「何もしないことの方がリスク」だと伝える

刃物やDIYツールを中心に扱う大阪の老舗総合商社 株式会社福井は、長い歴史を持つ企業でありながら、挑戦する風土を失うことなく事業を続けています。その秘訣を聞きました。

LECTURER

株式会社福井 営業2課 課長 岩森英喜氏

証券会社、広告代理店、不動産会社を経て、2014年に株式会社福井に入社。
入社後は一貫してインターネット市場(EC)への卸営業を担当。その後、EC市場に特化した営業2課を新たに起ち上げ、2017年より現職に昇格。
本人曰く、「伸長著しいEC市場に置いて行かれないよう」悪戦苦闘の日々を過ごしている。

弊社のような問屋事業は、ビジネスモデルが強いわけではないので、ただ単に現状維持を続けていると売上が下がっていくのは明白です。なにか新しいことをやって初めて、売上をキープできる業界だと考えています。

ですので、弊社は仕入れ業務はもちろん、仕入れ先の新規開拓も各営業メンバーにやってもらっています。自分が考えて開拓した仕入れ先の商品が売れていくと、ドンドン楽しくなって次第に社員から「次はここに当たりましょう」といった積極的な意見が出てきます。何も動かず、現状維持のままでは単なるリスクなので、社員には失敗を恐れずにチャレンジしていってほしいと伝えていますね。

チャレンジに関連して、私が社員によく話すのは「大切なのは、ヒットの打率ではなく何回打席に立ったかだ」ということです。例えば、1年間のうち2打席しか立たなくて1安打だったら、打率だけを見れば5割と優秀ですよね。10打席立って、3安打だったら打率は3割。でも、10回のチャレンジをしたと評価できる。ビジネスにおいては「後者の人の方が立派だよ」と伝えているんです。ダメだった回数は何も気にすることはない。結果だけに一喜一憂せず、次の挑戦をすればいいんです。

ただ、失敗をそのままにするのではなく、原因を分析することも大切です。弊社では、失敗の原因を探るためのフローチャートをよく作っています。弊社は営業メンバーが多いので、失敗はクライアントとの商談の過程が多い。商談のフローチャートを作成して「こういう話を振って、イエスだった・ノーだった」とか「ノーだったときに、こういう言葉をかけたがうまくいかなかった」などを洗い出すのです。このようにして、どの会話で商談が失敗してしまったかを把握することで、商談の引き出しが増えチャレンジしたことの価値が高まります

それから、失敗したときに笑い飛ばせる雰囲気作りも重要です。何もしないことで失敗したときには、きちんと諭すようにしていますが、チャレンジした上での失敗は、まずは笑って聞いてあげるようにしています。少し時間を置いてから、先ほどのフローチャート形式の分析で失敗を振り返り、次のチャレンジへ進んでもらうのです。

こうした働きかけを常に意識することで、これからも挑戦する風土を継続していきたいです。