事業への関心度合いを広げて仕事の楽しさに気づいてもらう

やりがいを醸成し、仕事に楽しんで取り組んでもらうためには、どのような働きかけが効果的でしょうか。堺刃物やDYIツールを中心に扱う老舗総合商社 株式会社福井では、事業に関与する意識の幅を段階的に引き上げることで、やりがいを生み出しています。

LECTURER

株式会社福井 営業2課 課長 岩森英喜氏

証券会社、広告代理店、不動産会社を経て、2014年に株式会社福井に入社。
入社後は一貫してインターネット市場(EC)への卸営業を担当。その後、EC市場に特化した営業2課を新たに起ち上げ、2017年より現職に昇格。
本人曰く、「伸長著しいEC市場に置いて行かれないよう」悪戦苦闘の日々を過ごしている。

若い社員が仕事に慣れるために、私はまず「仕事を振る」ことから始めます。それも、責任の大きい仕事もガンガン振るんです。

なぜなら、仕事はいくら口で教えても、覚えられるものではないと考えているからです。体験して学んでもらうのが1番早い。多少の失敗は、もちろん覚悟の上です。ときに、小さなミスはクライアント様に指摘していただくこともあります。そういう体験も、当人にとってはとても実になるはずです。

そのようにして仕事をガンガン振っていけば、初めは多少辛いかもしれませんが、必ず仕事の仕方を覚えていきます。そうしていくと、いわゆる「仕事を振られた」「やらされている」といった受け身の気持ちから、どんどん「自分が仕事をする」という主体的に仕事に取り組む考えへと変わっていきます

ある程度仕事を覚えるようになってからは、視野を広く持たせるような接し方をします。目の前の仕事だけに限定された思考ではなく、もっと広い、ワンステップ上の世界を考えさせるわけですね。

具体的には、いまの課の売上げを5年後にいくらにするか、という将来構想を描いてもらいます。売上げいくらで、必要な人員は何名か、詳しく考えさせるのです。「え、それって僕の考えることですか?」みたいな反応も来ますから、その考えをまず変えさせてあげます。「もちろん自分で考えることだよ。自分たちの将来なんだから、考えることに意味があるよね」と。

そうして、彼らなりの将来構想を考えてもらったら、弊社の会社全体の構想と突き合わせをさせるんです。例えばうちの会社の5年後の売上げを100%として、そこと照らし合わせると、彼の出した数字が10%だった。「10%でいいの?うちの課ってそんな存在価値でいいの?」と言うと、また考えてくれます。

それを繰り返して、そもそも会社は自分に何を求めているのか、といった形で考えをリードしていくと「自分の中で事業を考えるということは、こういうことなのか」と次第に分かっていくんです。

職場ではいくら「仕事って楽しいよ」と言っても効果的ではありません。楽しくなるために必要なことを問いかけたりして「仕事のことを考えるのって楽しいね」と気づいてもらうアプローチが大事です。