概要
弊社では、従業員サーベイを実名で行い、閲覧できるのは人事部と経営陣のみとしています。
過去には匿名でのサーベイを実施していましたが、実名に切り替えました。
始めたきっかけ・背景
匿名でのサーベイだと、例えば「席の周りがうるさい」や「人間関係に悩んでいる」といったパーソナルな悩みへの対応がとても難しい傾向にありました。
人事としては、回答を求められているが、ただ受け取っているだけで対応ができない。非常にもどかしい思いもあり、実名でのサーベイに切り替えることにしました。
実施ポイント
実名でのサーベイに切り替えるに当たって、予想はしていましたがやはり反対意見も上がりました。「匿名だからこそ書けることもある」といった意見もいただきました。そういったパートナーに対しては、上記の背景も含め、なぜ実名化に切り替えたのか、意図を口頭で丁寧に説明するようにしています。
「パーソナルな悩みも、今後はより正確に対応できるようになる。全てのパートナーにとって、メリットがある」といった形で、みんなのメリットになるということを説明するようにしています。
効果、成果
狙い通り、パーソナルな悩みを個別で迅速に対応できるようになりました。これは、人事とパートナー(当社では社員のことをパートナーと呼んでいます)との信頼関係の構築に大きく寄与しています。
それから、「マイナスの蔓延」の防止にも繋がっています。これまで、匿名でのサーベイだとパーソナル度合いが高い課題に対しても何かしら対応策を講じたときに、全パートナーに対してフィードバックをしていました。そうすると、例えば「他のチームではそんなことが起きているのか」とマイナスの機運が蔓延するリスクもあったのです。それが、実名化し、個別に対応可能となることで、全社的な課題のみ、公開することで特定のチームや部署の問題に、関係のないパートナーを巻き込んで課題とする必要がなくなりました。
これは個人的な所感ですが、実名化にしたことで、コメントする責任感が増したのか、想いが込められるようになった気がします。また、匿名の場合はもちろん、誰がコメントしたかがわからないため、全社公開という形での回答のみでしたが、実名になったことで、コメントだけではわかりにくかった背景や目的を個別にヒアリングすることができるようになりました。これによりコメント者の意図した回答ができるようになったと思っていますし、人事としても大きな効果があると思っています。