【1on1】メンバーにアジェンダを用意してもらうメリット/1on1のスキルは磨ける

・1on1で何を話せばいいかわからない
・メンバーのキャリア支援に悩んでいる
・メンバーの自主性を育てたい
・対話スキルを向上したい

LECTURER

株式会社GYAO 人財戦略室 室長 羽生和馬

人事コンサルタントとしてキャリアをスタートさせた後、事業会社での人事マネージャーを経て2014年に株式会社GYAOに中途入社。株式会社GYAOでは、主に採用、人材育成、評価、労務の人事業務に従事し、現在は人財戦略室 室長として人・組織領域全般のマネジメントを担当している。

実施ポイント

1on1を通じてメンバーの成長につなげる

ヤフーグループの制度で、GYAOでも全社的に導入している1on1を私の部門では、原則週1回、30分ほど行っています。メンバーが10人ほどいるので、時間の確保が大変なのも正直なところです。私は1on1はメンバーの成長を促す非常に有効な手段だと考えており、忙しい中でも最優先で取り組むという覚悟をもって対応しています。時間の確保が難しいという人もいますが、優先づけをして1on1の優先度を高めてスケジュール調整などを行うのがいいでしょう。

 

1on1を行う3つの目的とポイント

目的は主に3つ設定しています。

1.目標達成支援

これは、主に進捗共有や困っていることへのアドバイス、解決アクションの合意などを目的としたものです。目標管理シートも参考にしながら、日々の進捗での細かな相談、解決したいことを話してもらいます。

2.内省支援

1週間で行った業務を振り返り、うまくいったこと、いかなかったことを具体的に言語化してもらい、内省を促します。内省は自分1人だけで行っても限界があります。ですので、1on1の場を活用して、マネージャーがコーチングすることで、より精度の高い内省をサポートするのが大切です。

自分1人で内省をする際、個々の業務に対して「うまくいったこと、いかなかったこと、いかなかったことへの改善策」の3点セットで考えてもらうようにメンバーには伝えています。

内省を促すために、考えさせるような質問をすることも重要です。私は「他には何かあるかな?」「今話してくれた反省点で一番大事なのは?」など、さらに深く考えてもらうような質問を意識的に行っています。

そうした対話を通じて概念化した後、次にその内省を活かすために類似の業務、似たような環境、状況のプロジェクトに再度アサインすることも大切にしています。そうして、内省を次に活かし、改善する具体的な経験をさせる。こうしたサイクルを1on1を通じて行うことがマネージャーの役割として重要となってきます。

3.キャリア形成支援

目先の業務の話にとどまらず、中長期的なキャリア形成についても話すようにしています。特に意識しているのは「GYAOのみならず、他社でも活躍できるキャリアイメージ、スキルアップ」について話すようにしていることです。1つの会社で活躍することはとてもすばらしいことですが、市場を見ないまま、満足していては、変化が激しい今の時代では継続的に活躍していくのは難しいでしょう。他の企業でも役に立つスキルアップ・経験ができているか、このような視点でキャリアを考えることが、よりメンバーの成長を促すことにつながります。

この3つのテーマの全てを毎回扱うわけではありませんが、半年スパンでテーマの割合を考えると「1.目標達成支援」と「2.内省支援」が会話の中では大きくウェイトを占めます。2つを合わせて大体7〜8割ぐらいでしょうか。2〜3割が中長期的な話題となる「3.キャリア形成支援」について話をする、といった割合です。

 

メンバーにアジェンダを用意してもらう

私は1on1を行う前に、必ずメンバーにアジェンダを用意してもらうようにしています。とは言っても、事前にきっちりとした資料を共有してもらうということはなく、「1on1の始まる前の5分間でもいいから、何について話すか考えて欲しい」というスタンスです。会話は大体「今日のアジェンダはなんですか?」といった一言から始まります。

こうすることで、メンバーの1on1に向き合う意識が高まりますし、本当にメンバーが話したいことを中心に話を進めることができます。とは言っても、まだ1on1に慣れていないメンバーは「何を話していいかわからない」と最初は戸惑う場合も多いです。かつ、毎週行いますので、特に業務に大きな動きがない場合は、そもそも話す内容がない時もあります。そういった時はこちらから「今週、印象に残ったことは?」「今週、達成感を感じたことは?」など、あらかじめ投げかける質問を用意しておくといいでしょう。回数を重ねればメンバーもどのような話をすればいいのか理解し、自分でアジェンダを用意できるようになります。

1on1終了時、メンバーには自分のネクストアクションが明確になっているか、確認してもらい、わからない場合はマネージャーに確認してもらうようにすることも大切です。曖昧なまま終わってしまってはせっかくの対話が無駄になってしまいます。

1on1の後にメンバーには1on1自体の振り返りを行ってもらうようにお願いしています。これも5分ほどでいいので、どのような気づきがあったか、次回以降どうしていくかを簡単に整理してもらいます。これを繰り返すことで、より成長を加速させることができるでしょう。

1on1はマネージャーの意識も当然大切ですが、メンバーも「なぜ行うのか?どうすれば意味のある1on1になるのか?」など納得感を持って取り組んでもらうことの方が重要だと思います。これらのポイントを抑え、メンバーと1on1に取り組むことで、その効果をより高めることができるでしょう。

 

1on1のスキルは磨ける

私は1on1のスキルを高めるために外部のコーチングスクールに半年通い、資格を取得しました。その経験から、1on1で必要な質問をしたり、聞いたりするスキルは磨くことが可能だと考えています。

例えば、私はメンバーから話題が出てきにくい時や内省を促進する会話をする時など、状況に応じて「質問リスト」をあらかじめ作っています。質問力に関する書籍はいくつかありますし、セミナーもあるので、ぜひインプットをおすすめしますが、大事なのは「質問を自分なりの言葉にカスタマイズする」ことです。自分の性格やキャラクターに即した言葉、質問の仕方に試行錯誤しながらチューニングしていくことです。

このように、1on1でのコミュニケーションをスキルと捉えて磨いていけば、より高い効果を引き出せるでしょう。

最後に、1on1のスキルを高める上でオススメの書籍を2冊ご紹介します。

アンドリュー・ソーベル, ジェロルド・パナス(2013)『パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術』(CCCメディアハウス)

橋場 剛(2010)『優れたリーダーに変わる たった1つの行動』(中経出版)

ABOUT COMPANY企業情報

株式会社GYAO

主な事業: インターネットを利用した映像のコンテンツ配信サービス
設立年月日: 2008年10月22日
従業員数: 284名(2018年5月現在)

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