回」という意識を持つようにしています。
よく全員と行こうとしても無理だから「もう食事会をなくそう」と経営層が考えてしまうことがあります。かといって人数に合わせて食事会を増やしては、役員の負担が増すばかり。
割り切って、食事会の数を限定する意識を持つことで、継続性のある活動にできるのではないでしょうか。
3.方針の文脈、ストーリーを共有する
食事の場で、方針の話をする際は、その方針が生まれた文脈、ストーリーを共有するように意識しています。そうすれば従業員も方針をより深く理解してくれますし、他の従業員にもストーリーがあることで方針の内容が伝播しやすくなります。どういう流れがあってその方針が生まれたか、その方針によって従業員にどういう意識を持ってもらいたいか、といった細かな話を食事の場で個別にすることで、方針への納得感はぐっと高まります。
実践事例のご紹介
食事会に関しては、従業員は経営層と話すことで会社の今の立ち位置やこれからの方向性がより具体的にわかるので、とても価値を感じてくれているようです。経営層が話すだけでなく、会社に対する要望も直接経営層に話せるので、働く環境の向上にも繋がっています。
経営層からしても、従業員の生の声が聞けるとても貴重な場となっています。数年前にサイバーエージェントが9時出社から10時出社になったのは、代表の藤田が食事会を行った際にある社員から言われた「子どもの見送りを考えると、10時出社がいい」という言葉がきっかけでした。このように、経営層にとってもこの食事会は経営において、重要な根幹となっています。