チームプロフィール
アドテクノロジーセンター「ScaleOut」「Ad Generation」など、Supershipのアドプラットフォームを開発・運営するエンジニアのチーム。8チームに分かれていて、人数は全部で70人程度。
エンゲージメント解析ツール「wevox」を活用し、“これからのマネジメント”を実践する人々にフィーチャーする「Next Management with wevox」。今回はSupership株式会社アドテクノロジーセンターの名畑真一さんにお話を伺いました。「最初のサーベイはスコアを見るのが怖かった」と話す名畑さん。メンバーとのコミュニケーションの工夫やマネージャー間のナレッジシェアなど、様々な取り組みをされてきた名畑さんが語る「マネージャーにとってのwevoxの価値」とは一体何なのでしょうか。
【wevoxの第一印象】 組織の「生々しい部分」を明らかにするツール
―wevox導入当初のことは覚えていますか?
はい。当時はマネージャーでしたが、最初は正直「結果を知るのが怖い」と思ったのを覚えています。どれだけ売上に貢献したかなどは、今までも数字というストレートな結果として見えていましたが、wevoxのサーベイで測るものって人間関係などの生々しい部分じゃないですか。今までふわっと把握していたものが、明確な形で出るのは初めてでしたし、未知への恐怖のようなものを感じました(笑)。
―結果はどうでしたか?
スコアは悪くなかったです。ただあらゆる項目で組織が数値化されていて、この部分は高い、ここは低いといった形で組織のリアルな状態を突き付けられた感覚はありました。
【wevoxで見つけたチームの課題】 自分が重視していた部分と実際の状況にギャップがあった
―初期のサーベイでは、どのような課題が見つかりましたか?
ある部門では、「理念戦略」のスコアが低く、組織への共感が低いことが課題でした。普段からメンバーにはエンジニアとしての目先の業務についてだけではなく、売上や目標といった組織全体の話はしていたつもりだったんですけど、まだまだ足りていなかったことがサーベイでわかりましたね。
―なるほど。他にはありましたか?
別の部門では、「やりがい」のスコアが思ったより低かったです。ここも普段からマネージャーとして意識していたところでもあったので、申し訳ない気持ちになりました。
総じて、自分がマネージャーとしてやってきたことと実際の受け手の感想にズレがあったことがわかりましたね。

【課題を解決するためのアクション】協力者を巻き込んでコミュニケーションを改善
―サーベイの結果を踏まえて、どのようなことに取り組みましたか?
先ほどお話した通り、メンバーに「組織」についての意識を強めてもらうために、売上については直接伝えていたのですが、その伝え方を工夫することにしました。僕ではなく営業部の人から直接伝えてもらうように変えたんです。私たちエンジニアの部署は定期的に営業部とのミーティングがあるんですが、その場を使って営業部の人に売上の進捗や今後の方向性について話してもらうようにしました。
実際の現場で売上を生んでいる彼らから直接話してもらうことで、メンバーもより数字や戦略についてイメージが湧くようになったと思います。
―なるほど。それは有効な取り組みですね。
あとは、人事にも協力を仰ぐようになりました。マネージャーである私は、メンバーにとっては評価者でもあるので、やっぱり言いにくいこともあると思うんです。直接の利害関係がない人事の人と話すほうが本音を引き出しやすいのかなと思いまして。
実はこの2つの取り組みは、ある取り組みをきっかけに、他のマネージャーから教えてもらい実行したものなんです。
―そうなんですか? その取り組みについて詳しくお聞かせください。
今年の4月から、エンジニアマネジメント戦略室という部署が立ち上がりました。名前の通りエンジニア部署のマネージャーが所属する部署で、マネジメントに関するナレッジシェアを主に目的としています。実際にやって良かったマネジメントの取り組みをお互いに共有し合ったり、マネージャーとしての悩みを話し合ったりすることで、マネージャー同士の横の連携を強めています。
会社として、特にエンジニア組織の活性化の機運が高まったタイミングで立ち上がった部署で、共通言語としてwevoxは機能しています。「最近wevoxどう?」や「wevoxのこのスコアが低いんですけど…」といったコミュニケーションが当たり前に行われていますね。
―マネージャーにとっては心強い場ですね。
そうですね。今後も取り組みを継続させて、自分たちを含む全エンジニアチームの組織づくりを進めていきたいです。
【wevoxがマネジメントに及ぼすメリット】変化に気づくポイントが増えた
―wevoxは名畑さんのマネジメントにどのようなメリットを及ぼしたと思いますか?
変化に気づくポイントが増えたことですかね。今まではメンバーの表情やコミュニケーションの温度、進捗の遅れでメンバー状態の変化を察知していたのですが、そこの気づきのポイントがwevoxのおかげで1つ増えました。マネジメントをしていくうえでこの気づきの数は多ければ多いほどいいと思っています。
―気づきの数、ですか。
もちろん、気づきの精度も大事だとは思います。ただ、数もやっぱり重要で。wevoxで重要な変化があったときに、自分の仮説が外れることもたまにありますが、その変化は1つのアラートであることには間違いないんです。多少無駄打ちがあったとしても、少しの変化でもいいからたくさん知らせてほしい。マネジメントも同じで、アラートに気づけるポイントが多ければ多いと思っています。
―なるほど。ちなみに、名畑さん自身マネジメントの考え方の変化はありましたか?
何か組織に問題が発生したときに、発生源が何なのか気にするようになりました。先ほどの気づきのポイントの話に関連させると、何かのアラートに気づいた後に、課題が何なのかを特定するときにもっと深く考えるようになりましたね。wevoxで組織状態が定量化され、課題が明確になり、解決をするというサイクルを多く回していくうちに考え方がブラッシュアップされていきました。
【we are the teamになるために】 メンバーの成長と成果が両立したチームをつくっていきたい

―今後組織づくりを進めていく上で、どのような理想像を描かれていますか?
やっぱりメンバーには長く働いてほしいというのが根本の考えとしてあります。人の流動性も大事ですが、気持ちとしては同じ会社で働いてほしいものです。そのためには、メンバーが成長し続けられる組織をつくらないといけない。メンバーが仕事にやりがいを感じて、結果的に成長機会になる状態をマネージャーとして作り続けないといけません。
もう一つ付け加えると、結局会社は売り上げを立てる営利組織なので、成果は出し続けなくてはいけません。エンジニアは仕事を楽しんでいるけど売上は上がっていない、という状況は望ましくない。成果を出しつつ、メンバーが成長できている。そんな組織をつくっていきたいです。